青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

思案、貨物の未来

2016年03月18日 19時00分00秒 | JR(貨物)

(黄色い昼下がり@三岐鉄道保々車両区)

とりあえず四日市界隈で午前中を過ごし、それなりに撮れ高も稼いだので三岐に転戦してみました。まず向かったのは三岐鉄道の中心駅でもある保々。駅横の車両区に転がっている元西武組は相変わらずのラインナップで、みんな運転台下に補強用の鉄板が付いた西武スタイル。一昔前の萩山あたりの風景ってこんな感じじゃなかったかなあ。三岐の塗色はイエローに明るいオレンジが加わっていてビビッドなので、明るく華やかに見えるのがいいですね。


車庫の片隅に憩うED454。三岐の貨物を牽引するED45型は基本的には重連総括制御で運用されてますが、この車両は検査でも入っていたのか妙にピッカピカの状態で留置されていました。重量45tのD級電気だからED45というわっかりやすい形式が与えられていますが、当初は富山県の有峰ダム建設のために富山地鉄へ入線した経歴を持つ機関車だそうな。ダム工事が終わったら三岐に来るのは決まってたみたいだけどね。ダム建設と言えば岳南鉄道の主力電機だったED40も、元々は奈川渡ダムの建設に投入された松本電鉄の機関車だった経緯があったね。


ED454の後ろにはこれまたペッカペカに塗り上げられたワム229。たぶんこれ昔は建設現場で使われる袋詰めのセメントを運んでたヤツじゃないかと思うんだが。ワムハチがいなくなって今や懐かしの単軸の板バネ台車、有蓋車なのはもちろんセメントは水濡れ厳禁であるからなのだが、現在は救援車として災害や事故復旧のアイテムを積んでいるらしい。車籍が残っているかどうか不明だけど、見た目からして手入れが良く普通に走れそうです。


久々に三岐貨物を捕まえるために沿線へ展開、梅戸井の駅近くで3716レ。三岐貨物は富田方面行きが前パンになりますが、この日はED5081+5082のコンビ。この2機は元々東武鉄道の電機で、東武が貨物を止めた2003年に三岐鉄道へ移籍しました。その後紆余曲折があって2011年と2014年に三岐の機関車として再デビューしています。2003年から2011年まで何をしてたって話ですが、休車扱いにして車籍を延命する意味合いでもあったんだろうか。


保々の停車時間で先回りして、山城と保々の間の田園地帯でもう一枚。東芝製のED5080型は三岐生え抜きのED45(東洋電機製造製)とメーカーは違えど、どちらも同じ45t機。サイズ感にいかにもな私鉄電機っぽさが漂います。ED5080型のほうがやや角ばったスタイルでシャープな印象かなあと感じるくらいで、どちらもスタイルとしてはよく似ていて兄弟機のような印象。


こちらは生え抜きのED456+ED453。セメントの粉末で白く汚れた返空タキを連ねて東藤原へ向かいます。三岐の機関車は東武からの移籍組であるED5080型が1970年代の製造である他は、基本的に1950年代から60年代初頭の製造で、色々なメンテナンスはされていてもかなり高齢になっている事は否めません。

現状レギュラーで3~5往復のセメント便と、衣浦臨海からの炭カル/フライアッシュ便がある訳ですが、荷主である親会社(太平洋セメント)としてはどこまで鉄道での貨物輸送を続けるつもりなのか聞いてみたくはある。正直ED45の後継機関車を用意するほどの設備投資をするとは思えず、となるとセメント関係の鉄道輸送も現在所属する機関車の寿命が尽きるまでの話なのではないかと将来を案じてしまうのだが…
コメント
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