【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

ロープが切れる時

2017年05月15日 12時32分00秒 | クライミング(広報)

普段、ロープは切れない、と思ってトライしている。
でも、切れる時は切れる。
漫然と、習慣と惰性で登ってはいけない、という教訓だ。
(どう落ちるかという状況判断が必要…ローブは「氷壁」の時代から鋭角に弱いのだ)

【動画】ミッチェル・カミナチ、フォールの際にロープが切れてグ..
(climbing-net掲載の衝撃映像である)


「僕らが毎日やっている最強の読み方 」池上彰/佐藤優

2017年05月14日 01時32分28秒 | 読書(対談/鼎談)


「僕らが毎日やっている最強の読み方 」池上彰/佐藤優

現在、日本を代表する知識人2人による「読み方」公開。
情報収集、処理、判断、現代を生き抜く武器としての読書スキル。
貯め込むだけだと「教養オタク」だから。(クイズ番組には強くなれるか)
2人ともインプットには相当な時間、労力、金をかけている。
同じように出来ないけれど、効率よいテクニックは得るところが多い。

各社の新聞について
P42
NHK籾井会長の就任会見に対する、各社の紙面構成がまったく違ったんです。籾井会長は、いわゆる従軍慰安婦問題について自説をとうとうと述べ、「政府が右と言うものを左というわけにはいかない」と言ってのけた。これを大きな問題だと捉えて記事にした新聞と、問題にしなかった新聞にはっきり分かれました。

P78
新聞はあくまで「飛ばし読み」が基本です。朝刊の文字数はおよそ20万文字といわれていて、書籍にすれば新書約2冊分。
(中略)
「見出しを見て、読むかどうか迷った記事は読まない」

佐藤さんの趣味発言
P103
本当に好きなジャンルの雑誌は、きちんと定期購読して紙で読んでいます。
「ねこのきもち」「猫びより」「ねこ新聞」

ねこのきもち/公式サイト - benesse.ne.jp‎
公式サイト・月刊「ねこ新聞」
猫びより公式サイト ちょっとお洒落な大人のねこマガジン 2012年7月

P122
『中央公論』は、親会社の『読売新聞』と一体化していて「安倍政権の機関誌」という側面があるので、現政権の意向をより深く知るためには、すごくいい媒体です。

「のらくろ」の後日譚について
P131
佐藤 今度は仕事がなくなり、用心棒や私立探偵など、いろいろヤバめの仕事に手を染めるんです。
池上 『のらくろ』にそんな後日談があるんですか。
佐藤 一方、ブル連隊長はブル商事株式会社の社長としてブルジョアに、モール中隊長は市会議員になっているんですね。しかし、のらくろだけは職を転々としながら、いろいろな仕事で散々な目にあうんです。紆余曲折を経て、最終的に喫茶店の店主としてやっていくんですが。


「失敗の本質」について
P132-133
池上 あれを読むと、日本の組織というのは昔も今もまったく変わらない、つまり陸軍海軍が現代の官僚や役所と同じだったことがよくわかります。
佐藤 続編の「組織の不条理」もあわせて読むといいですね。結局、組織というのは、抜本的な改革はできないことがわかります。私が常々「組織と闘うな」と言う理由のひとつでもあります。「半沢直樹」が流行りましたが、あれを現実でやったら即破滅ですよ。ファンタジーを真に受けると、ひどい目にあいます。


P267
ビジネスパーソンにぜひ手にとってほしいのは、「公民」と「歴史」、それから「国語」と「英語」の教科書です。




【資料】





https://www.foreignaffairsj.co.jp/

【ネット上の紹介】
2人の読み方「最新の全スキル」が1冊に。「普通の人ができる方法」をやさしく具体的に解説。重要ポイントがすぐわかり、読みやすく、記憶に残る。具体的な新聞・雑誌リスト、おすすめサイト・書籍を紹介。2人の仕事グッズも完全公開。見るだけで参考になる!
序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
第1章 僕らの新聞の読み方―どの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで
第2章 僕らの雑誌の読み方―週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
第3章 僕らのネットの使い方―上級者のメディアをどう使いこなすか
第4章 僕らの書籍の読み方―速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで
第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方―基礎知識をいっきに強化する
特別付録(「人から情報を得る」7つの極意
本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」リスト
池上×佐藤式70+7の極意を一挙公開!)


「氷の靴 ガラスの靴」(1)荻原規子

2017年05月13日 07時46分15秒 | 読書(小説/日本)

小説屋sari-sari 2017年5月号 
「氷の靴 ガラスの靴」(1)荻原規子

KADOKAWA電子書籍「小説屋sari-sari」5月号
「RDG レッドデータガール」スピンオフの連載が始まった。

今まで、電子書籍を読んだことがない。
紙媒体に比べて、画面が光ったりで読みにくい。
でも、気になるのでフォローしていく。
小説屋sari-sari | 電子書籍ストア-BOOK WALKER
(試し読みできる)

宗田真響の視点から描かれる。
あちこちに気を配り、1人でカリカリしているのが分かる。
今までにない楽しさを感じる。


「これは経費で落ちません! 」青木祐子

2017年05月11日 19時11分18秒 | 読書(小説/日本)


「これは経費で落ちません! 」青木祐子

経理課・森若沙名子を中心としたオフィスの人間模様を描いた小説。
このところ、明るく軽い作品を読んでいなかったので、楽しめた。
本作品の魅力は、ヒロインの森若さん。
人間関係が淡泊で真面目。
周囲とは、常に一定の距離をおいている。
会社の飲み会にも出ず、女子会も合コンも参加せず。
それでも、面倒ごとに巻き込まれてしまい、人助けをする。
こんな地味なキャラクターで人気が出るのだろうか、と思うが、
意外と共感をよんでいるように感じる。
疲れたときに読んでみてはいかがでしょうか?

【ネット上の紹介
森若沙名子、27歳、経理一筋5年。きっちりと働き、適正な給料は自分のために使う。完璧な生活、のはずだった。だがその日、営業部のエースが持ってきた領収書「4800円、たこ焼き代」が波乱を呼び…!?


「永遠の旅行者」橘玲

2017年05月10日 22時07分41秒 | 読書(小説/日本)


「永遠の旅行者」橘玲

「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」
そんな事が可能なのか?
橘玲氏の小説を読むのは、これで3作目。
「マネーロンダリング」→「タックスヘイヴン」→「永遠の旅行者」
ハワイ、日本、ニューヨークを舞台に物語が展開する。
今回も楽しめた。

P80
アメリカのグリーンカードは労働許可証のついた期間無制限のビザ(永住権)であり、市民権とは異なる。市民権は国民の生得の権利であり、国家がそれを奪うことはできないが、永住権は国家が与えた権利なので、好きなときに取り上げることができる。

P83
居住者と見なされる滞在日数は、アメリカを含む多くの国が一年の内半年程度としている。したがって、理屈のうえではすくなくとも三つの国を順番に移動すれば、どの国の居住者にもならず、どの国にも合法的に税金を納めなくてもいい立場が手に入る。これが「永遠の旅行者(Pepetual Traveler)」で、その頭文字をとってPTと呼ばれる。

P39
1人100万円を超える現金および現金等価物を国外に持ち出す場合は出国時に税関での届け出が必要とされており、TCの場合も、ほとんどの金融機関は購入金額が100万円を超えると本人確認を要求する。(以前、120万円をTCにしたけど、特にトラブルはなかった…昔はよかった?ちなみにTCとは、トラベラーズチェックの事で、2014年3月31日で販売終了。私は、いまだにフランのTCを所持しているが、ユーロになった今は、換金不可…パリの中央銀行に行ったらOKかも?)

P15
ビザ免除でアメリカに入国する場合、滞在期間は90日以内と定められており、年間の総滞在日数も180日を超えることはできない。(ESTAのことを言っている。2001年の9.11同時多発テロを契機にできた制度で、ネット上から個人情報を入力し、14ドルを払って取得しておかないと米国に入国できない。一度の滞在期間は90日だけど、さらに滞在しようとすると、問題が出て来る。即ち183日ルールである…なぜこんなことにこだわるかと言うと、以前、商業ビザを取ろうとした事があるから。マレーシアやインドネシアのビザの段取りをしたことがあるので、アメリカも大丈夫だろう、と。ところが、テロの影響か、ハードルがあった。例えば、所在地USA企業との契約書が必要。その中で、日本の技術者を米国にある会社の社員の教育のために招聘すると言った文言を明記しておく必要がある。日本にある本社との契約だと、本社と米国の会社との因果関係を証明する文書が必要。また、給料は日本の会社から支払われる必要がある…まぁ、それ以外にも色々あって、断念。客先の了解を得て、ESTAで行ってもらった。アメリカは日本人に来て欲しくないのかと頭にきた。あーあ)
出張者の所得税の基本 ~183日ルール アメリカの個人所得税|アメリカ
グロスアップの基礎知識 6 (滞在日数)- 給与計算アウトソーシング・委

【重要】
文庫本の解説を書かれているのが牛島信という弁護士・作家、である。
この解説を読んではいけない。
重要なネタをバラしているから。
解説から先に読む読者を想定していないのだろうか?
最低である。

【と言いながら】
と言いながら、私も本作品に関わる重要な事を書くので、未読の方はここから読まないように。
読んでいて、「シェイクスピア物語」を思い出したのだ。
戯曲のシェイクスピア作品を読みやすく「物語」にしたものである。
これを上梓したのが、メアリー・ラムとチャールズ・ラムの姉弟。
メアリー・ラムは、精神を患っていた。
発作を起こして母親を殺している。
しかしその後、メアリーは弟と一緒に「シェイクスピア物語」を執筆する。
(私の記憶では、おもにメアリーが喜劇、チャールズが悲劇を担当したと思う)
こうして、子どもを含めて多くの人たちに喜びを与えたのだ。
(チャールズは結婚を断念して姉の面倒をずっと見たそうだ)

【ネット上の紹介】
元弁護士・真鍋に、見知らぬ老人麻生から手紙が届く。「二十億の資産を息子ではなく孫に相続させたい。ただし一円も納税せずに」重態の麻生は余命わずか、息子悠介は百五十億の負債で失踪中、十六歳の孫まゆは朽ちた家に引きこもり、不審人物が跋扈する。そのとき、かつてシベリア抑留者だった麻生に殺人疑惑が浮上した―。


続報~第4戦

2017年05月08日 18時39分40秒 | クライミング(コンペ、国体)

続報~ボルダリング・ワールドカップ第4戦の記事~朝日新聞2017.5.8


ボルダリング・ワールドカップ第4戦

2017年05月07日 08時51分36秒 | クライミング(コンペ、国体)

ボルダリング・ワールドカップ第4戦の記事~朝日新聞2017.5.7朝刊


「 土漠の花 」月村了衛

2017年05月05日 18時45分28秒 | 読書(小説/日本)


「 土漠の花 」月村了衛

海外に派遣された自衛官たちの話。
墜落ヘリの捜索救助にあたっていたところに、氏族間抗争で命を狙われている女性が逃げ込んでくる。
保護したことから、武力抗争に巻き込まれてしまう。
圧倒的な自然の猛威、テロの脅威。
武器もなく地理も分からず基地に戻れるのか?

以前、この著者の作品を読んだが、
ディーテイルにこだわり、複雑な国際情勢を絡めて描いていた。→「機龍警察未亡旅団」月村了衛
本作でも、圧倒的な描写力を堪能できた。
2015年 第68回 日本推理作家協会賞受賞作品。
近未来にあり得る話かもしれない。

【ネット上の紹介】
ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!


ポンポン山▲678.9m

2017年05月04日 20時44分43秒 | 登山&アウトドア(関西)

久しぶりにポンポン山に登ってきた。

登山道は家族連れが多く、泣きながら歩いている子どももいた

本山寺

無事下山、鯉のぼりが出迎えてくれた
【資料】
駐車場(7:40分頃出発)-神峰山寺-川久保-水声の道-山頂(食事を兼ねて5分休憩)
-本山寺-神峰山寺-駐車場(12:00頃到着)
*本日は、水筒を忘れた…今後要注意(喉は渇かなかったので良かった)
*帰宅途中、店でチーズナンを食べる…けっこうな量、帰宅後、水分を摂取+プリン


「タックスヘイヴン」橘玲

2017年05月03日 10時39分31秒 | 読書(小説/日本)


「タックスヘイヴン」橘玲

先日読んだ「マネーロンダリング」が良かったので、
引き続き、本作も読んだが、前作に劣らず、面白かった。
「マネーロンダリング」では、香港を舞台に進行したが、
今回は、シンガポールを中心に韓国、タイ、ミャンマーと展開する。
シンガポールのホテルで、日本人が墜落死する。
その妻・紫帆が現地に駆けつけると、夫には現地妻と子どもがいたことが判明する。
物語の中心となるのは4人=紫帆と高校時代の友人・牧島とコバ、シンガポールの女刑事・アイリスだが、他にも個性的な脇役多数登場し、最後まで飽きさせない。
私は、前回と同等か、それ以上に楽しめた。

P48
日本の税法では、贈与を受けた側が税金を支払う。一方、アメリカの税法では税金を払うのは贈与した側だ。親が日本で子どもがアメリカにいると、日米いずれも納税義務を負う人間が非居住者になるので、結果的に、何百億贈与しても合法的に税金を一円も支払わずにすむのだ。日本法人のプライベートバンキング部門はこの“脱税指南”だけでとてつもない利益をあげ、日本人トップは巨額の報酬を得た

P223
日本国の税法は属地主義なので、原則として、日本国内に居住していなければ日本に税金を納める必要はない。だがこれではかんたんに贈与税・相続税を回避できてしまうので、2004年の租税特別措置法改正で、贈与者・授与者がともに5年以上海外に居住していなければ課税対象になることになった。(これに関しては先日読んだノンフィクション参照→「プライベートバンカー」清武英利

P67
「こちらの方がもっとわかりやすいかもしれませんね」
 それはスイスSG銀行のホームページに掲載された役員一覧で、上から三番目にエドワードが顔写真付きで紹介されていた。(この使い方は、少し違和感を感じる。日本では、ホームページとウエブサイトが、ほぼ同じ意味で用いられるが、実際は異なる。本来、ホームページはウエブサイトの表紙にあたる最初のページを指す)

P270
「そうなんや。でもなんか不安やなあ。晴美はしばらく黙ったままだった。「まあ、ええわ。わたしがいくら考えてもしゃあないし、花梨に訊いてみるわ。牧島さん、いつまで大阪におるん」(見事に大阪弁を駆使されているので感心した。ただ、ちょっと違和感を感じるのは晴美が「わたし」と言っている点。ここは、「うち」と言わせて欲しかった。実際、この後のページでは、晴美に「うち」と言わせている。ついでに言うと、最近の子どもは、アニメの影響か、標準語を話しアクセントも関東風になっている場合がある…残念なことだ)

【おまけ】
タックスヘイヴン:
「租税回避地」のこと。 外国資本&外貨獲得の為に、税金を優遇して、企業や富裕層の資産を誘致している国や地域。
tax は「税金」、 haven は「避難所」、すなわち「租税回避地」。
関連用語として「オフショア」がある。offshore「沖合」という意味。
本国以外での取引がオフショア取引。
オフショア取引が行われるのが、タックスヘイヴンというとこになる。(税金が高く、規制の多い場所で取引しても仕方ない)
…以上、本作品でにわか勉強。


【ネット上の紹介】
東南アジア最大のタックスヘイヴン、シンガポールのスイス系プライベートバンクから1000億円が消えた。日本人ファンドマネージャーは転落死、バンカーは失踪!マネーロンダリング、ODAマネー、原発輸出計画、北朝鮮の核開発、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ…。名門銀行が絶対に知られてはならない秘密とは?そして、すべてを操る男は誰だ?


「お家さん」玉岡かおる

2017年05月02日 19時31分41秒 | 読書(小説/日本)


「お家さん」玉岡かおる

上下2巻、読みごたえがあった。
明治女性の一代記。
かつて、鈴木商店は日本一の年商を上げた巨大商社だった。
そのトップが「お家さん」と呼ばれた鈴木よね。
鈴木商店の興亡とともに、よねと周辺の人々が描かれる。
台湾の実情、神戸の米騒動、関東大震災など、当時の世相を交えた近代史としても興味深い。
読んでおいて損はない作品だ。
途中で、血の繋がりはないが、よねの娘のような存在となる珠喜が登場する。
作品を引っ張る重要な人物で作品の魅力のひとつ。
著者は、歴史と資料を丹念に調べて書かれているが、
本作品の面白いところは、事実を膨らませて、色づけした箇所だ。
登場人物の感情表現は秀逸。
遠いはずの「明治」の人々が生き生きと描写される。

上巻P177
「今日よりは、こない呼ばしてもろてよろしおますか?」
訊きかえす間もなかった、彼はそのまま膝で三歩下がって、頭を下げた。
「おかみさん、ではのうて、“お家さん”と」
 それは古く、大阪商人の家に根づいた呼称であった。間口の小さいミセや振興の商売人など、小商いの女房ふぜいに用いることはできないが、土台も来歴も世間にそれと認められ、働く者たちのよりどころたる「家」を構えて、どこに逃げ隠れもできない商家の女主人にのみ許される呼び名である。

下巻P281
「欧米の言う近代文明いうんは、しょせん、こんなもんかもしれまへんな」
 実際、欧米人の近代文明いうんは、何億年もの間地底で眠り続けた化石たちを掘り出し、それを燃やして蒸気を起こし、そしてとほうもない熱と煙を放出させて大きなものを動かすというのんだす。それは日本の、大地や空気や空といった、神々の領域には影響せえへんやりかたとは、そもそも出発点を異にしとりますわな。

【おまけ…鈴木商店の流れをくむ会社】
鈴木商店は滅びたが、その関連企業、後継者たちは生き延びて日本経済を支え続けた。
帝人、神戸製鋼所、サッポロビール、昭和シェル、ダイセル…。
日商は岩井産業と合併、更にニチメンと合併、双日となる。

【参考リンク】
「鈴木商店記念館」

【ネット上の紹介】
大正から昭和の初め、鈴木商店は日本一の年商を上げ、ヨーロッパで一番名の知れた巨大商社だった。扱う品は砂糖や樟脳、繊維から鉄鋼、船舶にいたるまで、何もかも。その巨船の頂点に座したのは、ひとりの女子だった。妻でない、店員たちの将でもない。働く者たちの拠り所たる「家」を構えた商家の女主人のみに許される「お家さん」と呼ばれた鈴木よね。彼女がたびたび口にした「商売人がやらねばならない、ほんまの意味の文明開化」とは、まぼろしの商社・鈴木商店のトップとして生きた女が、その手で守ったものは…。激動の時代を描く感動の大河小説。


「ついに、来た?」群ようこ

2017年05月01日 20時04分47秒 | 読書(小説/日本)


「ついに、来た?」群ようこ

「老い」と「介護」をテーマにしたコメディタッチ短編集。
良くできている。共感しながらの一気読み。

例えば、第1話「母、出戻る?」では、父の死から始まる。
当時55歳の父が、自動車の自損事故で亡くなる。
母は53歳。
父の遺産分配が済んだ後、母が姿を消す。
手紙が残されていた。
「お母さんはしばらくいなくなります。心配しないでください。探さないでください。落ち着いたら連絡します。 トミコ」
なんと5歳年下の男性のもとに奔っていたのだ。
これで終わればよくある話。(よくあっても困るんだけど)
その後、年月が流れ、母が帰ってくる。
男が挨拶もせず母と荷物を家の前に置いていったのだ。
いったいどうなるのか?
こんな感じの作品が8編収録されている。

【おまけ】
途中で著者名を確認した。
あれ、平安寿子さんの作品だっけ?、と。
群ようこさんの作品でした。
ボケてどーする。(作品に共鳴しすぎ)

【ネット上の紹介】
どうしたものかなぁ……。 働いたり、結婚したり、出産したり、離婚したり……、バタバタと歳を重ねているうちに、気づいたら、あの問題がやってきた!? それは、待ったナシの、親たちの「老い」。 女性の人生に寄り添ってきた著者による、泣いて怒って笑って、大共感の連作小説。   父の死後、年下の男に奔ったサチの母。70歳で男に捨てられ戻ってきたけど、どうも様子がおかしい。「母、出戻る?」 元教師で真面目なマリの義父がどうやら惚けてしまった。夫に介護認定の相談をするも、頑として認めようとしない。「義父、探す?」 認知症と診断されたマドカの母を夫は引き取ろうと言ってくれた。でも、どうして息子を巻き込むのかと、義母はお冠で……。「母、歌う?」 ほか、「長兄、威張る?」「母、危うし?」「伯母たち、仲良く?」「母、見える?」「父、行きつ戻りつ?」全8編。誰もが避けて通れない「親」たちの老いというシリアスなテーマを、著者らしいユーモアを交えて綴る、大共感の連作小説。