ブルックリンのSeedsに足を運んだ(2015/9/26)。アイヴィン・オプスヴィークが4日間のレジデンシーをやっており、この日は最終日「Overseas」。なお、前日はオッキュン・リーとのデュオだったが残念ながら行けなかった。
Tony Malaby (ts)
Kenny Wollesen (perc)
Brandon Seabrook (banjo)
Jacob Sacks (p)
Eivind Opsvik (b)
ブランドン・シーブルックを観るのは4月以来だったが(アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art)、また来たなと覚えていて声をかけてくる。オプスヴィークは、話しているとCDをくれた。
何しろ聴きたかったトニー・マラビーを目の当たりにできて感激だ。音は期待を超えるものだった。さまざまな周波数とノイズを含み持ち、音色のマチエールは樹皮を思わせる豊かさだった。かれはほとんど眼をつむって吹いた。
セットの最初は、じわじわとバンジョーやピアノやベースが不協和音を奏でながら、なかなか統合に至らない。このあたりは、実は大航海時代における出発前の人々よろしく、不安を覚えての旅立ちでもあるのだった。そして、シーブルックのバンジョーはオリエンタルでエキゾチックな香りを持ち、それも狙いなのだろう。旅は次第に盛り上がってゆき、悦びとも何とも言えないようなこみ上げるものを表現した。本当に素晴らしい構成で、あきらかにオプスヴィークの手腕だった。30人くらいの観客はみんな嬉しさに笑顔を浮かべ、大拍手だった。
Fuji X-E2, XF60mmF2.4 and Nikon P7800
●アイヴィン・オプスヴィーク
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)
●ブランドン・シーブルック
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
クリス・ピッツィオコス@Shapeshifter Lab、Don Pedro(2015年)
トマ・フジワラ『Variable Bets』(2014年)
アンドリュー・ドルーリー『Content Provider』(2014年)
ブランドン・シーブルック『Sylphid Vitalizers』(2013年)
●トニー・マラビー
ジェシ・スタッケン『Helleborus』(2014年)
クリス・ライトキャップ『Epicenter』(2013年)
トニー・マラビー『Scorpion Eater』、ユメール+キューン+マラビー『Full Contact』(2013、08年)
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』(2003、13年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ポール・モチアンのトリオ(2009年)
ダニエル・ユメール+トニー・マラビー+ブルーノ・シュヴィヨン『pas de dense』(2009年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』(2007年)