以前「産業遺産の光と影」と言う同種の本を読んだがそちらは日本国内版。本書は対象を世界に拡げ、各地に残る「痕」を辿る。例えばアウシュビッツ、トゥールスレン(カンボジア)と言った大量虐殺の場所であったり、沖縄やサイパン、硫黄島のような民間人も巻き込んだ激戦地であったり。場所ごとにライターが異なり(同じ人が複数個所を書いている例もある)、バックパッカーにはお馴染みの下川祐治氏や蔵前仁一氏とか、作家の角田光代氏も書いている。そして紛争当時の取材者であるジャーナリストも。
各編ごとに、その地や施設がなぜ「有名」なのか簡潔な歴史が紹介され、その当時と今の様子の写真が多数収められているのは大判のムック本ならでは。ライターの個人的な感想は万人が共感するとは限らないが事情に詳しくない観光客であっても納得し肯定できる論調のものが多い。それを予定調和だと反駁しても構わないと思うが、多大な労力が必要に思う。
この手の地を物見遊山気分で見ることへの批判はあると思うが、仮に「やだコワーイ」と脊髄反射的な感想しか出なかったとしても何も知らずに過ごしてしまうよりはマシかなと最近では思うようになってきたのだが、どうだろうか。ただし、記念撮影でVサインだけは止めて欲しいと強く願う。
2016年9月11日 自宅にて読了
各編ごとに、その地や施設がなぜ「有名」なのか簡潔な歴史が紹介され、その当時と今の様子の写真が多数収められているのは大判のムック本ならでは。ライターの個人的な感想は万人が共感するとは限らないが事情に詳しくない観光客であっても納得し肯定できる論調のものが多い。それを予定調和だと反駁しても構わないと思うが、多大な労力が必要に思う。
この手の地を物見遊山気分で見ることへの批判はあると思うが、仮に「やだコワーイ」と脊髄反射的な感想しか出なかったとしても何も知らずに過ごしてしまうよりはマシかなと最近では思うようになってきたのだが、どうだろうか。ただし、記念撮影でVサインだけは止めて欲しいと強く願う。
2016年9月11日 自宅にて読了