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平成21年度社会保険労務士試験向け講座
試験合格に必要な基礎力を養成する
聴いて学ぶ 住宅新報社「社労士基礎講座」
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■□ 2009.1.17
■□ K-Net 社労士受験ゼミ
■□ 合格ナビゲーション No272
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1 はじめに
2 過去問データベース
3 白書対策
4 改正情報
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1 はじめに
今年の試験まで、およそ7カ月。
受験生のみなさん、勉強は順調に進んでいますか。
ところで、社労士試験の勉強をしていると、
覚えることが山のようにありますが、
みなさん、必死に覚えようとしていませんか?
最終的には多くのことを記憶しておく必要がありますが、
この時期、覚えちゃいけないってものもありますからね。
改正が予想されるものとか・・・・
実際に改正されてしまうと、覚えたことは間違った情報になってしまいます。
それに、あまり早くから記憶してしまうと、その記憶のメンテナンスも
大変です。
覚えたつもりになっていたことが、ある日、問題を解いてみたら、忘れていた、
なんてことですと、ショックも大きいでしょう。
ですので、あまり早くから覚えようという意識で勉強はしないほうが
よいですね。
気が付いたら、覚えていたなんてこともありますし。
まずは、制度の概要や枠組み、さらに、規定の言わんとしているところ、
そういうところを理解するようにしましょう。
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2 過去問データベース
今回は、平成20年雇用保険法3-D「特例受給資格者が公共職業訓練等を受ける
場合」です。
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特例受給資格者が特例一時金の支給を受ける前に公共職業安定所長の指示した
公共職業訓練等を受ける場合、一定の要件の下に、特例一時金に代えて一般
被保険者と同様の基本手当が支給されるが、それに加えて技能習得手当を受給
することはできない。
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「特例受給資格者が公共職業訓練等を受ける場合」に関する出題です。
まずは、次の問題をみてください。
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【8-4-E】
特例受給資格者が,当該特例受給資格者に基づく特例一時金の支給を受ける前に
公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合には、当該者を一般の
受給資格者とみなして、当該職業訓練等を受け終わる日までの間に限り、技能習
得手当及び寄宿手当が支給される。
【63-6-E】
特例受給資格者が,特例一時金の支給を受ける前に公共職業安定所長の指示した
50日間以上の公共職業訓練等を受ける場合には、当該訓練等を受け終わる日まで
の間に限り、基本手当等の一般被保険者の求職者給付が支給される。
【16-4-E】
短期雇用特例被保険者が失業し、当該特例受給資格に基づく特例一時金の支給を
受ける前に公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合、その期間
が30日以上であれば、特例一時金は支給されず、当該公共職業訓練等を受け終わ
る日まで、その者を基本手当の受給資格者とみなして求職者給付が支給される。
☆☆======================================================☆☆
特例受給資格者が公共職業訓練等を受ける場合には、受給資格者に係る求職者
給付が支給されます。
技能を身に付けて安定した職業に就いてもらうのを応援するため、特例的に基本
手当などを支給することとしたものです。
そこで、
【20-3-D】の論点は、特例一時金に代えて支給されるものは何か
という点です。
基本手当だけが支給されるという記載になっています。
公共職業訓練等を受けるとなると、なにかと費用がかかるわけで・・・
ですので、特例とはいえ、その辺は考慮する必要があるので、
技能習得手当や寄宿手当も支給されます。
ということで、【20-3-D】は誤りです。
これに対して、【8-4-E】は正しいということになります。
では、【63-6-E】ですが、
「基本手当等の一般被保険者の求職者給付」
とあります。
支給を受けることができる一般被保険者の求職者給付というのは、
基本手当、技能習得手当及び寄宿手当です。
傷病手当は含みません。
ですので、単に「基本手当等の一般被保険者の求職者給付」ということですと、
誤りですね。
それと、「50日間以上の公共職業訓練等を受ける場合」という記載がありますが、
これ、出題当時は正しい内容でした。
ただ、現在の規定では、誤りです。
【16-4-E】では、この箇所が「30日以上」となっています。
出題当時は、「50日以上」だったので、誤りでした。
では、現在の規定で考えると、原則としては正しいといえるのですが、
暫定措置により、「40日以上」となっているので、その点を考慮すれば、
誤りです。
ただ、この点は、もし出題するなら、「30日」や「40日」ではない
日数を持って来て、誤りにするでしょうね。
ということで、
この規定の出題、まず押さえるべき論点は
支給を受けることができる給付は何か。
何日以上の公共職業訓練等を受ける場合に支給対象となるか。
この2つですね。
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3 白書対策
今回の白書対策は、「女性や高齢者の就業環境の整備」に関する記載です
(平成20年度版厚生労働白書P62~P65)。
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多様な働き方が選択できるようにすることも、仕事と生活の調和の実現のために、
必要な条件である。そのためには、育児・介護休業や短時間勤務などの多様な
働き方の普及・定着を図るとともに、働く意欲と能力のある女性や高齢者の就業
継続や再就職の支援等の環境整備が重要である。
雇用者の共働き世帯はこの20年余りで大きく増加し、1980(昭和55)年には、
共働き世帯は、男性雇用者と無業の妻からなる片働き世帯の6割以下であったが、
1997(平成9)年以降は片働き世帯を上回って推移している。
こうした状況の中で、我が国の女性の年齢階級別労働力率は、依然として子育て期
にいったん低下しその後再び上昇するいわゆるM字型カーブを描いている。一方、
女性の年齢階級別就業希望率(非労働力人口のうち就業希望者が同年齢階級人口に
占める割合)は30歳代では13%以上と他の年齢層に比べ高くなっており、この層が
能力を発揮できる環境を整備することが重要である。
子育て期に低下する女性の労働力率に関して、さらに別のデータを見てみると、
厚生労働省「第1回21世紀出生児縦断調査」(2001(平成13)年度)によれば、
子どもが1人の世帯について、その子の出産前後における女性の就業状況の変化を
見ると、それまで就労していた女性の約7割が出産を機に離職している。
また、厚生労働省「第6回21世紀出生児縦断調査」(2006年度)を見ると、出産
半年後(第1回調査)に約25%に下がった有職率は出産後5年半(第6回調査)の
時点で約5割まで回復しているが、「パート・アルバイト」の増加分が大きく、
「常勤」の割合は変化が少ない。出産1年前に常勤であった母の就業状況を見ると、
出産半年後で常勤は47.6%に減少し、出産後5年半の時点で39.9%となる。ずっと
常勤を続けている割合は30.9%である。
以上のことから、育児をする女性にとって、仕事と子育ての両立や特に常勤での
再就職が依然として容易ではないことがうかがわれ、仕事と子育てが両立しやすい
職場環境の整備や子育て支援の一層の充実は、引き続き重要な課題となっている。
次に、高年齢者の就業状況について見てみることとする。総務省統計局「労働力
調査」により2007(平成19)年の就業率を見ると、男性60~64歳は70.8%、
65~69歳は46.9%、70歳以上は20.6%、女性については60~64歳で41.0%、
65~69歳で25.6%、70歳以上は8.4%となっている。
また、厚生労働省「高年齢者就業実態調査」(2004(平成16)年)によると、
男性の不就業者のうち就業希望者の割合は60~64歳で5割以上に上り、65~69歳
でも4割以上となっている。また、同調査によると、就業の引退時期については
「年齢に関係なくいつまでも働きたい」とする者が、男性で約3~4割、女性で
約2~3割存在する。
さらに、同調査により雇用者の勤務形態を見ると、年齢階級が高くなるほど男女
共に「短時間勤務」の割合が増加しており、男性では55~59歳で4.2%、60~64歳で
31.6%、65~69歳で47.9%、女性では同様に42.3%、56.6%、61.3%となっている。
現在、高年齢者雇用安定法に基づく高年齢者雇用確保措置が着実に実施されるよう
取り組んでおり、引き続き、高齢者の体力や就業意欲の多様性に対応した雇用機会の
確保に向けて、取組みを進めることとしている。
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前半部分は「女性の就業環境」に関する記載で、後半は「高齢者の就業環境」に
関する記載です。
女性の年齢階級別労働力率については、何度も出題されています。
択一式、選択式を問わず。
たとえば、【12-3-B】
我が国の女性労働力率を年齢階級別にみると、出産・育児期に低下し、育児
終了後に高まるという傾向がみられ、M字型カーブを描くといわれる。M字
型カーブが示すピークとピークの間の年齢階級で最も労働力率が低くなるのは
1990年代では25~29歳階級である。
と、M字の底になる年齢階級を論点にした問題(底は30~34歳階級なので
誤りです)とか、
【10-記述】
( A )は、( A )=就業者数+完全失業者数/15歳以上人口によって
計算されるが、我が国の女性の( A )を年齢階級別にみると、出産・育児期
の年齢層で低下した後再び上昇するという、いわゆる( B )カーブを描い
ている。
というように、「M字型」という言葉を空欄にする問題が出題されています。
(Aは労働力率です)
平成17年の選択式でも「M」を空欄にした出題がありましたから、この「M字
型カーブ」という言葉、これは絶対に押さえておく必要があります。
高齢者に関しては、過去に色々な出題が行われています。
たとえば、【11-5-A】において、
我が国では少子・高齢化が急速に進展しており、この結果、60歳以上層の
労働力人口は、昭和50年から平成9年にかけて倍近くに増加し、労働力
人口全体に占める割合は、平成9年で20.6%となっている。一方、15~29
歳の労働力人口は、昭和50年以降一貫して減少を続け、労働力人口全体に
占める割合も平成9年には23.5%に低下している。
という出題(60歳以上の割合は13.4%だったので誤りです)がありました。
このような出題を考えると、
この白書の記載内容と高年齢者雇用安定法の内容とを組み合わせて1問
という形で出題してくる可能性はありますね。
とはいえ、あまり細かい内容まで気にする必要はないでしょう。
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4 改正情報
健康保険の出産育児一時金の支給額は、従来、一律、1児につき35万円でした。
この支給額が、平成21年1月1日から見直されました。
出産に係る事故について補償金の支払に備えるための仕組み、産科医療補償
制度といいますが、これが開始されたことで、出産に際して、その掛金に
相当する額の負担が増えることになります。
その分を給付に上乗せすることにしました。
で、それが一律ってわけではなく、
産科医療補償制度等に加入する医療機関等において出産した場合に限り、
支給額に上乗せがあります。
上乗せされるのは、掛金相当額ですが、条文的な表現ですと
「3万円を超えない範囲内で保険者が定める額」
となります。
つまり、産科医療補償制度等に加入する医療機関等において出産した場合の支給額は
「35万円に3万円を超えない範囲内で保険者が定める額を加算した額」
ということです。
「保険者が定める額」ですが、一般的には「3万円」と言われています。
ですので、支給額は38万円です。
ただ、試験対策としては、この額そのものを押さえるというよりは、まずは、
「3万円を超えない範囲内で保険者が定める額」
という、条文上の表現、こちらを押さえる必要がありますね。
「3万円」という金額もですが、「保険者」という言葉、
択一式で「厚生労働大臣」や「社会保険庁長官」なんて言葉と置き換えて
誤りにしたり、選択式で空欄になっていたりなんてことも考えられますからね。
それと、改正箇所にばかり目が行ってしまい、「35万円」という金額、
これも忘れちゃいけませんね。
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