日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】安田浩一著 「ネット私刑(リンチ)」(扶桑社新書)

2019-06-04 20:32:34 | 本・映画・展覧会
 最近は何かあるとネット上で犯人捜し、もしくは犯人はおろか家族までの個人情報バラ撒きが行われることが少なくない。例えば犯人が未成年者であっても○○高校の△△君、父親は□□株式会社の…みたいな。それが正確であっても個人情報なので問題大有りなのだが、時には無関係な他人が「誤爆」されることがある。された方はたまらない。ある日突然ネット上で晒し者にされてしまう。本来は警察や被害者への捜査協力だったはずの「ネット民の善意」が暴走し、こうなった。伝達の素早さ、書き込んだ者の匿名性が裏目に出た。

 だからネットを使うななんて話はあり得ない。書き込みは全員実名で、とか書き込んだアドレスから必ず発信者を辿れるように、とは技術的に難しそうだ。ネット上に掲示板がある間は仮想空間かつ匿名での発言で憂さを晴らす人間がいなくならない限り、この種の書き込みが消えることはない。せいぜい「被害者」からの訴えによる書き込み者特定をしてお灸を据える、そのことをニュースにして抑止効果を狙うくらいしか。

 …と行った内容を本書から感じられた。ネットに疎い人でも本書を読めばそういう事案があることを十分に理解できると思う。できれば「書き込んだ側」へのインタビューをもう少しして欲しいが、当たり前だがそういう連中へのアクセスは難しいため、僅かな例しか書かれていない。

 ネット上で叩かれるのは犯罪者ばかりではない。ちょっと目立つ行動をした人間が話題に上るのは同質性が強く「出る杭は打たれる」傾向の日本ならではなのかもしれない。他人を叩いて快感を得る時間があれば、もっと他のことに使えないものかと思うのだが。

 2019年5月15日 通勤電車にて読了
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【映画】響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ(2回目)

2019-06-04 20:29:36 | 本・映画・展覧会
 GWとその後のバタバタと、劇場での上映回数が減ってきていることもあり2回目を観に行くのが遅くなってしまった。でも本作は音(演奏)も魅力の一つなので、劇場の迫力あるサウンドとDVD+ヘッドホンでの精細な聴き取りどちらが良いのかな。

 2回目とあってストーリーが判っているので、初回にあった「ストーリーを追いつつ画の細部まで見入る」忙しさは緩和され、丹念に書き込まれた画や僅かな効果音、登場人物のちょっとした仕草などに気を配ることができ新たな発見が多かった。

 いったい制作側って、どれほどのメッセージが伝わると想定して作品を作っているのでしょうね。日本のアニメ作品には、パッと判るストーリーの中に数多くのオマージュや暗喩を含ませた作品がある。もはや制作側の趣味としか言えないような…そこが判る(見抜く)のが、何度も観に行く愉しみとなる。

 2019年5月15日 川崎・チネチッタにて
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