「南部芸能事務所」畑野智美
畑野智美作品を読むのは初めて。
とても良かった。
今後も読んでいきたい、という気持ちになった。
(さっそく新刊パトロールに登録)
さて、内容は・・・
お笑い芸人の世界を描いている。
このテーマは、山本幸久さんが既に描いている。
・・・「笑う招き猫」である。(とても面白かった)
「南部芸能事務所」も、山本幸久作品に劣らないすぐれた仕上がり。
よく出来ている、と思う。
各章ごとに視点が変わって、多面的に表現される。
駆け出し芸人から、中堅芸人、師匠と言われる芸人。
芸人の追っかけをする女子高生の視点まである。
このあたり「笑う招き猫」と違う工夫がされているところ。
読んで損はない。
この著者、今後要チェック、と思う。
一部文章を紹介する。
P234
サンパチマイクは、SONYのコンデンサーマイクC-38Bの通称で、漫才によく使われる。四角いフォルムのスタンドマイクだ。性能が高くて、離れていても声を拾える。サイズは小さめで芸人の顔を隠してしまうことがない。漫才のために作られたマイクではないけど、自然と定番になった。
【関連図書】
こちらは、青春小説の要素も強い
【ネット上の紹介】
笑われてもいい。いつか笑わせられるなら。早くもシリーズ化決定! 笑劇の第1弾 たまたま親友に誘われ、そのバイト先の先輩が所属する「南部芸能事務所」のライブを見に行くことになった新城(20歳)。たちまち魅了され、その夜のうちに芸人を志す。とはいえピンでは無理、コンビの相方が必要だ。先輩の「ものまね女芸人」津田ちゃん(25歳)は、事務所スタッフの溝口(20歳)と組むといいと言うのだが……。弱小プロダクションの芸人たちを、誰も書けない筆致で紡ぐ連作短編集!