世界の名著と言って差し支えない人気作、これまで手にしていなかったのを読んだ。羊飼いの貧しい少年が旅をし、人と出会い、才覚で少しは豊かになった。心ときめく少女との出会いもあった。ジュブナイル文学の傑作であると、評価が高い。
だけど、うーん何だろう素直に「素敵な物語だね」と言えないのは。たぶん「錬金術師になりたい」という少年の希望に、純真な成長でなく成り上がり欲望みたいなものを感じてしまうからだと思う。厳しく辛い羊飼いの生活から抜け出したいと言う本能的な渇望と受け止めれば問題なく、たぶん評価する人はそう受け止めているのだろう。そう受け止められないのは、受け止める側の心が歪み汚れているからなのかもしれない。
2023年9月5日 IT239便(旭川→台北)機内にて読了