Sightsong

自縄自縛日記

アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds

2015-09-27 21:34:38 | アヴァンギャルド・ジャズ

ブルックリンのSeedsに足を運んだ(2015/9/26)。アイヴィン・オプスヴィークが4日間のレジデンシーをやっており、この日は最終日「Overseas」。なお、前日はオッキュン・リーとのデュオだったが残念ながら行けなかった。

Tony Malaby (ts)
Kenny Wollesen (perc)
Brandon Seabrook (banjo)
Jacob Sacks (p)
Eivind Opsvik (b)

ブランドン・シーブルックを観るのは4月以来だったが(アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art)、また来たなと覚えていて声をかけてくる。オプスヴィークは、話しているとCDをくれた。

何しろ聴きたかったトニー・マラビーを目の当たりにできて感激だ。音は期待を超えるものだった。さまざまな周波数とノイズを含み持ち、音色のマチエールは樹皮を思わせる豊かさだった。かれはほとんど眼をつむって吹いた。

セットの最初は、じわじわとバンジョーやピアノやベースが不協和音を奏でながら、なかなか統合に至らない。このあたりは、実は大航海時代における出発前の人々よろしく、不安を覚えての旅立ちでもあるのだった。そして、シーブルックのバンジョーはオリエンタルでエキゾチックな香りを持ち、それも狙いなのだろう。旅は次第に盛り上がってゆき、悦びとも何とも言えないようなこみ上げるものを表現した。本当に素晴らしい構成で、あきらかにオプスヴィークの手腕だった。30人くらいの観客はみんな嬉しさに笑顔を浮かべ、大拍手だった。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4 and Nikon P7800

●アイヴィン・オプスヴィーク
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)

●ブランドン・シーブルック
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
クリス・ピッツィオコス@Shapeshifter Lab、Don Pedro(2015年)
トマ・フジワラ『Variable Bets』(2014年)
アンドリュー・ドルーリー『Content Provider』(2014年)
ブランドン・シーブルック『Sylphid Vitalizers』(2013年)

●トニー・マラビー
ジェシ・スタッケン『Helleborus』(2014年)
クリス・ライトキャップ『Epicenter』(2013年)
トニー・マラビー『Scorpion Eater』、ユメール+キューン+マラビー『Full Contact』(2013、08年)
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』(2003、13年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ポール・モチアンのトリオ(2009年)
ダニエル・ユメール+トニー・マラビー+ブルーノ・シュヴィヨン『pas de dense』(2009年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』(2007年)


マイケル・ウィンバリー@Children's Magical Garden

2015-09-27 15:09:37 | アヴァンギャルド・ジャズ

ニック・ライオンズ+ピート・スワンソンWhile We Still Have Bodiesに引き続き、マイケル・ウィンバリーのドラムソロ。

ここで愉し気に素朴なタイコを叩くという、やはりふつうはない状況。ウィンバリーはチャールズ・ゲイルとも共演歴があるはずだが、そのときも素朴で愉快なのだろうか。

Michael Wimberly (ds)

Fuji X-E2, Leica Summitar 50mmF2

●Arts for Art
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)
ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)


While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden

2015-09-27 14:51:37 | アヴァンギャルド・ジャズ

ニック・ライオンズ+ピート・スワンソンの次は「While We Still Have Bodies」。一見ふつうのカルテットだが、実はまるで違う。

Michael Foster (ts, ss)
Ben Gerstein (tb)
Sean Ali (b)
Flin van Hemmen (ds)

マイケル・フォスターはサックスを地面に付けたり、金属板を全面にアタッチしたり、朝顔の中にペットボトルを入れたりして吹く。ユニークと噂のベン・ガースティン(前夜、イングリッド・ラブロック UBATUBA@Cornelia Street Cafeでも観た)は、やはり部品を取ったり、水を入れたり、トロンボーンを壁にこすったり。ベースのショーン・アリも、ふつうのことのように何やらヘンなものを弦に挟んでいる。

さらには、フォスターとガースティンとの口琴デュオもあった。あとでガースティンに訊ねてみると、口琴はロシア製であり、ebayで買ったとのことだった。せっかくなのでハンガリーの名匠ゾルタン・シラギーの名前を教えたが、さて記憶したかどうか。

1時間の自由なガジェットタイム。子供たちも楽しそうに見つめていた。

Fuji X-E2, Leica Summitar 50mmF2

●Arts for Art
ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)


ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden

2015-09-27 14:25:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

Arts for Artの主催イベントの野外無料ライヴがあり、「Children's Magical Garden」に足を運んだ(2015/9/26)。ずいぶん早く1時間前に到着してみると、イベントを取りまわしているトッド・ニコルソンさんが、鍵が着いていないと言って待っていた。ちょっと前まで日本でもベーシストとして活動していた人であり、NYには戻ったばかり。・・・ということはしばらく話をしてはじめてわかった(名前は知っていたがライヴを観たことがなかった。なぜ、英語に突然日本語を混ぜるのか不思議だった)。

Nick Lyons (as)
Pete Swanson (b)

公園は面白いところで、砕いた樹皮が撒かれていて、ライヴ中も子供たちが遊びまくっていた。風音がして、陽がちらちらと射して、ときどき人が出入りして、壁や土が音を吸収し反射する空間で、ニック・ライオンズの抑制したアルトが気持ちよく響いた。ひょっとすると大きなコンサート会場よりもこのような手作りの空間のほうが、野外での演奏の醍醐味ではないかと思った。

Fuji X-E2, Leica Summmitar 50mmF2

●Arts for Art
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)