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「晴天の迷いクジラ」窪美澄

2012年10月02日 21時32分03秒 | 読書(小説/日本)

「晴天の迷いクジラ」窪美澄

窪美澄さんの作品を読むのは初めて。
どうだろう、と読み始めたが・・・・おもしろかった!
とてもすぐれた作品、と思う。
(特に、閉塞感の描き方がすごく巧い)
おそらく、今年の(小説部門)ベスト3に入る。

全部で4章。
Ⅰ ソラナックスルボックス
Ⅱ 表現型の可塑性
Ⅲ ソーダアイスの夏休み
Ⅳ 迷いクジラのいる夕景

それぞれの章で、中心となる人物が異なる連作長編。
最終章で、全員揃って、クジラを見に行く。
簡単に書くと身もフタもないが、ディーテイルがきちんと書き込まれ、生き生きと描写される。
これほど巧い作家に、久しぶりに出会った。
窪美澄さんは、捻りすぎず、適度に淡泊なので、ちょうどいい感じ。
登場人物の距離感もいい。
今後要チェックの作家が、また増えてしまった。

【ネット上の紹介】
壊れかけた三人が転がるように行きついた、その果ては?人生の転機に何度も読み返したくなる、感涙の物語。

「悪魔のような花婿(あなた) 魔法使いの恋人」松田志乃ぶ

2012年10月02日 21時23分22秒 | 読書(小説/日本)

「悪魔のような花婿(あなた) 魔法使いの恋人」松田志乃ぶ

シリーズ最新刊、7巻目。
いよいよ全面対決、バトル開始。
そして、王妃・エヴァンジェリンの正体が明らかになる。

ネタバレになるから書かないけど、この終わり方は読者には酷。
気になって仕方ない。
まぁ、松田志乃ぶさんは遅筆じゃないので、安心だけど。
・・・でも気になる。

番外編として、短編「レディ・スキャンダルの結婚」が収録されている。
この作品は、ジュリエットの義母・ドーラの若き日が描かれている。

【ネット上の紹介】
美貌の王妃・エヴァンジェリンの正体とは!! 西州の臨時税を賭けたゲームが始まった。対戦相手のジュリエットに対して、王妃が申し込んだのは鬼ごっこ! 逃げ回るジュリエットは、隠し扉から地下洞窟へ。そこには誰も予想しなかった光景が…!!