危険なメソッド
2011年/イギリス=ドイツ=カナダ=スイス
‘霊媒師’としてのユングについて
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
本作が史実に忠実なものであるのかどうかはともかくとしても、ユングのキャラクターを考察する上においては有益な問題提起だと思う。既に精神分析学の第一人者となっていた ジークムント・フロイトが提唱していた「談話療法」によりフロイトの後継者と目されていたカール・グスタフ・ユングは新患であるザビーナ・シュピールラインの治療を試みるのであるが、ザビーナの精神疾患の原因を幼少の頃に父親から受けた性的虐待であると見なす。フロイトであるならばあくまでも‘科学的’に対処し、患者に対して言葉を紡ぐことで問題の解決を試みるはずであるが、患者の気持ちが分かり過ぎるユングは、 オットー・グロースの‘悪魔の囁き’も手伝ってザビーナの父親になりきってしまい、ザビーナと性的関係を持ち、彼女の父親がしていたように彼女の尻に鞭を打つことでザビーナが抱える問題を‘解決’する。
ユングがフロイトと対立することになる要因も、フロイトとフロイトの父親の関係を把握出来てしまうユングが、経済面でも人種においてもフロイトより優位に立ち、まるでフロイトに対してフロイトの父親のような振る舞いをして、フロイトの理論というよりもフロイトの父親のようにフロイトそのものを否定することになる。フロイトとユングが議論している最中にラップ音が鳴るところなどを見ると、ユングには精神科医としての才能以上に、‘霊媒師’としての才能を感じる。
しかしそのようなユングにザビーナが反旗を翻す。サビーナはユングに、フロイト宛に自分に関する‘正式’の手紙を出すように要請する。それはザビーナがユングという‘父親’から独立するという意味のみならず、‘パーソナル’に拘るユングから‘パブリック’にリビドーを捉えるフロイトを‘父親’に選ぶことになるのであるが、この時ザビーナは、リビドーを本能のエネルギーそのものだと明言し、性的なものに限定したフロイトに反対したことで、逆に自身の性癖を隠蔽しようとするユングのずるさを見出したように思う。ザビーナに去られてラストで途方に暮れているユングを見ると、どうやらユング本人は自分の特異な‘霊媒師’としての才能に気がついていないようである。
当選無効裁決のタレント市議、生活が擁立へ 埼玉4区(朝日新聞) - goo ニュース
12月1日のスポーツニッポンによるならば、国民の生活が第一の埼玉県連関係者は
30日、タレントで新座市議の立川明日香の擁立を断念したことを明らかにしたようだ。
出馬に向けて調整していたようだが、立川の方から28日に辞退の申し出があったらしい。
確かに立川は新座市選挙管理委員会から「選挙前は市内に居住実態がなく、被選挙権が
ない」として当選無効の裁決を下されたことを不服として、東京高裁へ裁決の取り消しを
求める訴えを起こしている最中の上に、離婚調停中でもあり、その上に衆議院議員選挙
運動を行う余裕などないはずで、埼玉県人ではないのかもしれない人を擁立しなければ
ならない国民の生活が第一はよっぽど人材が不足しているようだ。