図書館戦争シリーズ 1、「図書館戦争」有川浩
人気シリーズ、おそるおそる読んでみた。
思った以上に文章が巧い。
政治的駆け引き+恋愛要素をブレンドした作品。
ライトノヴェルらしいキャラクター重視と言われるが、
私の判断では、『お約束』をしっかり押さえた少女漫画要素が強い、と思う。
著者が構築した近未来=図書館戦争の世界が理解出来たら楽しめる、と思う。
ただし、1巻目は面白さが十分開花していない。
(既に、2巻目読了済み、だけど、1巻目でやめなくてよかった、と思っている)
1巻目は75点くらいの出来上がりで、可もなく不可もなし・・・かな。
2巻目から80点後半から90点オーバーの世界に突入してくる。
なお、小牧のキャラクターがいい感じ。
一部文章を紹介。
P287
「投げっぱなしで逃げるなよ」
正論本家はやはり痛い。
「外したのは堂上の都合だろ。自分の都合を笠原さんのせいにするな。俺にフォローさせるのも違うだろ」
黙り込んだのは返す言葉が見つからないのと後ろめたさを真っ向から突かれてふてたのと。正論が好きな奴は優しくないよと小牧が常に言うように、小牧はこうしたときに馴れ合いに逃げさせてくれない。小牧は自分にも平等に厳しい。
「笠原さんの事情は笠原さんが処理したもんだろ、あの子はもう大人なんだから。お前が余計な手出しする筋合いじゃない」
PS
柴崎と笠原を見ていて、なんとなく篠北礼子と矢島順子のコンビを思い出した。
なお、ハードカバーで読まずに、文庫本で読むと、ショートストーリーがおまけでついてくる。
これが、けっこうな価値有り。
【ネット上の紹介】
2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。