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栗澤純一「本試験・出題分析・選択式」

2006-09-19 05:56:37 | 栗澤純一の本試験大胆予想
栗澤純一氏の今年の試験のうち、労働に関する一般常識の選択式について、
コメントを頂きましたので、ご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


労働者派遣を含めた多様な就業形態の広がりや、少し前にマスコミ等でも
騒がれた偽装請負問題等を考慮すれば、社会情勢等を反映した出題対象と
いえますね。

個人的には、出題対象として適当なものと考えます。

ただ、一方では、「そこを考慮するのであれば、もう少し踏み込んだ内容
としてもよかったのでは?」とも思えます。解答となる選択肢はおおむね
基本事項ばかりですし、図表も受験参考書やテキスト等でよくお目にかかる
ものですからね。

ただし、裏を返せば、「この科目はきちんと得点につなげなければいけない
科目であった」ということです。
強いていえば、空欄D、Eが若干悩ましいものの、「労働者派遣」とは
なんたるか、つまり、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、
他人の指揮命令を受けて、他人のために労働に従事させること(他人に
雇用させることを約してする者を除く)」という「根っこ」の部分が
押さえられていれば、解答を導き出せますよね。

得点基準については、前述のとおり、平成18年試験の労働一般は「得点に
つなげなければいけない科目」です。
したがいまして、得点基準は原則どおり「3点」とされるでしょう。
いわゆる救済措置はないものと考えます。

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栗澤純一「本試験・出題分析・選択式」

2006-09-16 07:10:21 | 栗澤純一の本試験大胆予想
栗澤純一氏の今年の試験のうち、健康保険の選択式について、
コメントを頂きましたので、ご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「一般保険料率及び介護保険料率」が出題対象とされました。
科目を問わず、費用の負担に関連する事項の出題頻度は高いですし、昨今、
健康保険事業の財政状況の悪化が指摘される社会情勢を考慮すれば、
「出るべくして出た」ともいえるポイントですね。

いずれの空欄も基本事項といえる内容ですが、強いていえば、空欄Eは
少し考えさせられますね。
ちなみに、介護保険料率の設定については、健康保険法160条11項において、
次のとおり規定されています。

【介護保険料率】
介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例
被保険者に係るものを除く)の額(政府が管掌する健康保険においては、
その額から国庫補助額を控除した額)を当該年度における当該保険者が管掌
する介護保険第2号被保険者である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準
賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。

 ・・・条文上、正答となる「毎年度」という記述は見当たりませんが、1行目の
「各年度において保険者が納付すべき介護納付金・・・云々」というところから、
「年度」を単位として考えることが。また、健康保険法から離れてみると、
いわゆる「納付金」や「拠出金」というものを考えるときは、通常、「年度」
を単位として考えていたはずです。こういったところから、「毎年度」を選択
することになります。

 政府管掌健康保険の一般保険料率については、「おおむね5年を通じた財政
の均衡を前提とする」ことや、社会保険庁長官による「少なくとも2年ごとの
確認・公表」といった規定が設けられていますから、こちらと取り違えて
しまった方も少なからずいらっしゃったのではないでしょうか。
復習の際、きちんと整理しておくとよいでしょう。

<得点基準>
 前述のとおり、空欄Eについては若干考えさせられるものの、残りの空欄
については特に難しい内容ではないことを考慮し、健康保険法については、
いわゆる救済措置はないと考えてよいでしょう。
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栗澤純一「本試験・出題分析・選択式」

2006-09-08 05:56:25 | 栗澤純一の本試験大胆予想
本試験前に栗澤純一氏の出題予想を掲載しましたが、
その予想に対応した労働基準法・労働安全衛生法の選択式の分析を
栗澤純一氏にしてもらいました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下の解答等については、
シャラランメイン講師:栗澤独自の見解に基づくものであり、
公式なものではありません。
公式な解答等につきましては、後日、全国社会保険労務士会連合会による
発表をご確認ください。

<選択式試験:解答>
A ⑫  B ④(③の可能性もあり)
C ⑧  D ⑰  
E ⑩
※ 解答となる選択肢番号のみ記載しています。

<選択式試験の特徴>

① 問題が5つの文章で構成され、それぞれの文章ごとに空欄が1つずつ
② 空欄の重複なし
③ 単純な条文抜出型の空欄が多い

これらのことから、過去の出題傾向とは若干異なる設問であったと考えられます。
特に空欄A~Dについては、前後の文意から判断することはできず、単に条文を
押さえているかどうかにより正誤が分かれてしまう結果となったようです。

<出題予想の結果>

労働基準法  :「労働時間」関連の規定に注目!
労働安全衛生法:「面接指導及び安全衛生管理体制」に注意!
としました。
結果的に、空欄Eが面接指導についての設問であり、この部分では見事的中!
・・・といいたいところですが、択一式試験予想も含め、面接指導等の大枠について
のポイント解説において、解答となる「⑩ 勧奨」について言及しておりません
でしたので、残念ながら、「的中なし」とさせて頂きます。

<選択式試験:論評>

 労働基準法及び労働安全衛生法については、「考える力」よりも
「単に知っているかどうか」によって正誤が分かれる空欄がほとんどで、
問題の「質」としては、過去に比べて高いとはいえないでしょう。

どんな問題であっても、「知っていれば解ける」といってしまえばそれまで
ですが、選択式試験は「1科目=5つの空欄」で構成されるのですから、
やはり、前後の文章から設問の文意を読み解き、細かな規定を直接的に押さえ
ていなくとも解答を導き出すことができる途を残しておいてもらいたいという
のが、個人的な見解です。

前述にもあるとおり、「1つの文章に1つの空欄、重複なし」では、空欄の
前後ないし空欄相互の関連性から読み解くこともできませんし、それぞれの
文章のボリュームも限られ、結果的に、空欄Bのように、二重解答の可能性
(後述:編注参照)を招いてしまいます。

 とはいえ、出題対象とされた規定(解雇・企画業務型裁量労働制・契約
期間等・事業者等の責務・面接指導等)については、ここ数年の改正事項や、
択一式試験における頻出事項ではありますよね。
ちなみに空欄AとDについては本則(労働基準法、労働安全衛生法の本体部分)
からの出題ですし、テキストなどでも強調されているポイントですから、
やはり、この2つの空欄は押さえておくべきポイントでしょう。

編注:空欄Bの二重解答の可能性について
 問題文2(空欄B)は、「企画業務型裁量労働制の対象労働者の健康及び
福祉を確保するための措置の実施状況の報告の頻度」に関する出題ですが、
設問中、「労働基準法施行規則第24条の2の5の規定により~」との記述を
考慮すれば、選択肢④「6カ月以内に1回、及びその後1年以内ごとに1回」
となりますが、この規定は同附則66条の2によって、選択肢③「6カ月以内
ごとに1回」と読み替えられています。
つまり、現時点における実際の取扱いとしては③の「6カ月以内ごとに1回」
の報告義務が課せられていることになり、選択肢④及び③について、二重解答
の含みが残されています。

<得点基準>

 一般に、選択式試験は1科目ごとの得点に「3点」という合格基準が設け
られていますが、正解率の状況に応じてこの基準が引き下げられることがあり
ます(いわゆる救済措置)。
この救済措置の適用があるか否か・・・非常に気になるところですね。
現時点では情報の集約が不十分ですので、今後の推移を見守り、他の科目も
含めて見解を公表させて頂きます。

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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・社一

2006-08-26 07:10:36 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
                「社会保険に関する一般常識」編


今度は「社会保険に関する一般常識(社会一般)」の出題予想です。
前述の「労務管理その他の労働に関する一般常識」と同じく「法令」に
絞って出題実績の確認&予想をしてみたいと思います。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【社会一般】過去7年間の出題実績(4回以上)

介護保険法
平成12、13、15~17年 出題あり (計25肢)

社会保険労務士法
平成11、13、15、17年 出題あり (計20肢)

 「あれ、これだけ?」
 はい、これだけなんです。
 「じゃあ、対策も楽チンですね♪」
 そうは問屋が卸しません。もちろん、この2つの法律が出題される可能性は
高いですけれども、それ以外の法律は無視していい、とまではいえません。
と、いうのは、「出題されるときは、一問=5肢、すべてがその法律に関する
問題」という出題形式が多いんですね。したがって、仮にノーマークの法律が
出題されたらそこでアウト!となってしまいます。
ざっと確認してみると、

・国民健康保険法
平成16年に6肢出題

・老人保健法
平成14年に5肢出題

・児童手当法
平成13、14、17年に、それぞれ5肢出題(計15肢)

・船員保険法
平成16年に5肢出題

・確定給付企業年金法
平成15年に5肢、平成17年に3肢出題(計8肢)

・確定拠出年金法
平成14年に5肢、平成17年に2肢出題(計7肢)

・社会保険審査官及び社会保険審査会法
平成12、14、17年に、それぞれ5肢出題(計15肢)

有名どころの法律がずらっと並んでいますよね。ちなみに余談ですが、
こういった出題傾向は、出題予想をする側にとってはもっとも厄介な
傾向なんです。
予想と結果のギャップがとてつもなく大きくなってしまいますから・・・
ただ、裏を返せば、ここが講師:栗澤の腕の見せ所!というところでしょうか。

【対策その1】
「介護保険法」、「社会保険労務士法」この2つの法律は徹底的に!

 出題実績が高いということだけではなく、「法改正」が絡んでいることが
ポイントです。当然、改正点を中心とした学習が必要ですが、覚えておいて
いただきたいのは
「細かいことは問われない」
ということです。
たとえば、介護保険法には様々な保険給付が設けられています。
ただ、その中のひとつを取り上げて、根掘り葉掘り問われたことはありません。

「まずは概略から」

ここはやはり、一般常識を学習するうえでの王道に従いましょう。
では、具体的なポイントを絞り込んでみましょう。

・介護保険法
被保険者資格、介護支援専門員、要介護(要支援)認定の流れ、保険給付の
負担割合、保険料、費用の負担

・社会保険労務士法
社会保険労務士の業務、懲戒処分、社会保険労務士法人、罰則

 さきほど「改正点を中心に」とお伝えしましたけれども、主な改正内容は
これらのポイントに含まれています。特に介護保険法は大幅な改正が行われた
関係で、「どこをどう押さえたらいいのかわからない」という状況に陥りがち
ですが、そんなときはまず、これらのポイントに絞って学習するとよいでしょう。

 ちなみに・・・社会保険労務士法は、「隔年で出題される」という法則(?)が
あります。その法則に従えば、「平成18年試験での出題はなし」ということに
なるかもしれませんが、今年に限ってはその法則はあてにしないほうがよいで
しょう。その理由は・・・話が長くなってしまうのでここでは触れませんが、
特に「社会保険労務士の業務」に関連してくるものですので、個人的には注目
しています。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】
その他の法律にも要注意!

 先ほどお伝えしたとおり、その他の法律も「出題されるときはまとめて」という
ことですので、やはり対策は必要ですよね。ただし、ここまで展開してきた
「出題実績に基づく出題予想」は難しいのが現実です。
そこで、ここから先は、「講師:栗澤の直感」に基づいた予想です。
信じるも信じないもみなさん次第。
そこをご理解頂いたうえで参考にして頂ければと思います。

・老人保健法
一部負担金の割合、老人保健計画、費用の負担

・児童手当法
支給対象児童、費用の負担

・確定給付企業年金法&確定拠出年金法
目的、制度の形態、給付の種類

 いずれも基本事項ですけれども、その他の法律の改正に関連していたり、
社会情勢を考えると注目度の高い規定ですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

 さて、「シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想」と銘打った
この企画、いかがでしたでしょうか?
本試験までに残された時間等を考慮して、できる限りポイントを絞り込んだ
予想をしてみましたが、わずかでもお役にたてば幸いです。
それでは、体調にはくれぐれもお気をつけて、本試験に臨んでください。
最後になりましたが、みなさまの合格を心よりお祈り申し上げます。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・労一

2006-08-26 07:10:02 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
           「労務管理その他の労働に関する一般常識」編

 今回は「一般常識」の出題予想です。
「一般常識」には「労務管理その他の労働に関する一般常識(労働一般)」
と「社会保険に関する一般常識(社会一般)」とがありますが、それぞれ
別個に予想をしていきたいと思います。
それではまず、「労働一般」の出題実績を確認しましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

 ちなみに、一般常識の出題範囲は、複数の法令や経済情勢、厚生労働行政
など多岐にわたります。したがいまして、ここでは「法令」に絞って出題
実績の確認&予想をすることにします。以前、択一式試験の出題予想に当たり、

「ほぼ間違いなく出題されると思われるポイントは、確実に仕上げておく」

ことに重点を置いていることをお伝えしましたが、一般常識対策では特に
意識して頂きたい部分です。
労働経済、白書etc.・・・確かに、気になりますよね。
ただ、それよりも、「出題されたときに間違えると致命傷」という部分、
つまり、周囲の受験生がきちんと対策をしてくるであろう「法令」は、
きちんと押さえておかなければいけないということなんです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

では、そろそろ本題に移りましょう。ちなみに、本試験における出題数の
比率等を考慮して、出題実績は「過去7年間:4回以上」としています。

【労働一般】過去7年間の出題実績(4回以上)

労働者派遣法
平成12~14、16年 出題あり (計9肢)

高年齢者雇用安定法
平成16年以外 毎年出題あり (計12肢)

男女雇用機会均等法
平成11~14、17年 出題あり (計11肢)

労働組合法
平成11~13、15年 出題あり (計6肢)

 ちなみに、男女雇用機会均等法は平成11年(1)、15年(5)、労働組合法
は平成11年(1)、平成14年(4)に、それぞれ選択式(記述式)試験の
出題対象とされています(カッコ内は空欄の数)。
この辺りも注意しておきたいところですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策】広く・浅く

 本試験における出題数の比率(70問中5問(25肢))を考慮すれば、それなり
の出題頻度ととらえてよいでしょう。ただし、注意しなければいけないのは、
「各々独立した法律」であるということです。それぞれが労働基準法や労災
保険法、雇用保険法と同じくらい、下手をするとそれ以上のボリュームがある
わけです。ですから「概略」を押さえることがまず先決です。
ちなみに、出題された論点は次のとおりです。

・労働者派遣法
適用除外業務、紹介予定派遣の受入れ期間、派遣可能期間、雇用制限の禁止、
労働基準法の適用に関する特例 ほか

・高年齢者雇用安定法
定年年齢、高年齢者雇用確保措置、高年齢者雇用推進者、募集・採用について
の理由の提示、高年齢者等職業安定対策基本方針

・男女雇用機会均等法
均等法違反の事例、調停、セクハラ防止

・労働組合法
免責、不当労働行為(罰則含む)、労働協約の有効期限・拡張適用

出題数から考えると、重複した論点は少ないですよね。
つまり、法律としては繰り返し出題されていても、その論点はバラバラという
ことです。
この傾向は今後も続くと考えられますので、対策としては、「広く・浅く」に
ならざるを得ないということなんですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

では、今年はどんなところが狙われるのか・・・講師:栗澤の一押しポイントです。

・労働者派遣法:「製造業務」の取扱い&労働安全衛生法の適用に関する特例

・高年齢者雇用安定法:高年齢者雇用確保措置

・男女雇用機会均等法:妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置

・労働組合法:労働組合の定義

いずれも社会経済情勢を考慮した出題予想です。
たとえば、労働者派遣法についていえば、近年、労働者派遣を含めた多様な
就業形態が広がりをみせていますが、労働基準法や労働安全衛生法上の義務
の所在が不明確であることが問題視されています。
また、高年齢者雇用安定法については、団塊の世代の60歳到達を受けた
高年齢者の処遇が現実問題としてクローズアップされています。
さらに、男女雇用機会均等法については、近年、妊娠・出産等に関連する
不利益取扱いをめぐる女性労働者と事業主との間の個別紛争が増加傾向に
ありますが、少子化対策ということを考慮すれば出題対象とされても不思議は
ないでしょう。
若干、こじつけのような部分もありますが、このようなとらえかたをすれば、
「一般非常識」などと揶揄されることの多い科目ではありますが、本来、
社労士がスペシャリストとして活躍すべき分野なのかもしれませんね。
「非常識」なんて切り捨ててしまうなんてもったいないですね。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・厚年

2006-08-25 07:28:24 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
今回は厚生年金保険法の出題予想です。
それでは恒例となりました出題実績の確認です。
こうしてみると・・・改めて過去問の重要性が明らかになりますね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【厚生年金保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)

高齢任意加入被保険者
(法附則4条の3ほか)平成11、12、14、16、17年出題あり (計7肢)

加給年金額(老齢厚生年金)
(法44条ほか)平成11~13、15、16年出題あり (計14肢)

特別支給の老齢厚生年金
(法附則8条ほか)平成16年を除き、毎年出題あり (計8肢)

支給停止(障害厚生年金)
(法54条ほか)平成12~14、16、17年出題あり  (計6肢)

受給権者(遺族厚生年金)
(法58条)平成12年以外毎年出題あり      (計9肢)

遺族(遺族厚生年金)
(法59条ほか)平成12年以外毎年出題あり    (計10肢)

保険料の負担・納付
(法82条ほか)平成14年以外毎年出題あり     (計8肢)

厚生年金基金の目的等
(法106条ほか)平成11、13、15~17年出題あり  (計7肢)

厚生年金基金の業務
(法130条ほか)平成13~17年出題あり     (計10肢)

不服申し立て
(法90条ほか)平成11、13、15~17年出題あり  (計17肢)

届出等
(法27条、89条)平成13年以外出題あり    (計16肢)

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

出題実績からは、「毎年のように出題されるけれども、出題頻度は低い規定が
多い」ということがわかりますね。
つまり、「繰り返し出題される規定は多いけれども、1つの規定について
あれやこれやと問われることは少なくて、1、2肢出題されるだけ」という
ことです。
同じ「年金科目」でも、国民年金法の出題傾向とは明らかに異なっています。
したがって、厚生年金保険法と国民年金法とでは、当然、学習方法や対策も
異なってくるわけです。極論すると、
国民年金法:各々の規定の制度趣旨、仕組み、適用方法・・・1つ1つの規定を
じっくりと掘り下げる。
厚生年金保険法:制度の概要、仕組みを把握することに注意する。

 誤解しないで頂きたいのは、「厚生年金保険法は、上っ面だけ押えておけば
それでよい」ということではありません。国民年金法と同じく、1つ1つの
規定をじっくりと掘り下げられるのであれば、それに越したことはありません。
ただし・・・本試験ではそこまで問われることは少ないんです。
たとえば、誰もが頭を抱える「特別支給の老齢厚生年金と繰上げ支給の老齢
基礎年金との調整(いわゆる一部繰上げ)」の規定ですが、これを本当の意味で
理解するにはいったいどのくらいの労力を要するのでしょうか?

ところが、過去7年間においてどのくらいの頻度で出題されたかといいますと・・・
驚くなかれ、「たった1肢(関連事項を含めても2肢)」なんです。

 講師の立場上、繰上げ調整額やら年金額の改定やら、ひととおりの規定を
解説します。それは制度の「概略」を理解する上で必要なことであり、また、
ある程度の時間をかけるのはやむを得ないことです。
ただし、必要以上にはまり込んでしまうのはあまりにリスクが大きすぎるという
ことなんですね。こうしたことを踏まえた上で、厚生年金保険法なりの対策を
とる必要があります。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その1】シンプルな規定を確実に押さえておきましょう!

 ご存知のとおり、厚生年金保険は複雑な規定が多数存在します。本来であれば、
出題者側としてもこういった部分を出題したいはずです。
が、そうするには問題がとてつもなく複雑になってしまのです。あいまいな
条件付けをすると出題ミスにつながりますから、例外事項の排除やら何やらを
盛り込む必要があります。その結果、問題文が十数行!!なんてことにもなり
かねません。これを本試験に出題するのはさすがに不適切でしょう。
必然的に、「シンプルな規定」ほど出題頻度が高くなってきます
(前述の「一部繰上げ」の規定がほとんどノータッチなのは、おそらくこう
いった事情もあるのでしょう)。
 ちなみに・・・本試験形式(5肢択一形式)の過去問集をお持ちの方は、
それぞれの問の「正解肢(解答となる肢)」に注目してください。中には奇を
てらったような選択肢もちらほら見受けられますが、その多くは、「その肢だけ
をみれば、ごく基本的な内容」を問うものであるとの印象を受けるのではない
でしょうか(個人差があるので、断言はできませんが・・・)。

「厚生年金保険は複雑怪奇、とにかく難解」

というのはあくまで幻想・思い込みにすぎません。この幻想・思い込みを
作り出してしまうのはほかでもない、自分自身なんですね。そこから脱却する
には、「いったん、テキストを離れる」ことも必要かもしれません。
テキストにはほぼすべての規定が記載されていますが、本試験においてテキスト
に記載されていることがすべて出題されることは有り得ませんので。
ちなみに・・・
きちんと学習を進めていれば、シンプルな規定は案外とインプットされている
ものです。で、あれば、それをより確実なものとするための反復をする際に、
テキストを利用すればよいでしょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】前年の選択式試験の出題対象に注意しましょう!

 厚生年金保険法では、前年の選択式試験の出題対象が翌年の択一式試験
で出題される傾向があります。この辺りは過去問集をチェックすれば一目
瞭然ですから、しっかりと確認しておきましょう。
ただし、平成17年は厚生労働白書からの出題でしたので、それに関連する
事項ということになりますね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

それでは最後に、厚生年金保険法の「講師:栗澤の一押しポイント」ですが、
対策その2を受けて、

「国庫負担」

としたいと思います。

以前、選択式試験の出題予想でも触れましたが、厚生年金保険法の選択式試験は、
「費用の負担(保険料や積立金の運営、財政運営方式などを含む)」に関連する
出題が多いです。

「国庫負担」もその1つですし、平成16年改正では基礎年金拠出金の国庫負担
割合の引上げが行われるなど、注目する理由には事欠きません。
主だったものには、「基礎年金拠出金について国庫負担」や「経過措置」、「事務費
についての国庫負担」などがありますが、ほかにも「昭和36年4月前の被保険者
期間に係る保険給付に要する費用についての国庫負担」など、少し特殊な規定も
あります。多少細かい規定も含まれますが、規定そのものは至ってシンプルです
ので、しっかりと押さえておいて頂きたいポイントです。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・国年

2006-08-23 07:00:27 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は国民年金法の出題予想です。
それでは恒例となりました出題実績の確認です。
こうしてみると・・・改めて過去問の重要性が明らかになりますね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【国民年金法】過去7年間の出題実績(5回以上)
 
被保険者の資格
(法7条) 平成11、13~15、17年出題あり(計14肢)

任意加入被保険者
(法附則5条) 平成11、13、14、16、17年出題あり(計12肢)

届出(届出等)
(法12条、105条) 毎年出題あり(計23肢)

振替加算
(昭60法附則14条ほか) 平成12、13、15~17年出題あり(計13肢)

支給の繰上げ
(法附則9条の2) 平成11~13、16、17年出題あり(計10肢)

付加年金
(法43条ほか) 毎年出題あり(計15肢)

障害基礎年金(支給停止)
(法36条ほか) 平成16年以外毎年出題あり(計8肢)

寡婦年金
(法49条ほか) 毎年出題あり(計15肢)

死亡一時金
(法52条の2ほか) 毎年出題あり(計13肢)

付加保険料
(法87条の2) 平成16年以外毎年出題あり(計9肢)

法定免除
(法89条) 平成11、13~16年出題あり(計10肢)

督促及び滞納処分
(法96条) 平成11~15年出題あり(計5肢)

 これらの規定、ほぼ毎年のように出題されていますよね。
と、いうことは・・・当然、平成18年試験においても出題されると
考えるべきでしょう。しかも、出題数もかなり多いですから、確実に
マスターしておく必要がありますよね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その1】 注意すべきポイントを明確にしておきましょう!

 これだけ出題実績がずらりと並ぶと、つい、圧倒されてしまって気ばかり
焦る、なんてことも考えられますよね。
ただし、やはり押さえるべきポイントはあるわけで、そこをきちんと把握
しておけば、さほど厄介なものではありません。たとえば・・・

・被保険者の資格:被保険者の定義(資格要件)に注意!
⇒ 具体例を挙げて、被保険者となるかならないかが問われる
(任意加入被保険者も同様)。

・届出(等):届出先・経由先に注意!
⇒ 届出というと、「提出期限」が気になるところですが、近年は直接的な
論点とされていません。以前は被保険者の種別に応じて、「14日以内⇔30日以内」
という違いがあったのですが、平成14年改正により「14日以内」とされたこと
により、出題対象としての意味合いが薄れたことによるものでしょう。

・振替加算:老齢基礎年金の支給繰上げ・繰下げとの関係に注意!
⇒ 増額・減額の有無、支給開始時期、支給調整
(この辺りは「付加年金」にもリンク)

などなど。それぞれの肢を比較してみると、論点って、さほど多くないんです
(あくまで厚生年金保険法に比べればの話ですが・・・)。
これを知っておくだけでも随分と安心できますよね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】 第1号被保険者の独自給付に注意しましょう!

 正確には、「第1号被保険者としての被保険者期間を有する者の独自給付」。
前述の出題実績一覧をみても、付加年金、寡婦年金、死亡一時金、さらには
付加保険料・・・細かくみると、被保険者の資格でも第1号被保険者の取扱いが
問われたことが多いので、「第1号被保険者関連」の出題は結構なボリューム
があります。
「国民年金=全国民共通の基礎年金」としての位置付けですので、当然、
第2号被保険者や第3号被保険者についても問われますが、第1号被保険者
が加入できるのは国民年金制度のみなので、
「ここで出題しておかないと・・・」ということなんでしょうか?
第2号被保険者関連は厚生年金保険法でも出題できますのでね。
それはさておき、事実として「第1号被保険者関連」の出題が目白押し
ですから、それなりに重点を置く必要があるでしょうね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

それでは最後に、国民年金法の「講師:栗澤の一押しポイント」ですが、
今回は、
「保険料免除」
です。これ、率直に申し上げて、出題の可能性は5分5分です。
「おいおい・・・」という声が聞こえてきそうですが、その真意は、
「出題されたらかなり細かい内容まで問われるのでは?」ということなんです。
ですから、しっかりと対策をしておいて頂きたいということなんですね。

このところ、「不適切な保険料免除」がマスコミで取り沙汰されていますよね。
当然、法律上、適切な取扱いではありませんからその事実が出題される
なんてことはないでしょう。ただし、制度そのものはとても大切なもので、
今回のような騒動は本意ではない。そこで、考えられるのは、
1 あまり触れたくない
2 襟を正して、本来あるべき規定として周知したい
 
もし、出題者側が1の考えに立つのであれば、出題されないでしょう。
ただし、2であるならば・・・免除の方法から免除期間その他、社労士ならば
知っておかなければいけませんよ、という出題もあり得るでしょう。
個人的には、2であって欲しい。そんな願いからの一押しポイントとも
いえるのですが。

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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・健康保険

2006-08-21 05:51:14 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は健康保険法(択一式)の出題予想です。
ちなみに、今号の健康保険法のほか、国民年金法と厚生年金保険法は、
それぞれ単独で1科目(10問×5肢)出題されますので、他の科目に
比べて出題実績の項目が多くなっています。それでは確認してみましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【健康保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)

任意継続被保険者の資格喪失
(法38条)平成11、12、14~16年出題あり    (計7肢)

被扶養者
(法3条7項)平成11、13、14、16、17年出題あり(計17肢)

特定療養費
(法86条) 平成12、13、15~17年出題あり  (計15肢)

療養費
(法87条) 毎年出題             (計9肢)

保険医療機関等
(法64条ほか)平成13~17年出題あり     (計11肢)

傷病手当金
(法99条)  平成14年以外毎年出題あり    (計14肢)

高額療養費
(法115条) 平成11年以外毎年出題あり    (計12肢)

保険給付の制限
(法116条ほか)平成11~14、16、17年出題あり (計6肢)

時効
(法193条ほか)平成11、13~16年出題あり   (計10肢)

 このほか、「4回以上」とすると、かなりの項目になります。
これだけ出題実績が多数存在するということは・・・

1 テキストをまんべんなく押さえる必要がある(苦手分野をつくらないこと)
2 過去問をマスターすること

 という、まさに社労士試験の王道ともいえる対策が基本となるわけです。
ただし、2についてはちょっと注意して頂きたいというのが、
講師:栗澤からのアドバイスです。
と、いうのは、同じ「過去問の繰返し」でも、たとえば労災保険法などとは
少々傾向が異なるんですね。
労災保険法:規定及び論点ともに同じ問題が多い
健康保険法:規定は同じでも論点が異なる問題が多い
 少し乱暴ないいかたかもしれませんが、労災保険法は、過去問を
「そっくりそのまま」押さえてしまえばよいのですが、
健康保険法についていえばそれでは不十分だということですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策】過去問を解きつつ、テキスト(基本書)をマメに確認しましょう!

 こと健康保険法についていえば、「問題を読んで、○×をつけて、解答を
確認して、はい、次・次・・・」といった学習方法はあまりお勧めできません。
確かに「回転効率を上げることで、過去問をインプットする」効果はあると
思うのですが、前述のとおり、ここ数年の健康保険法は、「規定は同じでも
論点は微妙に異なる」という傾向があります。
したがって、「過去問の論点」を押さえることは当然として、そこから派生
する情報をどれだけ押さえられるかが得点に影響してきます。
 ちなみに、過去問の解説は「その問題の論点」を明確にするためのもの
ですから、余計なことは書いていないんですね(もちろん、よい意味で)。
そこで、「一問解いては基本書に立ち返り、関連事項を押さえる」ことで、
知識に幅を持たせることができるんですね。基本書と過去問、同時に見比べては
いけない、なんていうルールはありませんので、このあたりは工夫次第です。

 「この時期に・・・そんな時間はないよ」とおっしゃる方もいらっしゃるで
しょうけれども、「急がば回れ」なんていうことわざもあるくらいです。
気ばかり焦ってどうしようもない、なんていうことであれば、じっくり腰を
落ち着けて学習するのもひとつの方法です。なにもすべての問題について行う
必要はないですしね。必要に応じて、ということです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

 さてさて、それでは恒例(?)となりました、「講師:栗澤の一押しポイント」
ですけれども、健康保険法は、
「金銭給付たる保険給付の額」
です。まさに基本中の基本。いまさらいわれなくたって・・・というような
ポイントですが、単に「○○円」とか「標準報酬日額の○○」なんていう
覚え方をしてるだけでは十分とはいえませんよ。
「標準報酬日額の定義は?」
「さらにその端数処理は?」
「報酬等との支給調整は?」
などなど。規定が同じでも論点が微妙に異なるというのはこういうことです。
金額1つとっても論点はいくつもあるわけです。こういったところを包括的に
押さえておきたいですね。

 ちなみに、なぜ、「保険給付の額」にこだわるかといいますと、実はこの先、
既に改正されることが決定しているからなんです(平成18年試験の出題対象
ではありません)。
以前、選択式試験の出題予想でも触れましたが、既に改正が決定している規定
について、改正前の仕組みや改正趣旨を知っておくことは、スペシャリスト
たる社労士としてはとても大切なことです(出題者側がそこまで考えているか
どうかは定かではありませんが・・・)。
したがって、「この先なくなってしまう規定だから、もう出題されない」なんて
ことはないんですね。新たに付け加えられた規定と同じく、注意すべきポイント
です。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・徴収

2006-08-19 06:44:22 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は労働保険徴収法(択一式)の出題予想です。
それではまず、出題実績を確認しましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【労働保険徴収法】過去7年間の出題実績(5回以上)

請負事業の一括
(法8条)平成16年を除き、毎年出題      (計8肢)

継続事業の一括
(法9条)平成11~13、16、17年出題あり   (計11肢)

概算保険料の納付
(法15条、15条の2)平成11~14、17年出題あり(計17肢)

概算保険料の延納
(法18条)平成12年を除き、毎年出題     (計18肢)

延滞金
(法27条)平成12、14~17年出題あり     (計11肢)

労働保険事務組合の責任等
(法35条)平成11、13、15~17年出題あり    (計7肢)

これまでの科目に比べても、出題実績が高い規定が多いですね。
裏を返せば、それだけ出題の範囲が狭いともいえるわけです。
また、重複した論点もけっこうあるんですね。つまり、しっかり対策を
しておけば、確実に得点に結びつけることができる科目です。
ちなみに、択一式試験では労災保険法及び雇用保険法とセットにして
出題されますが、決して「オマケ」的な法律ではありませんので、
十分に注意してくださいね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その1】とにかく過去問!

 前述のとおり、「繰り返し出題されることが多い&論点も重複することが
多い」科目ですから、過去問をマスターしているか否かが極めて重要な
ポイントになります。たとえば・・・

【請負事業の一括の論点】
・対象となる事業の種類(建設の事業のみ):5肢
・下請負事情の分離の申請手続(元請負人&下請負人が共同で行う):2肢
・下請負事業の分離の要件(下請負事業の規模要件):1肢
 
さらにいえば、平成13年と平成17年には、「一言一句」まったく同じ問題が
出題されているくらいです。とにもかくにも過去問の反復!&正誤の根拠を
明確にしておきましょう。
直前期ですからあまり時間に余裕はないかもしれませんが、さすがにこれだけ
重複しているとさほどの労力は要しないと思います。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】手続の流れに注意!

 労働保険徴収法・・・平たくいってしまうと、労働保険料の徴収方法を定めた
手続法令です。「手続」ですから、「なにを・どこに・いつまでに」といった
流れが重要になってきます。事実、これらを論点とする問題が多数出題されて
いますので、たしかに面倒ではありますが、きちんと押さえておかなければ
いけないポイントでしょう。

 ちなみに・・・こうした「手続の流れ」を押さえるときに、受験生の多くが
悩むのは、それぞれの「起算日」ではないでしょうか?たとえば、「保険関係
成立届」で考えてみましょう。

【保険関係の成立の届出等】 (法4条の2)
保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、
その成立した日、(中略)を政府に届け出なければならない。

 このとおり、テキストなどで強調される「翌日起算」という言葉は、条文上、
存在しません。実は、「翌日起算」の根拠は民法の規定によるものなんです。
ですので、仮に問題文に「翌日から起算して~」との注釈がなくても、当然
「徴収法の規定そのもの」であり、正しいことになりますし、注釈があっても、
それはそれで正しいということにもなりえるわけです。
で、あれば・・・あなたが出題者側に立ったときに、「翌日起算か否か」を論点と
する問題、自信を持って作れますか?転び方によって○×どちらにでもなる、
というような問題では、下手をすると出題ミスにつながりかねません。
出題者側もそのあたりは重々承知しているはずです。
 誤解しないで頂きたいのは、「起算日はまったくおさえる必要がない」という
ことではありません。たとえば計算問題。実際の納期限をカウントさせるような
問題では、翌日起算か当日起算かをきちんと押さえておかなければ、
「1日ずれて誤り」なんてことになりかねません。

 ここでお伝えしたいのは、「出題実績を考慮した場合、あまりに神経質になる
必要はない」ということです。平たくいえば、「概算保険料や確定保険料、
追徴金など、主だった労働保険料等についてはきちんと押さえておけば、
およそ対応できるであろう」ということです。

これだけでもずいぶんと安心できますよね?

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その3】計算問題

過去7年間の出題実績は次のとおりです。
平成11年:概算保険料の延納(回数(金額)及び納期限)
  12年:なし
  13年:概算保険料(雇用保険分)
  14年:概算保険料の延納(回数(金額)及び納期限)
  15年:なし
  16年:なし
  17年:概算保険料(雇用保険分)

 こうしてみると、意外なほど少ないんですね。しかもシンプルなもの
ばかりですので、それぞれの仕組みをきちんと理解しておけば問題ない
でしょう。
ただし、計算問題は、慣れていないとうっかりミスを連発しますので、
過去問などで手計算に慣れておきましょう。「手計算」がポイントですよ。
本試験では電卓を使うわけにはいきませんので・・・

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

 さて、最後になりますが、講師:栗澤の一押しポイントをまだお伝えして
いませんでしたね。労働保険徴収法は、「有期事業のメリット制」です。
出題実績はさほど高くはないのですが、法改正が絡んでいるんですね。
しかも、ちょっと風変わりなポイントがありますので、そこを突いた出題も
考えられます。
「有期事業のメリット制が適用された場合における確定保険料額の増減幅」
1 100分の35 ⇒ 100分の40 に拡大
2 建設の事業と立木伐採の事業とで、増減幅の上限が異なる。
 
増減幅の上限が100分の40に拡大されたのは、建設の事業のみです。
立木伐採の事業は、引き続き100分の35を上限とします。したがって、
建設の事業と立木伐採の事業を入れ替えて、「100分の40に拡大された」
なんていう出題があれば、当然「誤り」となりますよね。
そのほかにも数字を絡めた問題などがいくつもつくれます。
法改正+数字+過去の出題実績と重複しない・・・出題されたとしても
おかしくありませんよね。

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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・雇用保険

2006-08-16 07:00:48 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は雇用保険法(択一式)の出題予想です。
まず、出題実績を確認しておきましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【雇用保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)

被保険者
(法4条)平成16年を除き、毎年出題  (計19肢)

被保険者に関する届出
(法7条)平成12年を除き、毎年出題  (計24肢)
※平成12年は選択式試験において出題あり

特定受給資格者
(法23条2項)平成13、14、17年出題あり (計14肢)
※平成15年は選択式試験において出題あり

 初めの2つについてはいうまでもありませんよね。19肢、24肢とかなりの
出題頻度です。ちなみに3つ目の「特定受給資格者」は、出題回数こそ少ない
ですが、これは平成12年改正で設けられた制度だからです。その後をみると、
選択式を含めてほぼ毎年出題されていますので、やはり注意が必要です。
ボリュームのある規定が並んでいますけれども、それだけ論点も多いという
ことですから、今後も繰り返し出題される可能性は高いといえるでしょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その1】具体例に注意!

 雇用保険法の出題傾向として、行政手引の引用、つまり、具体例による出題が
多くなっています。
このことで雇用保険法を苦手とされている方もいらっしゃるでしょう。
最低限、テキストなどに記載されている取扱いや事例はそのまま押さえておく
必要がありますね。ちなみに個人的には、
1 高齢の労働者の取扱い
2 いわゆるパートタイマーの取扱い
については、特に注意が必要かなと思います。根拠となるのは、
1:高年齢者雇用安定法の改正
2:近年における就業形態の多様化
ですね。いずれにしても、雇用保険制度とは切っても切れないものですから・・・

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】覚えるべきものはきちんと覚える!

 「暗記」は社労士試験においてタブー視される傾向にあります。確かに理解
することに重点をおいた方がより効率的に学習できますし、応用力も付きます。
ただし、「覚えるべきものはきちんと覚える」ことは重要です。
代表的なものに「基本手当の所定給付日数」があります。
ちなみに、平成13~15年は3年連続して、所定給付日数を問う問題が出題
されています。具体例から所定給付日数を判断する問題なので、所定給付日数が
きちんと暗記できていなければ解けない問題ばかりでした。そのほか、特定受給
資格者に係る要件もかなり細かい規定ですけれども、出題実績がある以上、
押さえておきたいところです。
 「そうはいってもなかなか覚えられない」ということであれば、自分なりに
工夫するのも1つの方法ですね。
たとえば、所定給付日数はすべて30の倍数から、90日ならば30で割って「3」
と、180日なら「6」というように、所定給付「月数」に置き換えてしまうとか。
さらには表の縦と横の項目を入れ替えてオリジナルの表をつくってみるとか。
目先を変えることですんなり覚えられるということもありますよ。
そのほかには・・・やはり、反復あるのみでしょう。通勤電車でテキストが
広げられなくても、手のひらサイズの表を作って確認することはできるでしょうし、
とにかく、繰り返し目に焼き付けることです。「小さなことからコツコツと」
ですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その3】法改正に注意!

 前記の「被保険者に関する届出」に関連してくるのですが、法改正により、
一部の届出について雇用保険被保険者証の添付が不要とされました。
「そんな細かいこと?」と思われるかもしれませんが、過去に「雇用保険
被保険者証の添付が必要」という論点の問題が出題されているんですね。
つまり、法改正を知らずに過去問を繰り返していると、正誤がまるっきり
入れ替わってしまうことになってしまいます。
まったく同じ問題で○と×が入れ替わる・・・出題者側にすれば、過去の
出題実績もあるポイントですから問題を作りやすいともいえますので。
ちなみに、法改正というと、「賃金日額の上限額」や「基本手当日額に係る
自動変更対象額」も気になるところですが、近年、金額そのものが問われた
ことはありません。
自動変更対象額については、金額よりも年齢区分に応じた範囲に注意が必要
ですね。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

 最後になりますが、出題頻度こそ前述の3つの規定(被保険者・被保険者に
関する届出・特定受給資格者)には及ばないものの、その他の規定もまんべんなく
出題される傾向が見受けられます。労災保険法と同じく、苦手分野をつくらない
ことが雇用保険法攻略のカギといえそうです。
その際、条文上の規定と具体例をリンクさせることを意識するとよいでしょう。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・労災

2006-08-15 06:09:39 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は労働者災害補償保険法(択一式)の出題予想です。
それでは恒例の出題実績の確認から・・・

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【労災保険法】過去7年間の出題実績(5回以上)

休業補償給付
(法14条)平成12、13、15~17年出題  (計15肢)

傷病補償年金
(法18条)平成11~13、15、16年出題  (計11肢)

時効
(法42条)平成12、15~17年出題  (計19肢)

 3つだけです。
では、残りは難問・奇問ばかりかといいますと、そんなことはありません。
出題実績を「過去7年間、4回以上」としてみると・・・
・療養補償給付(法13条)
・遺族補償年金を受けることができる遺族の範囲(法16条の2)
・第三者行為災害(法12条の4)
・特別支給金(特別支給金支給規則)
・事業主からの特別の費用徴収(法31条1項)
・一部負担金(法31条2項・3項)
・保険給付の一時差止め(法47条の3)    (出題年は省略)

となっています。かなり範囲が広がりましたよね。
さらに「過去7年間、3回以上」なんてことになると、さらに膨らみます。
つまり、「繰り返し出題される問題が大半を占めている」ということです。
社労士試験(択一式)は全10科目で構成されていますけれども、労災保険ほど
過去問を重視する科目はほかにありません。
裏を返せば、それだけ出題できる範囲・内容が限られるということなんで
しょうか?

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その1】とにかく過去問!

 これだけ繰返し出題されるのですから、とにかく過去問を徹底的にマスター
する必要があります。ちなみに、論点もほぼ同じという問題が少なからず存在
します。したがって、対策はさほど難しくありません。何度も、何度も、ただ
ひたすら反復あるのみです。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その2】法改正に注目!

 社労士試験の問題の難易度は、近年、難化傾向にあります。つまり、受験生が
しっかりと勉強・対策をしてくるので、問題もそれなりに難しくしないと得点に
差がつかない(=合否判定ができない)ということが1つの要因でしょう。
したがって、「単純な過去問の繰返し」は、おそらく出題者側としても不本意の
はずです。とはいえ、あまりに実務的な内容や、誰も見たことのないような認定
基準を出題するのは「法律の試験」である社労士試験のスタンスからは適当
とはいえない・・・
 と、いうことは、まだ出題されていない「法改正」は、出題者側としては
願ってもいないポイントですよね。ちなみに、具体的な事例は、実際に適用
されてからあれやこれやと集約されることになりますので、あまりに詳細な部分
にまで踏み込む必要はないでしょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

【対策その3】苦手分野をなくすこと!
 労災保険の出題傾向として、前述の「過去問の繰返し」のほか、「1問5肢、
すべてが同じ規定で構成されている問題が多い」ということが挙げられます。
つまり、1つの規定について、根掘り葉掘り問われることが多いということです。
たまたま、出題された1つの規定が、「どうもとっつきづらくて理解が不十分
だった・・・」なんてことになると、それだけでお手上げです。
出題実績をみても、テキストの最初から最後まで、まんべんなく出題されています
ので、どこかしらに不安な部分を残しておくわけには行きません。
これだけ対策方法(=過去問!)が明確な科目ですから、あなたと合格を争う
受験生は確実に得点してくるでしょう。「周囲に遅れをとらないこと」が合格
への必須条件でしたよね。

 と、いうことで、過去問をマスターすることを前提として、さらに付け加えると
するならば、
講師:栗澤の一押しポイントは、「通勤災害の定義」です。

【通勤の定義(法7条2項)】

通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法に
より行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
1 住居と就業の場所との間の往復
2 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
3 1に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める
要件に該当するものに限る)

 改正で、2(いわゆる二重就職者の事業場間の移動)と3(単身赴任者の赴任先
住居と帰省先住居との間の移動)の2つが、新たに通勤の範囲に含められたという
ことは選択式対策でも触れたところですが、このあたりはスラスラと思い出せる
ようにしておかなければいけませんね。

さらに、用語の解釈も重要なポイントです。「就業に関し」、「合理的な経路及び
方法」、「業務の性質を有するもの」、「住居」、「就業の場所」などなど。
さらには少し細かくなりますが、「厚生労働省令で定める要件」なんていうものも
押さえておきたいところです(詳細は、選択式対策(労災保険法)参照)。
たった数行の条文ですが、掘り下げていくとなかなか論点の多い規定です。

ところで、「通勤」というと、「通勤災害の認定事例」が気になる方もいらっしゃる
かとは思いますが、前述のとおり、具体的な事例が集約されるまでには今
しばらく時間を要するでしょうから、「こんな場合は認定されるの?」などと、
あまり想像をめぐらせないほうがよいでしょう。通勤災害の認定事例はあくまで
「実話」に基づくものですから、出題者側も想像で問題を作るわけにはいきません
ので。

 さて、今回は過去問分析に終始してしまった感もありますが、これだけ過去問
が繰り返されると、ピンポイントでどうのこうの、というよりは「そっくりその
まま押さえてしまう」ほうが手っ取り早いということもありますので。

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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・安衛法

2006-08-13 06:07:13 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回は労働安全衛生法(択一式)の出題予想です。
それではさっそくですが、前回の労働基準法と同様に、出題実績を確認して
みましょう。

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

過去7年の出題実績(5回以上)…「なし」

 裏を返せば、「確実に出題されるであろう」というポイントがないという
ことですよね。これこそが「安衛法は難しい」といわしめる理由なのかも
しれません。
とはいっても無策で本試験に臨むのは…と、いうことで、少し視点を変えて
対策を考えてみましょう。

【安衛法】過去7年間の出題実績(4回以上(選択式含む))

事業者等の責務
(3条) 択一式:平成12、14、15年出題  (計6肢)
     選択式:平成11年、17年出題

産業医
(法13条)平成11、14、16、17年出題  (計7肢)

一般健康診断
(法66条1項)択一式:平成12、15~17年出題  (計7肢)
        選択式:平成14年出題


【対策その1】 出題実績を考慮した対策

 出題頻度は労働基準法ほど高くないとはいえ、これらの規定については
それなりに出題実績があるといえるでしょうから確実に押さえておきたい
ですね。
では、それぞれのポイントを整理しておきましょう。

<チェックポイント>

・事業者等の責務
義務規定⇔努力義務規定、建設工事の注文者等

・産業医
選任要件、巡視義務

・一般健康診断
深夜業に従事する労働者の取扱い

 安衛法は、「条文抜出型の問題が多い」、「同一の論点が、ほぼ同じ文章で繰り返し
出題されることが多い」といった傾向がありますので、「出題実績」を考慮した対策
はさほど難しくありません。
前述のポイントを意識しながら過去問を反復しましょう。

【対策その2】前年の選択式試験を考慮した対策

 平成11年、13年、14年の選択式試験の内容が翌年の択一式試験で問われて
います。平成17年試験までで考えれば、実に5割の確率で択一式試験の出題対象と
されています。
と、いうわけで、平成17年の選択式試験の内容にも注意しておきたいですね。
ちなみに、平成17年の選択式試験では、「事業者等の責務(法3条2項)」が出題され
ました。対策その1と重複しますね。

【対策その3】法改正を考慮した対策

 選択式試験対策でも触れましたが、行政施策の方向性を踏まえた対策も必要で
しょう。繰り返しになりますが、ここ数年、違法な時間外労働や賃金不払残業の
是正の強化に重点をおいています。
そんなところから、特に「長時間労働者の健康確保」を目的とした「面接指導等」
に注目しています。
これ、講師:栗澤の一押しポイントです。

ちなみに、面接指導は新たに創設された制度です。つまり、仮に出題された場合、
「法改正」に対応している受験生とそうでない受験生とで、簡単に差がついて
しまうということです。
社労士試験は上位8~9%に入れば合格という試験です。
つまり、「何点取るか」ではなく「周囲に遅れをとらないこと」が合格への
必須条件です。
そのようなとらえかたをすれば、合否を分けるポイントとなるかもしれませんよね。

面接指導・押さえておきたい重要ポイント!】

1 面接指導
医師が、一定の要件に該当する長時間労働者の心身の状況を問診等により把握し、
面接により必要な指導を行うこと(概略)
⇒ 脳・心臓疾患の発症が長時間労働との関連性が強いとする医学的知見を踏まえ、
これら疾病の発症を予防することを目的としています。

2 対象労働者
1週間当たり40時間(休憩時間を除く)を超えて労働させた場合において、その
「超えた時間」が1月当たり100時間超 + 疲労の蓄積が認められる者
⇒ 40時間超の時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて実施(義務)

※ 派遣労働者については、「派遣元事業主」に実施義務が課されます!!
※ 算定期日前1月以内に面接指導を受けた労働者等のうち、面接指導を受ける
必要がないと医師が認めたものは、面接指導の対象から除外されます。

3 担当医師
産業医のほか、産業医の要件を備えた医師など労働者の健康管理等を行うのに必要な
医学に関する知識を有する医師が望ましい
⇒ 「必ずしも産業医に限定されない」ということに注意しましょう。

4 費用
事業者負担
⇒ 法律で事業者に実施義務を課している以上、当然ですね。ただし、面接指導に
要した時間の賃金については、必ずしも事業者に支払義務が課されるものでは
ありません(いわゆる「ノーワーク・ノーペイの原則」です)。
現実問題として、当該賃金の支払は労使の協議にゆだねられますが、「支払うこと
が望ましい」という通達が発出されています。

5 実施方法
該当労働者の申出
⇒ 申出は、超過時間の算定期日後、遅滞なく行うものとされています。また、
事業者には、遅滞なく面接指導を実施する義務が課されています。

6 記録の作成及び意見聴取
⇒ 記録の保存期間は5年間です。
なお、事業者は、面接指導の結果に基づいて労働者の健康を保持するために
必要な措置について医師の意見を聴かなければなりません。
この意見聴取は、面接指導が行われた後又は労働者が面接指導の結果を証明
する書面を事業者に提出した後、遅滞なく行わなければならないとされて
います(遅くとも、面接指導を実施してからおおむね1月以内)。

※ 事業者は、必要に応じて就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、
深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、医師の意見を衛生委員会、安全衛生
委員会又は労働時間等設定改善委員会へ報告するなど、適切な措置を講じなければ
なりません。

7 その他
・ 前述2の基準に満たない労働者であっても、その「超過時間」が80時間超で
あるときは、面接指導実施につき、事業者に「努力義務」が課されています。
・ 常時使用労働者数50人未満の事業場については、平成20年3月31日までの
間は適用されません。

 ざっとこんなところですね。まずはこの大枠を押さえておきましょう。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・択一・労基法

2006-08-11 07:04:56 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
今回からは択一式の予想です。
まずは、労働基準法になります。

☆―― 「過去の出題実績」に注目! ――――――――――――――――☆

択一式試験は1科目(複数の法律で構成されるものもあり)10問、それぞれが5肢
で構成されるので、1科目当たり50肢も出題されるということになりますよね。
これを1つ1つ、ピンポイントで予想する…これ、正直に申し上げて至難の業です。
では、どうするか?

「ほぼ間違いなく出題されると思われるポイントは、確実に仕上げておく」

「過去の出題実績」=「出題予想」ということです。これに尽きますね。
出題されることがあらかじめわかっていれば、準備さえきちんとしておけば確実に
得点に結びつきますから。
と、いうことで、具体的な出題予想をしていきたいと思いますが、ただ過去問を
並べただけ…というのでは芸がありませんので、「栗澤流」に少し掘り下げて解説
していきたいと思います。

そうそう、忘れてはいけないことがありました。それは「これからご紹介する
出題予想の内容だけを押さえてしまえば、択一試験対策は完璧というわけでは
ない」ということです。
あくまで「ほぼ、出題されるであろう」という箇所をピックアップしている
わけで、それだけで1科目10問50肢すべて対応することはできません。
重要なのは、「まず、優先順位を考えたときに押さえるべきポイントはここ」
ということですので。


さて、それではぼちぼち本題に移りましょう。

過去7年の出題実績(5回以上)

労働条件の明示
(法15条)平成17年を除き毎年出題あり  (計11肢)

解雇予告
(法20条)平成14年を除き毎年出題あり  (計12肢)

賃金支払の5原則
(法24条)平成16年を除き毎年出題あり  (計12肢)

フレックスタイム制
(法32条の3)平成12年を除き毎年出題あり(計6肢)

割増賃金
(法37条)平成11年を除き毎年出題あり  (計14肢)

 まずは出題回数、出題数に注目してください。それぞれ、過去7年間の
うち6年も出題されています。さらに、出題数はフレックスタイム制以外は
2ケタです。これ、平均すれば、毎年2肢は出題されるってことですよね。
「え~、たった2肢?」なんて思ってはいけませんよ。
「1つの規定」につき2肢ですから、この5つの規定がすべて出題されたと
すれば、2肢×5=10肢ということです。
ちなみに労働基準法は労働安全衛生法と併せて1科目、そのうち労働基準法分
は7問35肢です。つまり、およそ3分1ということですよね。
「たった5つの規定」で「3分の1」を占めているんですよ。
これはあくまで「平均値」の話ですから計算どおりには行かないかもしれ
ませんが、たとえば、平成13年試験(5つの規定すべて出題あり)では、
計11肢出題されました。

【 対 策 】

「それぞれの規定のうち、何が問われたのか」を明確にしておきましょう!
 平たくいうと、
「論点」をはっきりさせて、そこを正確に理解するように心がけましょう、
ということですね。
それぞれの規定の中でも、「特に重要な部分」というものがありますが、ちょっと
複雑だったり、こまごましていたりと、ついつい後回しにしてしまいがちなもの
だったりするんですね。出題者側はそこを突いてくるのです。
「なんとなく」理解していると、ここで足元をすくわれることになりますので
注意が必要ですね。では、それぞれの規定をみていきましょう。

<チェックポイント>
・労働条件の明示
絶対的明示事項及び相対的明示事項を押さえる。

・解雇予告
解雇の効力の発生の時期

・賃金支払の5原則
通貨払い・全額払い

・フレックスタイム制
フレックスタイム制の採用要件

・割増賃金
割増賃金の支払義務及び計算方法

 これは「主な論点」です。
つまり、それぞれの規定において「特に重要な部分」ということですね。
たとえば、「労働条件の明示」について考えてみると、

・明示時期 :労働契約の締結時

・明示事項 :絶対的明示事項及び相対的明示事項

・明示方法1:絶対的明示事項のうち、昇給に関する事項以外は書面による明示。
それ以外は口頭でも差し支えない。

・明示方法2:明示する書面の形式は自由(就業規則の交付による代替可)

 ざっとこんなところでしょうか。

このほか出向労働者や派遣労働者に対する明示についての通達なども重要とされ
ていますよね。ただ、過去7年間に出題された11肢のうち、少なくとも6肢が、
「絶対的明示事項及び相対的明示事項の内訳」を具体的に押さえていなければ
正誤の判断ができないものでした。
明示事項はこまごまとしていて端から押さえていくのは労力を要しますが、
出題実績を考えればやむを得ないところでしょう。ここを明確にした上で、
テキストなどに記載されている通達を絡めていくとよいでしょう。
ちなみに労働基準法は通達や判例といった「実際の取り扱いや考え方」が
問われることの多い科目ですが、その根底にあるのは各々の規定だということを
お忘れなく…

そのほかの4つの規定についても考え方は同じです。チェックポイントとして
挙げた規定や通達がスラスラと脳裏に浮かんでくるようならばしめたものです。

それでは、次回は労働安全衛生法の出題予想をご紹介いたします。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・社会一般

2006-08-09 07:20:02 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想

今回で連載9回目になりますが、
「社会保険に関する一般常識の大胆予想(選択式)」を大胆に予想してもらいます。
白書の記載内容、出題されることありますからね。
しっかりと、確認してください。

☆―― 「医療保険制度改革」に注目! ――――――――――――――――☆

【 根拠その1 】

先日、医療制度改革関連法が成立した。

 持続可能な医療保険制度の維持していくため、制度全般にわたる改革が行われました。
改正の詳細な内容は平成18年試験の出題対象とはされませんが、改革の経緯及び
方向性は「一般常識」として出題されても不思議ではありません。

【 根拠その2 】出題傾向

平成12年:年金通算協定ほか(平成11年版厚生白書)
  13年:公的年金制度(費用負担ほか)
  14年:公的年金制度(費用負担ほか)
  15年:社会保障制度(生活保護ほか)
  16年:生活保護制度(平成15年版厚生労働白書)
  17年:医療保険財政(平成16年版厚生労働白書)

 平成13年・14年、さらには平成15年・16年と、出題対象の範囲が重複して
いることがわかります。ただし、これは大枠でとらえているものですので、
択一式試験のように「ほぼ同じ問題」が繰り返し出題されたというものでは
ありません。とはいっても、「系統」としては同じ部類に属しますから、平成
18年試験に関しては、「医療保険制度」全般について整理しておいたほうが
よいでしょう。さらに、根拠となる文献等に注目すると、過去2年間、前年版
の厚生労働白書から出題されています。

【予想問題】

 経済の低迷や急速な高齢化の進展、医療の技術の進歩など、医療を取り巻く
環境が大きく変化してきており、医療保険財政が厳しい状況が続いている中で、
今後も持続可能な医療保険制度を維持し、将来にわたり国民皆保険を守っていく
ためには、医療の質の確保を図りつつ、制度全般にわたる改革が必要であるとの
認識の下、2003年3月28日には「医療保険制度体系および( A )に関する
基本方針」が閣議決定されている。この基本方針においては、医療保険制度体系に
ついて、安定的で持続可能な医療保険制度を構築する中で、給付の平等、( B )
を図るとともに、良質で効率的な医療サービスを確保していくことを基本的な
考え方としている。また、( A )については、医療技術の適正な評価、医療機関
のコストや機能の適切な反映、患者の視点の重視といった視点に立って見直しを
進めることとしている。なお、医療保険制度改革を進めるにあたっては、

1 医療の( C )特性を踏まえた医療費適正化の取組みの推進
2 ( C )の医療費水準に見合った保険料の設定
3 保険財政運営の安定化、といった観点に立った下に( D )単位を軸とした
( E )を進めていくこと

を基本的な考え方としている。こうした改革の第一歩として、国民健康保険の改革を
行い、( D )への財政調整権限の移譲と給付費に対する( D )負担の導入を
することとした。また、高齢者医療制度については、75歳以上の後期高齢者と65歳
以上75歳未満の前期高齢者のそれぞれの特性に応じた新たな制度とすることを基本的
な方向としている。


☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆

A:診療報酬体系  B:負担の公平     C:地域
D:都道府県    E:保険者の再編・統合
「平成17年版 厚生労働白書」P307、308

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

以上、社会保険に関する一般常識の大胆予想でした。
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シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想・労働一般

2006-08-06 05:17:46 | 栗澤純一の本試験大胆予想
シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
今回で連載8回目になりますが、
「労務管理その他の労働に関する一般常識(選択式)」を大胆に
予想してもらいます。
今回も大いに期待できる大胆予想ですよ。

☆―― 「育児・介護休業法」に注目! ―――――――――――――――☆

【 根拠 】

平成17年の改正点が昨年の試験に出題されていない。

 まず、主な改正内容を整理しておきましょう。
1 期間を定めて雇用される者のうち、休業の取得によって雇用の継続が見込ま
れる一定の要件を満たす者について、育児休業・介護休業の対象に加えた。
2 子が1歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合にあっては、子が1歳
6か月に達するまでの休業を可能とした。
3 同一の対象家族1人につき、介護を要する状態に至ったごとに1回、通算93日
の範囲内で休業を可能とした。
4 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、労働者1人につき
年5日まで、病気やけがをした子の世話をするための子の看護休暇を取得できる
こととした。

 ちなみに、この記述は「平成17年版 厚生労働白書」からの抜粋です。労働に
関する一般常識の出題傾向をみると、過去において、条文抜出型の選択式問題が
出題されたことはあまりありません。したがって、こういった文章の一部が出題
対象とされても不思議はありませんよね。以下に予想問題を記載していますが、
それと併せて押さえておいて頂きたい内容です。

【予想問題】

(1) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(以下、「育児・介護休業法」とする)は、子の養育又は家族の介護を行う
労働者等の( A )及び再就職の促進を図ることなどを目的としている。
具体的には、育児休業及び介護休業に関する制度並びに( B )に関する
制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため( C )
等に関し事業主が講ずべき措置を定めているほか、子の養育又は家族の介護を
行う労働者等に対する支援措置を講ずることとしている。

(2) 仕事と子育ての両立支援等をより一層推進するため、平成17年4月から改正
育児・介護休業法が施行されている。主な改正の1つとして、育児休業(育児・
介護休業法第2条第1号に規定する育児休業をいう)の範囲が、その養育する
子が( D )に達するまでの間に拡大されたことが挙げられるが、1歳から
( D )に達するまでの子について育児休業を取得することができるのは、
次の1及び2のいずれにも該当している者に限られる。
1 育児休業申出に係る子について、( E )が、当該子の1歳到達日において
育児休業をしている場合
2 子の1歳到達日後の期間について休業することが( A )のために特に必要
と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合


☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆

 A:雇用の継続    B:子の看護休暇     C:勤務時間
D:1歳6カ月    E:労働者又は配偶者

☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆

以上、労務管理その他の労働に関する一般常識の大胆予想でした。
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