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「あきない世傳金と銀」(11)高田郁

2021年08月23日 07時42分34秒 | 読書(歴史/時代)

「あきない世傳金と銀」(11)高田郁

シリーズ11巻目、風待ち篇。
江戸に店を開いて9年。
前作で、菊栄が大阪から江戸にやってきている。
物語が華やかになった気がする。(結やお梅さんだけでは、少しもの足りない)

幸と結が久しぶりに出会う――結のセリフ
P81
「そないな目ぇで、見んといておくれやす。同情やったら、要りませんよって」
(中略)
「私を憐れに思うてはるのなら、いずれ悔いることになりますやろ」
(この関西弁の心地よさが、高田郁作品の大きな魅力)

P122
「勧進相撲て、女子には見せまへんのやろ。それに勧進どころか、私はお相撲をまともに見たことがおまへんのや。(後略)」

幸が音羽屋に言う
P216
「商いには浮き沈みがつきもの。音羽屋さんこそ、本両替商の株をお売りになられるのなら、ご相談くださいませ。日本橋音羽屋と合わせて、買い上げを検討させて頂きますので」(冗談とは言え、幸の気概を感じる・・・なんとも豪気である)

【ネット上の紹介】
湯上りの身拭いにすぎなかった「湯帷子」を、夕涼みや寛ぎ着としての「浴衣」に──そんな思いから売り出した五鈴屋の藍染め浴衣地は、江戸中の支持を集めた。店主の幸は「一時の流行りで終らせないためにはどうすべきか」を考え続ける。折しも宝暦十年、辰の年。かねてよりの予言通り、江戸の街を災禍が襲う。困難を極める状況の中で、「買うての幸い、売っての幸せ」を貫くため、幸のくだす決断とは何か。大海に出るために、風を信じて帆を上げる五鈴屋の主従と仲間たちの奮闘を描く、シリーズ第十一弾!!