TVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、
劇場アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」、
劇場アニメ「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」
と続いた「青ブタ」シリーズの最終作。まさか全部観るとは思わなかった。とは言え、さほど入れ込んでいるわけでもないのだけど。
自分の存在が他人から認識されなくなる「思春期症候群」が、シリーズの主人公・咲太に発症する。そして咲太は、パラレルワールドとも言うべき、自分のいない別の世界に。そのパラレルワールドの存在は、咲太自身によって引き起こされたものだった。彼は元の世界に戻れるのか、新しい世界で生きてゆくのか。彼自身が考え悩み決断しなければならない。別の世界との橋渡しをするのが、咲太の彼女・桜島麻衣の幼少期にそっくりの、赤いランドセルを背負った女の子。これ、事案ものじゃね?お巡りさんコイツです。
可愛い女の子が何人も登場するラブコメチックな映像でありながら、描かれている難解なストーリーはファンタジーとは言えとてもシリアス。今回のテーマは家族か。このアンバランスさが本作の魅力だろう。ちなみに舞台は藤沢から江ノ電沿線で、馴染みがあるのも個人的には魅力。
音響が「ガールズ&パンツァー」シリーズ以降脚光を浴びることになった岩浪監督監修のLIVEZOUND、アクションものでもないのに効果あるのか?と思いながらも、そういう回が同料金で観られるのであればと選択してしまった。結果は、どうだろう?通常上映でも、十分に楽しめた気がするのだけど。
2023年12月2日 川崎・チネチッタにて