「橘玲の中国私論 」
中国に関する資料、評論作品は数多くある。
それらを著者がピックアップして、要領よく紹介されている。
著者は中国各地を訪問しており、人脈も持っている。
体験談、現地で出会った人の話も紹介されていている。
日本企業で働く中国人の不満
P85
①給料が安い
②中国人を信用しない(「器が小さい」と)
③細かな規則が多すぎる
④無意味な残業を強制させられる
⑤根回しのような暗黙のルールがある
⑥年功序列で昇進・昇級のキャリアアップが遅い
⑦日本人は終身雇用だが中国人には雇用の保障がない
⑧日本人は高給だが、それに見合う仕事をしていない
中国人が日本の役所を見学に来た話
P90
“ほら、日本では役人が住民にぺこぺこ頭を下げてるでしょ。これがほんとうの役人の姿なのよ”
P130-132
人口経済学からすると、2020年頃、中国バブルは崩壊するのではないか、と。
実際、読んでみて。
第一次大戦後のパラダイムシフトについて
P230-231
野放図な植民地獲得(帝国主義)がこうした悲劇を生み出したとの反省点から、アメリカは植民地の放棄と民族自決を唱え、英仏などの戦勝国も現状維持に傾いた。
この「パラダイム転換」によって欧米列強は中国への態度を大きく変え、アメリカは満州国建設に反対し、イギリスも不平等条約の改定に応じるようになった。
もっとも第一次大戦後のパラダイムの転換は、英仏欄などの植民地利権には手をつけない不徹底なものだった。これが遅れて近代化した国々(ドイツ、日本、イタリア)の不満を生み、連合国(先行近代)と枢軸国(後進近代)のあいだで第二次大戦が勃発した。その終結によって帝国主義は全否定され、民族自決の新しい世界が始まったのだ。
P199
日中は隣国で、いまさら戦争をするわけにはいかない。友好以外の選択肢はないということは、両国民の対多数が同意するだろう。だとすれば今必要なのは、お互いのナショナリズムを認めつつ偏狭なナショナリズムから自由になることだ。
P211-212
江沢民(チアン・ツーミン)
胡錦濤(フー・チンタオ)
習近平(シー・チンピン)Xi JInping
毛沢東(マオ・ツォートン)Mao Zedong
【ネット上の紹介】
世界史上稀な鬼城-ゴーストタウン-を生み出した中国人とはどんなひとたちなのか? 橘玲が旅した驚きから考察した新中国論。「なぜ中国人はひとを信用しないのか」「なぜ中国にはヤクザがいないのか」「なぜ反日なのか」。中国人と中国社会の根底にある深い闇を暴いた!中国10大鬼城-ゴーストタウン-観光案内付き
巻頭特集 中国10大鬼城観光(内モンゴル自治区オルドス―“廃墟都市”観光のメッカ中国の不動産バブルがよく分かる
天津・浜海新区―日本からのアクセスが最良!北京から日帰り見学も可能 ほか)
1 中国人という体験(ひとが多すぎる社会
幇とグワンシ ほか)
2 現代の錬金術(経済成長を生んだゴールドラッシュ
鬼城と裏マネー ほか)
3 反日と戦争責任(中国のナショナリズム
謝罪と許し ほか)
4 民主化したいけどできない中国(理想と愚民主義
北京コンセンサス ほか)