メアリー・ハルヴァーソン『Meltframe』(Firehouse 12、2014年)を聴く。
Mary Halvorson (g)
これまで、この人のギターを無重力製造器だと思っていた。しかも、清家新一の超相対性理論のように、科学や人智を超えた領域で発生する無重力。
ところが、完全ギターソロになった途端に、さらに、メアリーは被っていた猫を脱ぎ捨てる。モノカルチャーの無重力などではなく、重力と無重力を自在に発生させては消し、聴く者を良いように揺さぶりまくる。ノリによる揺さぶりではない。聴いていると酔ってしまうような感覚である。
予測不能のフラクチュエーションそのものが化けた、エリントンの「Solitude」も、憂愁だけを抽出したような、カーラ・ブレイの「Ida Lupino」も、凄い。
メアリー・ハルヴァーソン、2014年(The Stone)
●参照 メアリー・ハルヴァーソン
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Roulette of the Cradle』(2014年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Strong Place』(2012年)
イングリッド・ラブロック『Zurich Concert』(2011年)
『Plymouth』(2014年)
メアリー・ハルヴァーソン『Thumbscrew』(2013年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』(2012年)
ステファン・クランプ+メアリー・ハルヴァーソン『Super Eight』(2011年)
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』(2009年)
アンソニー・ブラクストン『Trio (Victoriaville) 2007』、『Quartet (Mestre) 2008』(2007、08年)