ぼくたちのムッシュ・ラザール
2011年/カナダ
2人の女性の死について
総合 90点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
主人公のバシール・ラザールは、前任者の死亡により教師として採用されるのであるが、この女性教師のマルティーヌ・ラシャンスが教室内で自殺した原因が不明確であることで本作は評価が下がっているようである。しかしマルティーヌが自殺した原因よりも、自殺した彼女の後任を務めることになるバシールが、他方では妻が殺されており、この2人の女性の死をバシールがどのように受け止めるのかが問題として提起されているのである。
どちらの死も詳細に描かれることはないが、マルティーヌは校則に反して、良かれと思って担任のシモンを元気付けようとハグをしたことを拒まれ、自殺することになる。バシールの妻は母国アルジェリアのためを思って告発の本を書いたことが、ある組織の怒りを買って自宅を放火され2人の子供とともに焼死してしまい、バシールだけが難を逃れてカナダに亡命した。
バシールとしては妻と2人の子供たちの命を救うこともできず、自分だけが国外に逃げたことで自責の念に駆られているのであるが、裁判所で全てを告白することで異国で生きる決心をし、他方、バジールは教師であっても決して完璧な人間ではないことを示すために、バルザックの小説のような高尚さを放棄し、自身が作った寓話の文法を生徒たちに直させるのである。
学校と裁判所を組み合わせ、ただ反権力を論うのではなく生きる意味を問う演出が素晴らしい。
特別寄稿・江川紹子 選挙は終わった 安倍氏やマスコミに願うこと、自分が心がけること <衆院選・特別コラム>(gooニュース) - goo ニュース
やはり選挙結果は誰もが予想した通りに自民党の圧勝に終わった。いつものことながら
私が投票した候補者は落選していた。だから私の選挙権は効力を発揮したことが一度も
なく、それでも投票を欠かさない理由は、マツコ・デラックスの考えと同様に政治家に文句を
言いたいためなのである。選挙結果はともかくとして、寧ろ今回の選挙で楽しみにしていた
ことは最高裁裁判官の国民審査の結果の方である。一人くらい罷免されるのかと思いきや
何と全員信任されてしまっている。罷免を求める率が一番高い岡部喜代子でさえ8.60%
程度で、こんなに低くては誰も罷免になど出来ない。要するに何も書かなければ信任扱い
というやり方が問題であって、信任は丸印、罷免はバツ印、何も書かなければ無効票にでも
しなければ、最高裁裁判官の国民審査の形骸化は変わらないだろう。