日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】佐滝剛弘著 「観光公害―インバウンド4000万人時代の副作用」(祥伝社新書)

2023-12-01 20:00:00 | 本・映画・展覧会

 クルーズ客船の乗客対応をしていると、本当に降りてくる外国人の多いことに驚かされる。1隻1回に2,000人以上、その8割か9割は外国のお客様と言う感じ。インバウンドと言う言葉が本当に身近に感じられる。だからと言うわけではないが、Covid-19渦も下火になり訪日客が回復基調というニュースを聞くたびに気になっていたテーマの本を読んだ。

 観光公害と言う言葉が的を得ているか判らないが、ある土地・地域に観光客が押し寄せた結果、地元の人々の生活にさまざまな悪影響を及ぼす状況を指す。日本で言えば京都市内の寺社、大阪や金沢の市場、ニセコ町など。個々の状況についてここでは記さないが、すでに新聞等で何度も報道されている。

 そうした悪影響は、日本に限らず世界中の著名な観光地で起きており、本書ではそれらの例と対策についても調査し述べられている。

 住民の生活は守りたいが、自治体の収入は多くを観光客に由来するとなると「悪即斬」すなわち「観光客ノーサンキュー」と言えないから困る。場所ごとに条件が異なるため解は一つではなく、幾つものアイデアを組み合わせなければ効果は得られない。そういう状況なので、観光客誘致に向けたインフラ整備など、むしろ行わない方が抑制効果があると言うのも皮肉な話。

 あちこち旅行している身としては若干耳が痛い部分もあったが、内容は一々頷けるものだった。

 2023年11月5日 アルバイト帰りの電車にて読了


 

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大人の社会科見学・シルク博物館

2023-12-01 06:00:00 | ノンジャンル

 今日も横浜港大さん橋でクルーズ客船のアルバイト。予定よりずいぶん早く強制終了されてしまったので、大さん橋入口にあるシルク博物館へ寄ってみた。たぶん小学生の頃に来たことがあるので、ほぼ半世紀ぶり!?

 内部は2フロアに分かれており、養蚕から絹糸そして絹織物に至るまでの工程紹介と、展示ホールでは染物、織物による和服作品の展示会。やはり興味が向くのは完成品よりも製造過程、ここは面白いことに生きた蚕を展示。卵から孵化直後のけご、3齢虫、そして繭を作らせる回転蔟(まぶし)。回転蔟では既に繭玉になったもの、まさに繭を作ろうとうっすら白い状態で糸を吐いてるもの、蔟に入らず枠の上を這い回るアウトロー(写真上部)など、久しぶりに生きた蚕を見ることができた。

 自分も小学生の頃に蚕を飼い、せっせと桑の葉を取ってきては餌を換え、糞の掃除をしていたことを思い出す。この博物館がこれほど面白いところだったとは。久しぶりに行ってみて良かった。

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