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「ついに、来た?」群ようこ

2017年05月01日 20時04分47秒 | 読書(小説/日本)


「ついに、来た?」群ようこ

「老い」と「介護」をテーマにしたコメディタッチ短編集。
良くできている。共感しながらの一気読み。

例えば、第1話「母、出戻る?」では、父の死から始まる。
当時55歳の父が、自動車の自損事故で亡くなる。
母は53歳。
父の遺産分配が済んだ後、母が姿を消す。
手紙が残されていた。
「お母さんはしばらくいなくなります。心配しないでください。探さないでください。落ち着いたら連絡します。 トミコ」
なんと5歳年下の男性のもとに奔っていたのだ。
これで終わればよくある話。(よくあっても困るんだけど)
その後、年月が流れ、母が帰ってくる。
男が挨拶もせず母と荷物を家の前に置いていったのだ。
いったいどうなるのか?
こんな感じの作品が8編収録されている。

【おまけ】
途中で著者名を確認した。
あれ、平安寿子さんの作品だっけ?、と。
群ようこさんの作品でした。
ボケてどーする。(作品に共鳴しすぎ)

【ネット上の紹介】
どうしたものかなぁ……。 働いたり、結婚したり、出産したり、離婚したり……、バタバタと歳を重ねているうちに、気づいたら、あの問題がやってきた!? それは、待ったナシの、親たちの「老い」。 女性の人生に寄り添ってきた著者による、泣いて怒って笑って、大共感の連作小説。   父の死後、年下の男に奔ったサチの母。70歳で男に捨てられ戻ってきたけど、どうも様子がおかしい。「母、出戻る?」 元教師で真面目なマリの義父がどうやら惚けてしまった。夫に介護認定の相談をするも、頑として認めようとしない。「義父、探す?」 認知症と診断されたマドカの母を夫は引き取ろうと言ってくれた。でも、どうして息子を巻き込むのかと、義母はお冠で……。「母、歌う?」 ほか、「長兄、威張る?」「母、危うし?」「伯母たち、仲良く?」「母、見える?」「父、行きつ戻りつ?」全8編。誰もが避けて通れない「親」たちの老いというシリアスなテーマを、著者らしいユーモアを交えて綴る、大共感の連作小説。