青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

齢八十年の古豪。

2021年10月07日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(空色の路面電車@電気ビル前~桜橋)

電気ビル前を行く、市内線の8000形。とあるライトノベルの広告車になっていて、空色のカラーリングに変身しています。南富山から富山駅前を通り、安野屋から富山大橋を渡って大学前まで。正直なところ、沿道の雰囲気とかにこれといってポイントになるようなシーンの少ない富山市内線ではありますが、その中ではこの富山電気ビルをバックにしたアングルは目を引きます。富山電気ビルは、昭和初期に当時の日本海電力(現:北陸電力)の本社ビルとして建設されたもので、電力会社の本社としてだけではなく、富山の迎賓館的なしつらえを備えたホテルやホールを併設した、当時としてはとても立派な建造物だったそうです。建設から80年を経てもそのデザインは古さを感じさせず、威風堂々。シックなベージュのタイル張りの見た目と、高楼に付いた丸窓がお洒落ですね。

富山の歴史は、近代は黒部や立山の電源開発の歴史と言っても過言ではありません。黒部川流域の開発に着手した関西電力に対し、常願寺川の開発に尽力したのが北陸電力。知名度は圧倒的に黒部ダムですが、北陸電力も県営事業を引き継いで常願寺川上流に有峰ダムを完成させ、富山平野の電力供給と治水に大きく貢献しました。


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