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「リアル・シンデレラ」姫野カオルコ

2015年07月14日 20時51分51秒 | 読書(小説/日本)


「リアル・シンデレラ」姫野カオルコ

「昭和の犬」で第150回 直木賞を受賞された姫野カオルコさん。
その前に、本作が第143回直木賞候補になった。
「昭和の犬」より読み手を選ぶかもしれない。
私は、面白いと感じたけど。

母親に冷遇される女性の半生を描く。
周りの方が『不公平感』を感じるが、
主人公は淡々と生き続ける。
そのあたり、「昭和の犬」と同じ。

直木賞候補になった時の。宮部みゆきさんのコメントを掲載しておく。
「(引用者注:「天地明察」とともに)丸をつけて、選考会に臨みました。」「私はキリスト教の「聖人伝」として読みました。倉島泉という黒い子羊が聖人になるまでの物語です。」「読後、自分のなかに溜まっていた自分ではどうすることもできない澱が、いくばくかでもこの作品によって浄化された気がして、静かに涙しました。姫野さん、支持しきれなくてごめんなさい。でも、この小説を書いてくれてありがとう。本を閉じたとき、多くの読者がそう呟くに違いない秀作です。」

【参考リンク】
姫野カオルコ-直木賞受賞作家|直木賞のすべて - nifty

【ネット上の紹介】
童話「シンデレラ」について調べていたライターが紹介された女性、倉島泉。長野県諏訪温泉郷の小さな旅館の子として生まれた彼女は、母親に冷遇され、妹の陰で育ったが、町には信州屈指の名家、片桐様の別荘があり、ふとした縁で、松本城下の本宅に下宿することになる。そこで当主の一人息子との縁談がもちあがり…。多くの証言から浮かび上がってきた彼女の人生とは?不況日本に暮らす現代人にこそ知ってほしい、新たなるドキュメント・フィクション。