日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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(Live) 伊勢正三「風ひとり旅」 (後編)

2011-05-19 20:00:32 | 音楽、ギター、カラオケ
(つづき)

 純粋に唄だけを求めるのであれば、酷ではあるが行かない方がガッカリしなくて良いかもしれない(今回それは覚悟していた)。だが、唄だけ聴きたければCDでも買っていれば良い。ライヴの魅力はそれだけではない。

 ライヴ開始、会場が暗くなるとステージに映し出されたのは5枚のアルバムのジャケット。場内「おぉ~」とどよめく。そして1曲目、静かに「あの唄はもう唄わないのですか」が始まる。個人的にはシングルバージョンのアレンジが好きなのだけど本日はアルバムバージョンで。タイトルに「風」をはっきり銘打ってるだけあり、アレンジもキーこそ違えかなりオリジナルに近い。特にリードギターは!でもやっぱり、歌声くるしい。次第に声が出てくるまで聴いてる方が辛い。

 プログラム中盤で「22才の別れ」が始まると、不覚にも目頭が熱く…どうしたんだ一体。でもね、やっぱり一番練習した曲だしギターが弾けるって自信を持った曲だし。

 「風」は後半、アコースティックフォークからポップな音造りに変わっていった。「ほおづえをつく女」のディストーション効かせたギターのイントロ、「海風」のカッティングギターとドラムス。このあたりの演奏が始まると場内ヤンヤの手拍子。当日聴衆の9割くらいは本日の全曲を知ってたんじゃないかな(笑)

 そう言えば「ささやかなこの人生」やってないな、きっとアンコールだなと思ってたらやっぱりそうだった。でもきっと、僕が好きなこの曲の部分ってきっと大多数のファンと違う気がする…会場の盛り上がりは止まらない。アンコールが終わっても拍手鳴り止まず、またまたアンコール!「君と歩いた青春」太田裕美の方が有名かもしれないけどね。あ、なんだまたちょっと泣けてきた。。。

 さて、おしまい…まだ拍手が止まない。帰り始めた人も多いけど客席は明るくならない。え?え!?正やん3たび登場、今度は一人ギターで「終りのない唄」。なんか今日のステージを見てトーク聴いてたら正やんにピッタリだなと。きっと本人も、作った当時より今の方がそう思っているんじゃないだろうか。


 最近わりと良く行く"PRISM"だって30年以上聴いてるが、ライヴで例えば初期の名作"Morning Light"を聴いても涙することはない。「22才~」や「君と歩いた~」でちょっと涙が出ちゃったのは、その唄とともにあった当時の自分の姿、一生懸命ギターを練習してた頃のことや一緒に演奏した仲間たち(残念ながら恋の想い出は浮かばない)、高校生から始めたひとり旅のことなどが重なったからかな。そしてその涙を引き出したのは、矛盾するようだが正やんの歌声と演奏、暖かいトーク、年季の入った聴衆(ファン)の反応だった。また行きたいか?うーんどうだろう。あまりしょっちゅう思い出に浸るのもね。でもまた、いずれは。

 2011年5月14日 渋谷C.C.Lemonホールにて
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(Live) 伊勢正三「風ひとり旅」 (前編)

2011-05-19 08:06:08 | 音楽、ギター、カラオケ
 さんざん書いたような気もするけど、自分のギターの原点は「22才の別れ」であり「なごり雪」である。どちらも「かぐや姫」が歌ったナンバーだが、自分にとっては後からリリースされた「風」バージョン、「イルカ」バージョンの方が印象深い(と微妙に若さを主張)。さらに言えば人生で最初に買ったLPレコードは「風ファースト」、横浜は六角橋のタチバナレコードであった(店は今でもある)。かように「風」は思い入れのあるデュオなのである。

 「風」解散後、ソロとして活動していた伊勢正三さん(正やん)はそれまでのヒット曲を長年「封印」してきた。そして病気のために大幅に声質が変わってしまった。聴くとガッカリするのでもうライヴに行くことはないだろうと思っていたのだが、一昨年あたりから突然「風」復活未遂(コンビの大久保一久さんが急病に伏したためツアー中止)し、その後「ひとり旅」と称して全曲「風」ナンバーのアコースティックライブを行ったり。

 ならば一度、聴いておかねばなるまい。ひょっとしてそれが「致命傷」となり、以降彼とは「お別れ」するかもしれないとしても。なかなか思いつめて会場に臨むと、予想通り平均年齢は高く男性が40代以上、意外と女性ファンが多いのはメロウが持ち味の正ヤンならではか。

 ここしばらく、ライヴと言えば手を伸ばせば楽器に手が届きそうなスペースでのばかり聞いていたせいで、こんなまともなホールだと違和感ありまくり。双眼鏡持ってくるなんて芸当をすっかり忘れてたよ…ケータイ電源OFFだし場内暗いし、いつものようにセットリストを取る事ができず。アルバム一覧を調べ、本日やった曲をピックアップしておく。

(1st) 風ファーストアルバム(1975年)
 海岸通 作詞・作曲 伊勢正三
 星空 作詞 喜多条忠/作曲 伊勢正三
 でいどりーむ 作詞・作曲 伊勢正三
 あいつ 作詞・作曲 伊勢正三
 はずれくじ 作詞・作曲 伊勢正三
 お前だけが 作詞・作曲 伊勢正三

(2nd) 時は流れて・・・(1976年)
 北国列車 作詞・作曲 伊勢正三
 時の流れ 作詞・作曲 伊勢正三
 古都 作詞 伊勢正三/作曲 大久保一久
 あの唄はもう唄わないのですか 作詞・作曲 伊勢正三
 暦の上では 作詞・作曲 伊勢正三
 終りのない唄 作詞・作曲 伊勢正三

(3rd) WINDLESS BLUE(1976年)
 ほおづえをつく女 作詞・作曲 伊勢正三
 通り雨 作詞・作曲 伊勢正三
 アフタヌーン通り25 作詞・作曲 伊勢正三
 地平線の見える街 作詞・作曲 伊勢正三
 君と歩いた青春 作詞・作曲 伊勢正三
 少しだけの荷物 作詞・作曲 伊勢正三

(4th) 海風(1977年)
 海風 作詞・作曲 伊勢正三
 冬京 作詞・作曲 伊勢正三

(5th) MOONY NIGHT(1978年)
 月が射す夜 作詞・作曲 伊勢正三

(番外)
 なごり雪 作詞・作曲 伊勢正三

 うぇぇ、こんなにやったのか!休憩なしアンコール3回(!!)の2時間半。サポートはギター西海孝さん、あとスミマセン名前失念、そしてゲストにキーボードの佐藤準さん(大御所だっ!)。

 「風」と言うからにはクボやんの曲もやらないとねと言って唄った「古都」だけが大久保一久さん(クボやん)との共作、他は全部正やんの曲。それにしてもアルバムの発表年次を見よ、足掛け4年で5枚、それで実質的に活動停止である。わずかそれだけの期間なのに彼らがいかに多くの人々に知られ今も愛されているか。改めて考えると凄いことだと35年経って気付いた。

 以上概要説明、感想は後編へ。思い入れが強すぎる(笑)。
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