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「きみはいい子」中脇初枝

2015年07月07日 20時56分06秒 | 読書(小説/日本)

ポプラ文庫<br> きみはいい子 
「きみはいい子」中脇初枝

とても良かった。
次の5編が収録されている。 

サンタさんの来ない家
べっぴんさん
うそつき
こんにちは、さようなら
うばすて山

虐待がテーマ。
主人公が替わっていくが、ゆるいリンクが設定されている。
「サンタさんの来ない家」の主人公は新任教師。
学級崩壊させてしまう。
その翌年も、再び崩壊。
いったいどうなるのか?
教師間、親、生徒、それぞれの関係も描きながら展開する。

「べっぴんさん」は、自分の子を虐待してしまう母親の話。
その母親も虐待された育った。
負の連鎖。
断ち切れるのか?
ママ友の関係も描きながら進展していく。

どの作品もすばらしい。
これはお薦めです。

「わたしをみつけて」「みなそこ」と読んできたが、
本作品がもっとも私のストライクゾーンであった。

映画化もされた。
映画『きみはいい子』公式サイト

【蛇足】
2013年本屋大賞4位であるが、1位でもよかった、と思う。
(ついでに言うと、「晴天の迷いクジラ」が6位・・・こちらも、もっと上位でもおかしくない)

【参考リンク】
これまでの本屋大賞 | 本屋大賞

【ネット上の紹介】
17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短篇集。家族が抱える傷とそこに射すたしかな光を描き出す心を揺さぶる物語。