Sightsong

自縄自縛日記

ダニー・マッキャスリン『Fast Future』

2015-09-11 23:26:34 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(Greenleaf Music、2014年)を聴く。

Donny McCaslin (ts)
Jason Lindner (el-p, p, syn)
Tim Lefebvre (b)
Mark Guiliana (ds)
David Binney (vo, syn)
Nina Geiger (vo)
Nate Wood (g)
Jana Dagdagan (spoken word)

マイケル・ブレッカーやデイヴ・リーブマンやジョージ・ガゾーンのテナーは好みではないが、マッキャスリンのテナーは悪くない(と、同じ系譜内に位置付けてみる)。平然と雲の中をまっすぐ突き進むようでいて、より軽く、よりポップ。最初の頃のパット・メセニーを思わせるところもあったりして、愛のスポークン・ワードもあって、サウンドも軽くポップ。マーク・ジュリアナのドラムスは肉体と汗を感じさせない。

電気とテクと愛の空中楼閣か。何度も繰り返して聴いていると癖になってくる。

●参照 
マーク・ジュリアナ『Family First』 


平井玄『ぐにゃり東京』

2015-09-11 22:05:25 | 関東

平井玄『ぐにゃり東京 アンダークラスの漂流地図』(現代書館、2015年)を読む。

校正を行うフリーターとして、都市の窪みで、郊外で、心身を酷使する日々の呟き。眼は、宇宙とゴキブリとを、野坂昭如と平将門とを同じ土俵でとらえている。これに比べれば、「東京の地霊を幻視する己」を手際よく創り上げようとした中沢新一『アースダイバー』などがますます薄っぺらいものに感じられてくる。

昼間のオフィスワーカーとしては、椅子の下からよくわからないもので突き上げられているようで、読みながら居心地の悪い思いをするのだが。

●参照
平井玄『彗星的思考』
平井玄『愛と憎しみの新宿』
貝塚爽平『東京の自然史』
貝塚爽平『富士山の自然史』
榧根勇『地下水と地形の科学』
薄っぺらい本、何かありそうに見せているだけタチが悪い
野坂昭如『新宿海溝』