「黒島の女たち」城戸久枝
1945年、特攻隊は鹿児島の知覧、鹿屋、串良の飛行場から、沖縄目指して飛び立った。
しかし、全ての飛行機が沖縄に到着した訳ではない。
整備不良から、途中で墜落し、そのうち何人かが黒島に漂着する。
生き残った特攻隊員たちと黒島の人々との交流を描いたノンフィクション。
【感想】
城戸久枝さんと言えば、「あの戦争から遠く離れて」が有名。
私も読んだが、内容の濃い、素晴らしい作品だった。
本作は、それと比較するとイマイチ。
なぜなら、本来の内容は1章と2章で完了してしまうから。
残り6章まで、映画監督・小林広司さんとちえみさんの話に移行する。
それはそれで、読ませるんだけど…本筋はどうなったの?、と。
思い入れは強くても、作品としての完成度は低い。
【おまけ】
黒島という名の島はは日本中にある。
有名なのは、沖縄八重山諸島の「ハートアイランド」。
本作の黒島は、鹿児島・薩摩半島の南70kmにある島の事である。
小林広司さんの「黒島を忘れない」を先に読みべきだったかもしれない。
【参考リンク】
黒島について | 鹿児島県三島村
三島村ホームページ
黒島を忘れない 公式サイト
【ネット上の紹介】
1945年、春。6人の特攻隊員が、この島に不時着した。けんめいな介抱によって、いのちを救われた。あれから70年が過ぎて、いまでも交流は続いている。老いもあって、きずなは途絶える。記憶は風化される。それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる。
プロローグ 船上にて
第1章 黒島の物語
第2章 黒島の長い一日
インターミッション 忘れられた島―
第3章 明るい母子家庭
第4章 サクラの家
インターミッション 最後の日
第5章 花になる
第6章 戦争を語り継ぐということ
エピローグ 忘れられない島