(秋桜の中を@下立口~浦山間)
内山で折り返した工臨のハンドル訓練列車。返しはどこで撮ろうかと考えるのも面倒臭く、さっきの浦山付近のストレートでお手軽に。運転のハンドルを握るのは先程内山でお見掛けした若手の運転士氏。大きな屋根の立派な農家がいかにも持ち家率ナンバー1の富山らしいですな。デキの通過風で、線路端の秋桜も揺れる。
秋の爽やかな風吹く黒部耕土を、大きなパンタグラフを掲げて気持ちよさそうにデキ+ホキ編成のクルージング。これから稲荷町のいつものねぐらまでゆっくりと帰って行くのでありましょう。追っ掛けようかなあとも思ったんだけど、全くダイヤが分からないのでひとまずはここで見送ることに。もうちょっと黒部線界隈で撮ってみたいのもあったしね。
朝は雲一つない秋晴れだった越中路も、昼を過ぎて山の方から雲が湧いてきた。露出が下がる前に雷鳥カラーの14760系を回収。さっき特急くろべで宇奈月へ上がって行った編成が戻って来ました。やはり前パン側が撮っててもワクワクしますね。ちなみに普通電車だと宇奈月温泉から電鉄富山までは1時間半の長旅になります。黒部宇奈月温泉で新幹線に乗り換えれば富山までは1駅13分ですが…(笑)。しかも宇奈月温泉→電鉄富山が1,660円なのに対して、新幹線に乗り換えても自由席利用なら宇奈月温泉→富山は2,010円と僅か350円の差でしかない。特急料金の110円を払うようであれば、なおのこと差が縮まります。
そうなると、直接の宇奈月温泉~富山間の輸送を強化するよりは県内の都市間輸送、そして新幹線からのフィーダー化という流れになるのは自明の理。何となく今の富山地鉄は富山~上市・富山~立山圏内と、新黒部を中心とした電鉄黒部~宇奈月圏内に分化しているような感じも。国鉄在来線並行区間の魚津~滑川付近は、長距離輸送を北陸本線が、地域輸送を地鉄が担って住み分けていたはずだったのですが、北陸本線の三セク化によってニーズがより競合しているのよね。
どこの地方もそうですけど、滑川・魚津市内ともに鉄道の走る駅周辺の旧市街が空洞化していて、地盤沈下しているのも一因。そんな古き良き工業都市・魚津の象徴の一つだった電鉄魚津ステーションデパートはぶっ壊されて、エレベーター付きのコンパクトな駅舎にリニューアル。富山の地元行政の公共交通の活性化に対するバックアップ態勢は素晴らしく、駅をバリアフリー化し、コミュニティバスを駅に直結させ、何とか高齢化社会にアジャストした形に変貌を遂げていました。