(西上州を下る@上州福島駅)
朝の通勤通学が終わった時間帯の列車、しかも下仁田行きの下り電車なので、車内は閑散。高崎を出て烏川を渡り、高崎商科大学前と山名、吉井辺りまでで大半の乗客は下車して行ってしまった。上州福島で上下列車の交換待ち。外の空気を吸いにホームに降りると、趣のある木造の駅舎の向こうに「マンナンライフ」の工場の看板が見える。こんにゃくと、こんにゃく粉を使った食品加工産業は、製糸業が衰退して以降の西上州の主力産業。食品としてのこんにゃくよりも、最近はゼリーや主成分のグルコマンナンを使ったダイエット食品の需要の方が多いのかな。ともあれ、マンナンライフと言えば「蒟蒻畑」。あの独特の食感とフルーティーな味わいにファンも多いとか。
なんとなくだけど、地方私鉄の少し小ぶりな電車に乗る時は、連結された部分の座席に座るのが好きだ。ロングシートに腰掛けて、横窓から揺れ動く連結面を見つめる。デハとクハ、手に手を取っての西上州の旅路、梅雨空の雲間から差し込む一瞬の日射しに浮かぶ陰陽。下仁田行きなんですが、連結面の幕は【高崎-上州富岡】の区間運転幕でした。
僅かな客が上州富岡で降りると、あとは自分と下仁田まで帰るおばあちゃんが乗車しているだけの2両編成の車内。少しだけ冷房が入っているような入っていないような微妙な空調。大してスピードも出していないのに、とにかく左に右にガタピシと揺れる車内に、蒸し暑い西上州の梅雨の空気だけが漂っています。
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