【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

Beginnings

2013年08月24日 22時24分20秒 | 読書(マンガ/アニメ)

以前、中沢啓治さんの「わたしの遺書」を紹介した。
言わずと知れた「はだしのゲン」の著者。
松江市教育委員会による閲覧制限を契機に、「はだしのゲン」10巻セットが売れているそうだ。
いつもの3倍以上の売れ行き。
(例年7,8月は2千セットなのに、今年は7千セット売れ、今も2千セット増刷中)

ところで、2013.8/24朝日新聞朝刊に興味深い記事が紹介されていた。
アメリカの漫画家・Raina Telgemeierさんの自伝「Beginnings」に「はだしのゲン」について触れた箇所がある、と。
次にリンクいしておく(著者が「はだしのゲン」を読んで大泣きするシーンが描かれている)
http://goraina.com/webcomics/beginnings.html
http://goraina.com/


【参考リンク】
「はだしのゲンわたしの遺書」中沢啓治2013.5.1


「冬姫」葉室麟

2013年08月24日 10時51分48秒 | 読書(小説/日本)


「冬姫」葉室麟

信長の次女冬姫の生涯を描いている。
戦国時代が背景で、ヒロインが冬姫なので、周りのキャストも豪華。
オールスター夢の共演、って感じ。
読者としては、気になるスターがどう描かれて、どう登場するかが楽しみ。

不満な点もある。
冬姫に対立する悪役が登場する。
それが淀君。
・・・でも、私は淀君(茶々)は嫌いじゃない。
世間の評判は悪いけど、私はそう思わない。
後の徳川政権によって「造られた」ところがある、と思っている。
そこに大きなしこりを感じたので、100%楽しめなかった。(残念)

冬姫とガラシャが出会うシーンが秀逸
P263
 会釈を返す女人の視線に悲しみが籠められていたのを冬姫は瞬時に見て取った。

 どのような悲しみを抱えているのだろうかと思いつつ冬姫は通り過ぎたが、自分もまた悲しみを抱えていることに気づいて歩みを止めた。
信長の娘と光秀の娘が出会えば、互いの胸に兆すのは、生きていくことの悲哀のほかにないのかもしれない。もずがさりげなく傍に寄って声をひそめた。
「会釈なされた女人が御方様を見送っておられます。やはり、細川様の御内室様と存じます」
冬姫はうなずきながら胸の中で、
(ガラシャ殿――)
とつぶやいた。

【ネット上の紹介】
信長の娘として生を受けながらも、母を知らず、孤独のうちに育った冬。父の命により蒲生氏郷のもとへ嫁ぎ、想いを交わしあう幸せな日々が訪れるが―お市、茶々、江、ガラシャ…姫たちの戦いに翻弄されながら、ひたむきに歩んだ女人がいた。今もっとも注目を集める時代小説の旗手が、命を吹き込む新たなヒロイン。