「さまよえる湖」ほかシルクロード三部作で著名なヘディンはどういう人物だったのか、ファンであり(たぶん)有数の研究者である著者によるヘディン伝。
読んで自分の知識が殆どなかったことを知った。彼の探検したエリアはシルクロードのみならず、チベットにも相当の執着心を見せて迫っている。冬の入口に命を賭して5,000m級の峠を越えて潜入を試みるなど、もはや正気の沙汰とは言えまい。
そうした探検家としての人生が2/3くらい、晩年は非公式な外交官とも言うべき活躍ぶり。大戦前には日本の政治家や軍人も秘かに接触していたと言う。外交の才もあったとは。否、そうした才能があったからこそ探検家として各地の部族や政府ともやりあい成功を収めることができたのだろう。綺麗ごとだけで済まさぬ、許可されぬなら密入国も辞さない清濁どちらにも動ける性格だからこそ政治の世界でも通用したと言えるかもしれない。
ヘディンは想像を超えた存在だった。地球上に未探検の部分はなくなったと言われるが、そうした事実とは別にこれほどの人物が今後また現れるとは思いにくい。
2019年5月26日 ソウルのゲストハウスにて読了
読んで自分の知識が殆どなかったことを知った。彼の探検したエリアはシルクロードのみならず、チベットにも相当の執着心を見せて迫っている。冬の入口に命を賭して5,000m級の峠を越えて潜入を試みるなど、もはや正気の沙汰とは言えまい。
そうした探検家としての人生が2/3くらい、晩年は非公式な外交官とも言うべき活躍ぶり。大戦前には日本の政治家や軍人も秘かに接触していたと言う。外交の才もあったとは。否、そうした才能があったからこそ探検家として各地の部族や政府ともやりあい成功を収めることができたのだろう。綺麗ごとだけで済まさぬ、許可されぬなら密入国も辞さない清濁どちらにも動ける性格だからこそ政治の世界でも通用したと言えるかもしれない。
ヘディンは想像を超えた存在だった。地球上に未探検の部分はなくなったと言われるが、そうした事実とは別にこれほどの人物が今後また現れるとは思いにくい。
2019年5月26日 ソウルのゲストハウスにて読了