すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

長月十番勝負その二

2023年09月07日 | 絵本
 実は「その2」は一昨日のはずだった。朝にいつものようにこども園に電話をして確認した。そしてその30分後になんと「学級閉鎖が出てしまって…」という連絡をもらい、急遽来週に延期となった。まだまだ怖いコロナ感染である。ということで昨日は別のこども園、こちらは無事に年長組さんへ4冊読んだ。


 最初の紙芝居。最近はそれぞれの園で別タイトルになっている。というのはどうにも反応が…、というより語っている自分自身が楽しめない感覚になっていて、そこでごそごそと書棚を探して見つけたのが『ぬすびととこひつじ』という新美南吉作品。これは学校にいた時、ずいぶん低学年に読んだお気に入りである。


 シンプルなストーリーだし、羊の「メェー」の鳴き声の変化も語り手としては楽しい。それにしても、今さらながらに気づいたことがあった。この紙芝居は題名が下部に書いてあるではないか。扉を開く順番を変えなくてはならない。「右⇒左⇒上」が定番なのは題名を最後にする演出だから、上から開くことになる。





 この作品は案の定じっと聴き入ってくれた。安定感ある定番を持つのは心強い。その後は3つの絵本。『わにくんのだめだめアイス』(すみくらともこ)…短くてもウイットがあってよい。それから園児でも十分面白いと思い『お月さんのシャーベット』(ペク・ヒナ)を出してみた。独特の色味に惹きつけられていた。


 最後は『ぱれーど』(山村浩二)…とんとんとん ぼくが たいこを たたいたら みんな めが さめ おきあがる」と始まる。リズムに乗った文章と、パレードに連なって登場する多くの生物、無生物が賑やかで、心浮き立つ。「きょうはおしまい またあした」というエンディング。まさにおやすみ前の一冊にふさわしい。

長月十番勝負その一

2023年09月04日 | 絵本
 「勝負」と気張ったタイトル付けをしてみたが、なんのことはない備忘である。「十番」としたのは、実は今月はこども園や学校に出かける回数を予定表に書き込んだらなんと10回。ほとんど読み聞かせだが、いずれにしても子どもたちを前に語ることであり、最近沈滞気味の拙文活動(笑)の手がかりとしたい。


 今日月曜は西馬音内小学校2年生への読み聞かせ。メニューは『みち』(五味太郎)を皮切りに、『つかまえた』(田島征三)『お月さんのシャーベット』(ペク・ヒナ)、そして『トラネコとクロネコ』(宮西達也)の4冊だった。2冊目、3冊目は夏にふさわしい内容で、この夏何度か取り上げたのでかなり安定して読めた。



 『みち』は、なんと五味太郎28歳の絵本作家デビュー作。福音館書店から出ている「かがくのとも絵本」シリーズで復刻された一冊だ(2010年)。「せまいみち、ひろいみち、いっぽんみち、わかれみち…」と始まり、様々な「みち」を描く。語の意味を拡げていく時期に触れさせたいと考えた。じっと見入っていた。


 宮西達也さんが本館絵本ライブの今年度講師である。参加対象が2年生なので、ティラノサウルスやウルトラマンシリーズなどの紹介をして、少し興味づけしてから、自分の一番のお気に入り『トラネコとクロネコ』に入った。この作品をとりあげるのは3年ぶりだ。二匹のキャラクターの使い分けがポイントだ。


 20分以上びっしり語り続けた。選書に迷いもしたがバラエティに富んでいたので、子どもたちの集中も切れなかった。感想も別々の本を取り上げてくれた(さすがに『みち』は出なかったが)。宮西作品でブックトークしても面白かったかなとふと思った。とはいえ十番勝負、まずまずな滑り出しと評価しよう。