青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

こっそり愛でる希少価値

2018年02月10日 23時00分00秒 | 秩父鉄道

(石炭ホキ三ヶ尻便@デキ103)

扇町から熊タまでは20両。そして熊タで10両ずつに切り分け、一旦武川に引き込んでから三ヶ尻の熊谷工場へ届けられるホキ10000による石炭便。この日の担当はデキ103。ヒサシガマ(デキ108)来い!と思っていたのですが、どうやら松尾のヒサシは甲種輸送の任に就いているようです。


何度も書きますけど、秩父鉄道の機関車たちはまず間違いなくピカピカに磨き上げられていて、すこぶる丁寧に扱われているところが良い。青空の下の空色の機関車、裾をキリっと締めるホワイトのラインもいいアクセント。ブリルのエッセンスを残した古典的な棒台枠の台車もポイント高いですね。


武川を出発して、三ヶ尻線への渡り線へ進入する704レ。ホキ10000という私有貨車が使われている事と、日本唯一の「石炭列車」である事。その希少価値は高いはずですが、どうにもその存在は地味。でも、地味でいいんです。北関東の冬の青空の下で繰り広げられる私鉄のD級電機と大柄な私有貨車の組み合わせを愛でる楽しみは、こんな記事で大きな声で語らなくても、好きな人がひっそり楽しんでいればいいと思います(笑)。
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さらば東線のクイーン

2018年02月09日 22時36分12秒 | 中央東線

(小仏シュプール@E351系スーパーあずさ14号)

先日、雪の裏高尾詣での際に撮影したE351のスーパーあずさ。割とE353にカメラを向ける勢が多い印象で、雪の裏高尾に集まったコアなおっさん連中には、この3月で引退だと聞いても「正直撮り飽きてるからね~!」というような感想が多数を占めるのであった。あと、白と薄いパープルという悪く言えばはっきりしない色味があまり好みではないという意見もありまして、改めて葬式鉄をしているような人もさほどない感じだったのが多分に忍びないのであります。


線形が悪くてスピードの出しにくい中央東線で、速達性を高めるために導入された制御付きの振り子式車両。この車両を撮影するなら、やはりストレートよりはバンクが付くカーブで撮ってあげたいもの。個人的には7~8年前の冬にバリ晴れの長坂のカーブでピカピカの八ヶ岳と撮影したなんかの図鑑の表紙絵のようなスーパーあずさを撮った事が思い出に残っている。


平成5年デビューだなんてついこないだの事でしょ!なんて思っていた車両でも、平成も30年経てば容赦なく過去帳に入って行く。さよならだけが人生だ…ではないけれど、そうそうこれこれ。フォルダの奥の方に眠っていた東線のクイーンの優美な姿は、お別れの季節が過ぎても、決して色褪せることはありません。
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単焦点の愉悦

2018年02月07日 21時38分13秒 | JR(貨物)

(軽い!明るい!写りがいい!@新鶴見小倉陸橋)

先日、横浜のビックカメラのレンズ売り場でショーウインドウのトランペットを眺める少年かのように買おうか買うまいか迷っていたレンズ。そこでは結局買わなかったんだけど、家に帰ってAmazon見たらビックカメラのお値段よりさらに安くそのレンズが出ていたので秒でポチってしまった。いや、そんなに高くない単焦点レンズなんだけど、そもそもテツやるのに長タマでもない単焦点レンズ買っても使う場所ないんじゃないの?という思いもありましてね。なかなか踏ん切りがつかなかったのですよ。


買ってから試し撮りしそびれてたんだけど、先日新鶴見の小倉陸橋で使ってみました。まーインプレッションにもいの一番に出て来るんだけど、とにかく軽いよね。大げさに言えばレンズ付けてる気がしない。あと、当たり前なのですが構図を追い込むと言う事が極めてしにくいので、ある程度自由に動けるキャパの広い撮影地向きであると言う事か。


それでも、F1.8とかまで開放出来るので、ちょっと絞っただけで極めてキレのいいカリカリ感が小気味いいですな。もちろんその明るさを武器にバルブとかやるのも楽しそうだし、持っててかさばらないので使える場面では積極的に使って行きたいレンズですね。PFに牽かれたタキのエメラルドグリーンが眩しいぜ。
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さすが秩父のロイヤルエンジン

2018年02月06日 19時51分56秒 | 秩父鉄道

(秩鉄の貨物の要衝@武川駅)

秩父鉄道のSLこと「パレオエクスプレス」は、12月初旬で運行を終えて冬休みに入ります。SLのない時期の秩父鉄道の沿線は、鉱石貨物をじっくり楽しむのには実にいい時期。そんなこんなで「冬場の秩父デキ」を愛でるタイミングを伺っておりましたが、折しも普段はSLを広瀬川原の駅から熊谷の駅までエスコートするのが主な役目となっている裏方のデキ201が、ヒマを持て余したのか本線で貨物の本務機に就いているとの報が。SL運休期間にはままある事らしいのですが、ちょっくら武川まで見に行ってきました。


朝から東武70000系甲種とかあって賑やかだった沿線。とりあえず運用を見るにはカマの基地である武川の駅が一番いい。広瀬川原にはおらず、武川の留置線にもデキ201の姿は見えなかったので、どっかには出ているんだろうなという見当。朝の影森便か、それとも武州原谷か、三ヶ尻からの石炭便か…と思案していると、三ヶ尻線からデキ201が二丁パンタをブリブリにかざしながら、7403レで返空ヲキを牽引してやって来ました。おおお、さすが秩父のロイヤルエンジン、カッコいいですなあ…。


7403レを追い掛けて樋口駅先のストレートへ。順光の中で、漆器を思わせる丹色と裾に引かれたゴールドのラインの車体がひときわ引き立ちます。デキ200シリーズは「L型軸梁式」という変態的な台車がまた最高にカッコ良いのですが、三岐へ譲渡された2両は既になく、現存する車両はこのデキ201ただ1両のみとなっています。多くのファンを集めた樋口ストレート、いつもは羽生側しか上げないパンタも、冬場の離線対策で両パン上げになるこの時期がまさに秩父デキの旬。吊り掛けの音も重々しく、デキ201とヲキ20車の行進です。
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白銀の裏高尾

2018年02月04日 17時00分00秒 | 中央東線

(東京のチベット…?@八王子市裏高尾町)

金曜日、関東はこの冬二回目の雪になったのですが、またしても雪の日に年休を取得している自分。子供の送り迎えの役目以外はさしたる用事もござんせんでしたが、子供が学校行っている時間の間合い運用ってことでちょっくら裏高尾のお立ち台へ顔を出してみました。西浅川の交差点を曲がって旧甲州街道に入ると、駒木野の病院を過ぎたあたりからめっきり雪が深くなり、お立ち台では見事な雪景色。裏高尾の山並みを覆う白銀のヴェールは、先々週の越後妻有に負けてません。いやいや、今年の自分の雪運は結構なもんだ(笑)。


里は前回の雪ほどは積もりませんでしたけど、冬の関東に南低が来た時の八王子は豪雪地帯。奥多摩町は別格としても、関東山地の東麓に当たる八王子市の山間部は相当に降雪量の多いところ。E257かいじ103号が武田菱も鮮やかに裏高尾を小仏へ向かって登って行きます。風林火山の幟り旗を立てて、勇ましき甲州軍の進軍といったところでしょうか。


ここ裏高尾まで、平日の午前中に集まったアタクシを含むモノ好きな方々。さすがにリタイアしたシニア層中心でしたが、たまたま並んで撮影した同年輩の方とは色々と話が弾んでしまった。個人的にはあんまり趣味で仲間のいる方ではないので、こういう撮影地での趣味における同志の方とのお話というのは活力になります。


クルマで、オフロードバイクで、バスで、そして駅からの歩きで。アプローチは様々なマニアたちが待ち受けるのは、国鉄特急色を保持する189系M51編成(豊田車両センター)で運行される臨時快速富士山。中央東線を中心に、行楽臨への充当などで関東の波動輸送を担って来た豊田の189系。先日のM50編成の引退に続いて、平成30年3月のダイヤ改正では今まで土日を中心に定期運用に就いていた「ホリデー快速富士山」および金曜日運行の「快速富士山」からの撤退が発表されています。

M50編成の代わりに豊田車セにやって来たのが、余剰がささやかれる房総特急に充当されていた幕張のE257系ということで、いよいよかという思いをされた方も多かったのではないでしょうか。色々な状況証拠を積み上げなくとも、残された時間の極めて僅かな事は論を待たないところでありましょう。白銀の裏高尾を往く国鉄色、最後の雪景色…かも。
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