【ぼちぼちクライミング&読書】

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「はじめてのルーヴル」中野京子

2013年11月16日 22時24分21秒 | 読書(エッセイ&コラム)

「はじめてのルーヴル」中野京子

初心者のために、ルーブル美術館のツボを指南してくれている。

P48
西洋文化における縞模様は、ふつう隷属や不名誉の印として、身分の低い従者や死刑執行人、罪人などが身につけるとされていたが、断続的に――それほど長期ではなく、縦縞だけが、高貴な模様と見做された。また手袋は、国王が授ける狩猟権や貨幣鋳造権の象徴とされており、片方の手袋をにぎった各国の王の肖像画はかなり多い。

P51
鬘は父王ルイ十三世が禿隠しに使いはじめたと言われる。息子のほうは背があまり高くないので被ったらしいが、被ってみればこれはいろいろと便利、ということでフランス革命が起こるまでブームが続く。後半には貴族ばかりでなく、お金さえ出せば誰でも頭に載せることができるようになった。
鬘と髭は相性が悪いらしく、鬘の時代には顎髭は無く(口髭はままある)、顎髭の時代に鬘は無い。男性というのはどちらか一方に毛が生えていればオーケーなのかもしれない。

P133
磔刑というのは、もともとユダヤ社会での処刑法ではない。ローマ帝国が、奴隷や反逆者、重罪人にのみ適用していたもので、断首や絞首と違い、死ぬまでの苦痛が長く、処刑というより拷問に近い。かけれられた者は悶死し、あまりにも残虐だというので、神経を麻痺させる薬を与えることも許された。



PS
以前パリを訪問した際は、クライミングショップに行ったり、レンタカーを借りたり、と忙しく、
入り口まで行ったが、結局入館しなかった。
次回は、ぜひ訪問したい。

【ネット上の紹介】
ダ・ヴィンチ『モナリザ』、ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯』、ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』など、ルーヴル美術館の至宝の絵画を独自の視点で読み解く、これまでにない美術館名画案内。
[目次]
なんといってもナポレオン―ダヴィッド『ナポレオンの戴冠式』;ロココの哀愁―ヴァトー『シテール島の巡礼』;フランスをつくった三人の王―クールエ『フランソワ一世肖像』;運命に翻弄されて―レンブラント『バテシバ』;アルカディアにいるのは誰?―プッサン『アルカディアの牧人たち』;捏造の生涯―ルーベンス『マリー・ド・メディシスの生涯“肖像画の贈呈”』;この世は揺れる船のごと―ボス『愚者の船』;ルーヴルの少女たち―グルーズ『壊れた甕』;ルーヴルの少年たち―ムリーリョ『蚤をとる少年』;まるでその場にいたかのよう―ティツィアーノ『キリストの埋葬』;ホラー絵画―作者不詳『パリ高等法院のキリスト磔刑』;有名人といっしょ―アンゲラン・カルトン『アヴィニョンのピエタ』;不謹慎きわまりない!―カラヴァッジョ『聖母の死』;その後の運命―ヴァン・ダイク『狩り場のチャールズ一世』;不滅のラファエロ―ラファエロ『美しき女庭師』;天使とキューピッド―アントワーヌ・カロンまたはアンリ・ルランベール『アモルの葬列』;モナ・リザ―レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』