日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】佐々木譲著 「エトロフ発緊急電」(新潮文庫)

2014-09-19 19:07:22 | 本・映画・展覧会
 「ベルリン飛行指令」に続く佐々木譲・第二次世界大戦三部作の第二作。物語として「ベルリン」の続編ではないが、描かれた時代はその数年後、登場人物も数人は再登場し繋がりを見せる。

 前作の舞台はアジアからヨーロッパへ連なる世界だったが、本作の舞台はアメリカと日本、それも東京周辺と北方領土と(間に多少の移動はあるが)断片的。メインは択捉島。

 前作には零戦を空輸するという冒険小説的なワクワク感があったが、本作はテイストを異にしており様々な土地でのエピソードで紹介された人物たちが織り成して一つの物語の結末に至る、練り上げられたストーリーとなっている。主人公以下、複雑な出自や経歴をもつ人間が多いのも特徴。混沌とした時代の中でもひときわ異質な者たちの物語とも言え、奇譚と呼べるかもしれない。

 連作物の場合、二作目は期待はずれと言われることが多い。本作の書評でも「初作ほどではない」というものがあった。だが時代や背景を共通に持ちつつ、全く異なる物語に仕上がった本作が前作に劣っているとは思われない。ぜひ前作から続けてどうぞ。

 2014年9月1日 通勤電車にて読了
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2014年8月30~31日 【旅行】欧州大陸の未訪問国を訪ねて(8)

2014-09-19 07:20:51 | 旅行・ハイク&ウォーク

 旅も最終日。今日だけは友人の希望を優先し、昨年行きそびれたコブレンツの戦車博物館へ行く。ホテルをチェックアウトし、荷物を預かって貰う。現地では飲食物の入手が望めなそうなので、駅でサンドイッチとジュースを買い込み、バスで向かう。15分強で下車、降りて目の前だった。入口で荷物を預けて中へ。

 ドイツで戦車と言えばタイガー(ティーガー)、パンサー(パンター)あたりだろうが、何故かここにはその辺の「有名どころ」が少なく、少数派とか試作車みたいなのとかばかり。きっとマニアには堪えられないんだろうな(笑)…私にはよく分かりません。戦車のカットモデルは初めて見たが良い展示方法だ。おかげで車両鋼板の厚さや回転砲塔の仕組みなど理解が進んだ。理解してどうなるものでもないのだが。

 あまり広くない展示場ではあるがドイツ以外の戦車ほか軍用車両も多数あり、おまけに航空機や船舶用兵装などもあってここだけでお腹いっぱい…なのだが、4階まである展示室には兵装、通信機など軍務を支えるあらゆる物が展示されていると言っても良いほど。特筆すべきは小火器(ピストルやライフル、機関銃)の充実振りで、日本製ナンブ式拳銃だけでも数種類のバリエーション違いがコレクションされていた。ワルサーやルガー、コルトといったお馴染みメーカーの製品ばかりでなく実に多種多様の「てっぽう」があるものだ。これらによってどれほどの人々が傷ついてきたのか。

 基礎知識がないもので後半は食傷気味の見学だったが、内容そのものと同時に収集・整理に対する考え方と言うか文化と言うのか…について感じるところ大の訪問だった。さすがドイツ人。館内に売店はなかったが、博物館前の書店の在庫が凄かった。ここを眺めるのに丸一日では足りそうにない。コブレンツ恐るべし。「リベンジ」で来て良かったね友人よ。

 駅にとって返し、ホテルで荷物をピックアップしてフランクフルト空港へ。乗り換えなしの列車は途中でハイデルベルグからの路線と分かれる。パターンを掴み時間を調整するのが、手間なく移動するコツだ。JL408便(JA732J)で飛ぶこと10時間50分で成田へ。今年のFOP目標到達の目処がついたので、国内線往復「修行」はせず真っ直ぐに帰宅、時差ぼけ解消に身体を動かすためクルマのワックス掛けをした。

(おわり)
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