ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(Greenleaf Music、2012年)を聴く。
Donny McCaslin (ts)
Jason Lindner (el-p, p, syn)
Tim Lefebvre (b)
Mark Guiliana (ds)
David Binney (vo, syn)
ときに肉声のくせに電気サウンドのような音を出すマッキャスリンのテナーは面白い。マーク・ジュリアナのドラムスも、何もドラムマシーンや打ち込みの偽装ではない。
マシーンやエレクトロニクスを使うのではなく融合しているのである。言ってみれば、かつて夢みた理想的な未来社会。だがそれはシニカルなディストピアの暗示でも、底抜けに楽天的なユートピアの信仰でもない。もっとも、『銀河鉄道999』において鉄郎が機械伯爵を葬ったような、システムの崩壊も見せてほしいところではあるけれども。
●参照
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
マーク・ジュリアナ『Family First』(2015年)