Sightsong

自縄自縛日記

ジョナサン・フィンレイソン+ブライアン・セトルズ@6BC Garden

2015-09-28 21:16:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンドリュー・ラム+シェイナ・ダルバーガートッド・ニコルソン+ニューマン・テイラー・ベイカー+ダニエル・カーターに引き続き、この日のトリはジョナサン・フィンレイソンとブライアン・セトルズとのデュオ(2015/9/27)。

フィンレイソンには『Moment & the Message』という傑作があり、そのテクノロジー空間を自在に行き来するようなサウンドを創り上げた人が、植物公園というまったく異なる環境で何をしてくれるのか、とても興味があった。

Jonathan Finlayson (tp)
Brian Settles (ts)

まったく予想していなかったことに、このふたりは譜面台を見ながら、まるで練習曲のような、習作のような演奏を繰り広げた。その場を強度と濃淡とで盛り上げるものではなかったため、集まったひとたちは公園の中でまったりしていた。

しかしそれはそれで面白いものだった。この習作のような曲は、さまざまなリズムやテンポを組み合わせ、どのように楽器が入っていくのか工夫を凝らしたものに聴こえた。構造を静かにリコンストラクトしているのだった。

終わった後にフィンレイソンに話をしてみると、来年また作品を発表する予定だとのこと。楽しみである。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4

●ジョナサン・フィンレイソン
ジョナサン・フィンレイソン『Moment & the Message』

●Arts for Art
トッド・ニコルソン+ニューマン・テイラー・ベイカー+ダニエル・カーター@6BC Garden(2015年)
アンドリュー・ラム+シェイナ・ダルバーガー@6BC Garden(2015年)
マイケル・ウィンバリー@Children's Magical Garden(2015年)
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)
ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)


トッド・ニコルソン+ニューマン・テイラー・ベイカー+ダニエル・カーター@6BC Garden

2015-09-28 20:24:59 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンドリュー・ラム+シェイナ・ダルバーガーに続き、トッド・ニコルソン、ニューマン・テイラー・ベイカー、ダニエル・カーターのトリオ。ちょうどピアニストの蓮見令麻さんも現れた。

Todd Nicholson (b)
Newman Taylor Baker (ds)
Daniel Carter (tp, ss, as, ts)

トッド・ニコルソンのベースは硬めに時間を刻んでいくような感覚。トッドさんの息子さんもドラムスに横から参加し会場を盛り上げた。

そして、非常に面白かったのはダニエル・カーターのサックスだ。サックスはフィジカルなものが音色にも影響するはずで、その意味で、細身のカーターの肉体から放出される音は、前夜に観たトニー・マラビーや先のアンドリュー・ラムの太いストリームとはまったく違うものだった。それはアルトもテナーもソプラノと似たような雰囲気の音色であり、ナイフで削った固い樹や柔らかい樹がしなって空間に絵を描いていく様子を想像した。

蓮見さんは、終わったあとに、前に出てこずに伴奏のように聴こえるユニークなサックスだと言った。確かにあるフレーズの塊を主役としてパフォームするタイプとは違うのだなと思った。

終わったころに、近くのThe Stoneでジョン・イラバゴンのギグを観ていたというサックス奏者の吉田野乃子さんが顔を出した。こんなに狭いNYなのに、蓮見さんと吉田さんが逢うのは3年ぶりだということだった(同じニュー・スクール出身)。蓮見さんからは先日の東京での演奏や今後の活動や菊地雅章さんのこと、吉田さんからはこの11月に計画しているThe Stoneでのレジデンシーや新しいCD、当面の予定などについてまた話を聴いた。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4

●ダニエル・カーター
ダニエル・カーター『The Dream』、ウィリアム・パーカー『Fractured Dimensions』(2006、03年)

●Arts for Art
アンドリュー・ラム+シェイナ・ダルバーガー@6BC Garden(2015年)
マイケル・ウィンバリー@Children's Magical Garden(2015年)
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)
ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)


アンドリュー・ラム+シェイナ・ダルバーガー@6BC Garden

2015-09-28 19:40:33 | アヴァンギャルド・ジャズ

Arts for Art主催の「In Gardens」シリーズは、前日と場所を変えて、The Stoneにもほど近い6BC Garden(2015/9/27)。イーストヴィレッジの市街地に、突然こんな濃密な植物園のような空間があろうとは、あまり知られていないに違いない。実際に、演奏するシェイナ・ダルバーガーさんも「道がわからなくて」と少し遅れて現れた。

Andrew Lamb (fl, bcl, ts)
Shayna Dulberger (b)

古い建物に取り囲まれ、植物が一杯の場所において、演奏の音は実に心地よく響いた。

アンドリュー・ラムはフルート、バスクラ、テナーと楽器を持ち替えた。特にシカゴAACMの雄として聴かせるのはテナーである(現在はブルックリン在住だそうだ)。アーシーでくさく、豪快に音を鳴らさず息を吹き込みつつ盛り上げる技を披露した。この日の夜は、Jackでドラムスのアンドリュー・ドルーリーと共演するはずで、確かに相性が良いだろうなと思った。

この肉のような音に、シェイナ・ダルバーガーのベースが有機的に絡んでいった。

Fuji X-E2, XF60mmF2.4

●アンドリュー・ラム
アンドリュー・ラム『Portrait in the Mist』

●Arts for Art
マイケル・ウィンバリー@Children's Magical Garden(2015年)
While We Still Have Bodies@Children's Magical Garden(2015年)
ニック・ライオンズ+ピート・スワンソン@Children's Magical Garden(2015年)
ヴィンセント・チャンシー+ジョシュ・シントン+イングリッド・ラブロック@Arts for Art(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
ダロ・ベルージ+アーロン・ジョンソン+スティーヴ・ウッド+マーク・ジョンソン@Arts for Art(2015年)
アンドリュー・ドルーリー+ラブロック+クラウス+シーブルック@Arts for Art(2015年)
Vision Festivalの映像『Vision Vol.3』(2003年)