青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

鉄道の日

2019年10月14日 23時00分00秒 | 日常

(新幹線E7系@長野駅)

本日10月14日は鉄道の日、という事で、この三連休は全国各地で様々な鉄道のイベントが開催を予定されていました。しかしながら、関東甲信越から東北を襲った台風19号の襲来によって、とてもお祝いムードでは迎える事は出来なくなってしまいました。前回の15号が風台風だったので、どちらかといえば自分も暴風の被害を脅威と捉えていたフシもあったのですが、土曜日未明から我が家でも屋根を叩きつけるような雨。それでも、陸地に接近すれば勢力の衰えと偏西風によって台風の速度が上がり遠ざかって行くのが今までのパターンだったのですが、八丈島付近からダラダラと時速30km程度で接近し上陸後も全くそのスピードが上がらず、伊豆半島から箱根丹沢関東山地、そして日光那須福島方面の山塊に暖かく湿った空気がぶつかり続けました。その結果、土曜日から日曜日のまる一日以上をかけて非常に強い雨が降り続いたという猛烈な雨台風でした。

関東甲信越一円の豪雨災害はいずれも多数の人的被害を出していますが、長野県の千曲川流域における堤防の決壊と広範囲の浸水が特に被害が大きいようです。とりわけ浸水地域にあった北陸新幹線の長野新幹線車両所が、最新の新幹線であるE7/W7系10編成120両もろとも水没してしまったという映像は、台風一過の秋晴れだった日曜日の朝に衝撃的な映像として網膜に突き刺さって来ました。近年の自然災害の被害の甚大なことが、本来であれば台風被害とは無縁だったはずの信州も飲み込んでしまった事、個人的にも長野近郊の訪れた場所や見覚えある風景が泥水で変わり果ててしまった姿には、何とも言えない気持ちがあります。


長野市内に限らず、東信では千曲川の赤い鉄橋が落橋してしまった上田電鉄の別所線も大きな被害を出しました。こういった地方ローカル線は、大規模な災害による設備損壊が命取りとなりかねない事情があります。それでも、別所線は地元の足として沿線の住民が存続の運動に強い意欲を持って取り組んでいるイメージがありますし、何といっても分社化されたとはいえ東急グループの一員。地方自治体からの支援と併せ、迅速な復旧作業を願いたいと思います。春まで通った飯山線も、飯山市街や津南方面で洪水被害が出ているようで、もともとそう地盤の強いところを走っていないだけに、被害状況が案じられますが・・・

そして、ふと自分の地元を見れば、小田急は渋沢~新松田間の四十八瀬川による道床洗堀、そして箱根登山鉄道の湯本から上は、複数の土砂崩れや沢水による土砂の流れ込みによってズタズタにやられていた。どうやら小涌谷の蛇骨(じゃこつ)川の鉄橋が土砂とともに押し流されているようだ。台風の通過と並行して箱根の雨量を追っ掛けてたんだけど、時間70ミリくらいの雨量が一日中続いていて、これはヤバいなと思っていたのだが案の定であった。箱根の48時間雨量が1000ミリ超えとか信じられない数字だ。小田急はともかく、登山線の復旧は被害の規模が大き過ぎて現状見通しが全く立っておらず、かなりの長期戦を覚悟しなければならないだろう。登山線の途絶は箱根の観光に甚大な影響を与える事が必至で、沿線のホテルや旅館(特に宮ノ下・強羅周辺)はこの秋の観光需要をかなり逸失したに等しいのではないか。

個人的には、登山線の旧型を最後の紅葉シーズンで撮る事がおそらく叶わないであろう事が残念でならない。自然災害の前に趣味の話などするべきではないのかもしれないが・・・。被災された方々と被災された鉄道会社にお見舞いを申し上げるとともに、まだ被害の状況も錯綜する段階ではありますので、ご自愛くださいますよう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トワイライト・デルタ | トップ | 開発、中秋の名月 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日常」カテゴリの最新記事