「世界史の中の昭和史」半藤一利
世界史との関連で昭和史を見なおそう、って企画。
20世紀には特筆すべき悪人が2人いる。
ヒトラーとスターリンである。
この2人に焦点を当てながら昭和史を考える。
レーニンの遺書
P15-16
「スターリンは粗暴すぎる。そして、この欠点は、われわれ共産主義者の間では十分我慢できるものであるが、書記長の職務にあっては我慢できないものとなる」
スターリンの言葉
P18
「1人の人間が死ぬときは悲劇だ。何万人の人間が死ぬときは統計だ」
三国同盟について、野上弥生子の言葉
P327
「英米の代わりに独伊というダンナもちになって、十年後にはどんな目に逢うか。国民こそいい面の皮である」
三国同盟について半藤一利さんのコメント
P330
軍事同盟というものの恐ろしさがここにある。そもそも軍事同盟とは仮想敵国を想定しないことには成立しないものである。その「仮想」であるはずの敵国が、情勢の展開のなかで、いつ「真性」に転化するかわからない、というリスクを軍事同盟はいつも背負っている。日独伊三国同盟からわれわれが学ばなければならない教訓はそこにあると考えている。
海軍大将米内光政覚書より…松岡洋右への評
P353
「物事を客観的に判断しないで、自分の主観を絶対に正しいと妄信するから危険である」
【おまけ】
読んでいて感じたのは、松岡と近衛がいなかったら、もう少しマシな舵取りができたのではないか、と言うこと。
読むのにたっぷり1週間かかった。
【ネット上の紹介】
プロローグ 歴史の皮肉と大いなる夢想―長い探偵報告のはじめに
第1話 摂政裕仁親王の五年間―大正から昭和へ
第2話 満洲事変を中心にして―昭和五年~八年
第3話 日独防共協定そして盧溝橋事件―昭和九年~十二年
第4話 二つの「隔離」すべき国―昭和十二年~十三年
第5話 「複雑怪奇」と世界大戦勃発―昭和十四年
第6話 昭和史が世界史の主役に躍りでたとき―昭和十五年
第7話 「ニイタカヤマノボレ」への道―昭和十六年
エピローグ 「ソ連仲介」と「ベルリン拝見」―敗戦から現代へ