「ジャイロモノレール」の筆者による著書で、小説でもジャイロモノレールでもない「第三の顔」が見えるよう。
一つのことに長時間集中して打ち込むことの苦手な著者が、大人が子供によく言う「集中しなさい」に疑問を呈し、むしろアンチ集中=「分散」の方がトータルでは効率よいと主張する。
主張自体はあって良いと思うし、説明には頷けるところが多い。だが「新しい発想は集中した状態の時よりリラックスした状態の時に生まれることが多い」と言う主張の前提に「勿論それ以前に、その課題について十分に考え悩んだ上で」と言うもっともな設定こそが「集中が大事」な証拠ではないのか。きっと著者は「時には集中も大事」と書いたのを読み落としたのだろう。
著者はものすごく沢山の対象を頻繁に切り替えながら作業を進めてゆく才に秀でているのだろう。遠くから見るとマルチタスクに見えるが、実は一瞬一瞬で進めている作業は一つなのでシングルタスクのタイムシェアリングシステムだ…と書けば、コンピュータシステムをかじった方なら腑に落ちよう。
本書中、実に共感できる部分が何箇所もあった。「僕は、とてもせっかちな人間なので、じっとしていられない。なにもしない時間が流れることが苦痛である。休むというよりも、逆にいらいらしてしまう。だから、人に歩調を合わせることも苦手だ。(P.102)」いやー全く!
2019年6月4日 通勤電車にて読了
一つのことに長時間集中して打ち込むことの苦手な著者が、大人が子供によく言う「集中しなさい」に疑問を呈し、むしろアンチ集中=「分散」の方がトータルでは効率よいと主張する。
主張自体はあって良いと思うし、説明には頷けるところが多い。だが「新しい発想は集中した状態の時よりリラックスした状態の時に生まれることが多い」と言う主張の前提に「勿論それ以前に、その課題について十分に考え悩んだ上で」と言うもっともな設定こそが「集中が大事」な証拠ではないのか。きっと著者は「時には集中も大事」と書いたのを読み落としたのだろう。
著者はものすごく沢山の対象を頻繁に切り替えながら作業を進めてゆく才に秀でているのだろう。遠くから見るとマルチタスクに見えるが、実は一瞬一瞬で進めている作業は一つなのでシングルタスクのタイムシェアリングシステムだ…と書けば、コンピュータシステムをかじった方なら腑に落ちよう。
本書中、実に共感できる部分が何箇所もあった。「僕は、とてもせっかちな人間なので、じっとしていられない。なにもしない時間が流れることが苦痛である。休むというよりも、逆にいらいらしてしまう。だから、人に歩調を合わせることも苦手だ。(P.102)」いやー全く!
2019年6月4日 通勤電車にて読了