【ぼちぼちクライミング&読書】

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「心の迷宮」近藤ようこ

2011年02月12日 21時52分30秒 | 読書(マンガ/アニメ)


近藤ようこさんには、大きく分けて二種類の作品がある。
「水鏡綺譚」のような中世を舞台にした作品と、
「ルームメイツ」のような現代を舞台にした等身大の話。
「心の迷宮」は後者である。
執筆年代が「ルームメイツ」と少しかぶるだけあって、レベルが高い仕上がりになっている。
短編集で毎回登場人物が異なるけど、テーマは一貫している。
小学館「ビッグゴールド」に、同タイトルで連載された作品をまとめたのが本書。
著者が30代のころの作品。
あとがきで、次のように書かれている。

苦しみながら描いて、それでも失敗したなと思う話もあるが、時間がたってみるとまあなんとかまとめているじゃないかと感心する。ラストを最初に決めて話作りをする私のやり方は、大破綻がないかわりに途中から作者本人が思いもよらない展開になるというような、意外性のある面白さは生まれない。これじゃあだめかなあとも思うが、仕事のやり方はその人間の性格や生き方に重なるものだから、二十八年目の漫画家に迷う余地はないかもしれない。

【ネット上の紹介】
「なぜ人は愛を求め続けるのか?」婚前に運命の人と出逢い戸惑う女…恋に臆病になっているバツイチマザー…父親との絆から自立できないファザコン妻…など、揺れる女の心模様を見つめる読切り傑作短編集。愛に不器用な女たちの等身大の<愛の叙事詩>。心の傷いやします。あとがき/近藤ようこ 解説/戸田誠二

【参考書籍】


「ステップ」今野緒雪

2011年02月12日 21時33分53秒 | 読書(小説/日本)


「マリみて」シリーズ最新刊。
『薔薇さま』も『山百合会』も出てこないのに、これは「マリみて」なのか?、と思われるかもしれない。
以前にも書いたが、次のように説明できる。
今野緒雪さんには、「マリみて」以外にも、「夢の宮」シリーズがある。
『夢の宮』を舞台にしたファンタジーだ。
「マリみて」も同様に考えたら良い・・・これは『リリアン』を舞台にしたファンタジーだ、と。
そういう意味で、本作はまぎれもなく「マリみて」なのだ。
以下、ネタバレありなので注意。

ただ、本作は他の作品と異なる趣向が凝らしてあり、ある仕掛けがある。
おそらく物語終盤になって、「えっ、そうなの?」、と気づくはず。
最初は、ちょっとした違和感から始まる。
なぜ、ここで携帯を使わないのか?、とか。
(私の想定では、物語背景は○○年代後半くらい?)
まぁ、それは読んでのお楽しみ。

【ネット上の紹介】
親友の律から、男性とつき合い始めたと告白された佳月。混乱する頭を冷やそうと、帰宅途中バスを降りて公園に向かった彼女は、出会い頭にある男性とぶつかってしまう。心配する男性を一度は振り切るも、佳月は公園で酔っ払いに絡まれ、結局はその男性に助けを求めることに。好感を抱きつつも、名乗らずに別れた数日後、律がその男性と親しげにしているのを見て佳月は衝撃を受けるが…。 

【参考書籍】