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「花だより みをつくし料理帖 特別巻 」高田郁

2018年09月05日 19時54分48秒 | 読書(小説/日本)


「花だより みをつくし料理帖 特別巻 」高田郁

シリーズ完結後の特別巻。
4篇収録されている。
花だより
涼風あり
秋燕
月の船を漕ぐ

①「花だより」は、つる家の旦那・種市、坂村堂、戯作者・清右衛門の3人が大坂に向かおうと旅に出る話。
②「涼風あり」は、御膳奉行の小野寺数馬と妻・乙緒との生活が描かれる。
③「秋燕」は、舞台が大坂に移動。大坂での野江の暮らしぶり。
④「月の船を漕ぐ」も大坂が舞台。源斉が病に倒れる。食欲がなくなり、澪もどう対処したものか途方に暮れる。夫婦の絆にも微妙に亀裂が…。

私は②が面白く感じた。
p148
「お前と俺は似ている。実に似ている」
 何を考え、どんな感情を抱こうと、周囲にそれと悟られぬよう振る舞う。他人に誤解されたとて一向に意に介さず、言葉を尽くして理解されようと思わない。似た者同士だから乙緒もそうなのだ、と決めてかかっていた。

著者あとがき【みをつくし瓦版】
続編の予定はあるか、との質問に対して
(前略)名残惜しいのは私も同じですが、この特別巻ののちは、皆さまのお心の中を、澪たちの住まいとさせてくださいませ。
(中略)
シリーズは完結しましたが、辛い時、悲しい時、試練の時に、澪たちがあなたの人生の伴走者となれますように。

【ネット上の紹介】
澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。 店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。 澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。 あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋(しゅう)燕(えん)」。 澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。 シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!

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