tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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大阪人はカレー好き

2011年12月08日 | 日々是雑感
出張などで大阪に出ると、ランチはたいていカレーライスになる。というより「カレーを食べなければ…」という気になってしまう。「辻々に」と書けばオーバーになるが、とにかくカレー店が多いのである。前を通ると、あの良い香りが漂っていて、ついフラフラと入ってしまう。昨日(12/7)も大阪の「インディ松屋町南店」で、カレーを食べてしまった。この辺りでは「福島上等カレー」や「船場カリー」を食べたこともある。

大阪人はカレー好きなのか。以前、日本経済新聞(10.11.24付夕刊)「オムニス関西」に「大阪人はなぜカレーが好きなのか」という記事が出ていた。《食い倒れの街、大阪は庶民的な味の宝庫だが、カレーでも王国の地位を築いている。明治時代、カレー粉の国産第1号が生まれるなど両者の関係は深く、今も大阪を地盤に多くのチェーン店が軒を並べる》。

《大阪とカレーのつながりは古い。明治時代にカレーが日本に入ってきたとき、ご飯の上にどろどろした黄色いルウがかかっている食べ物を見た日本人は気味悪がり、抵抗を感じる人が多かった。その中で「新しもの好き」とされる大阪人はカレーに飛びつき、いち早く普及したという。中でも有名なのが難波にある自由軒のカレーだ。1910年創業の同店は大阪の洋食店の草分け的存在。ご飯にルウを混ぜ生卵を載せるカレーが人気で、織田作之助の小説「夫婦善哉」にも登場する。若女将(おかみ)の吉田純子さんは「いろいろな食材を混ぜて複雑な味を楽しむ『まむす文化』が根付いている大阪だからこそ、カレーが受け入れられたのでは」とみる》。



大阪でカレーがこんなに支持されているのは、やはり「早い、安い、うまい」そして「お腹がいっぱいになる、元気が出る」ということだろう。東海林さだおと椎名誠による「新日本三大料理」は、カレー、ラーメン、牛丼だそうである(『太っ腹対談』講談社刊)。カレーは、ラーメンより「早い」し、ドロリとしているので牛丼より「満腹感がある」。何よりスパイシーなので、ラーメンや牛丼より「元気が出る」。現代人は忙しい。とりわけ大阪のビジネスマンは、超忙しい。超忙しい大阪人に、カレーは打ってつけなのである。

牛すじカレーを考案したのも大阪のカレー店(元祖牛すじカレー桜堂)といわれている。ドロドロしたカレーにトロトロの牛すじという組み合わせは、いかにも大阪人が好みそうだ(なおカツカレーを考案したのは東京のカレー店だといわれている。関西人はドロドロが好きなので、カレーには自由軒のように生卵をかけるが、東京ではゆで卵を添える)。

「カレー、ラーメン、牛丼」の中でもカレーは、安価な(200円以下の)レトルトカレーがたくさん出回っているので、自宅でも重宝する。わが家では「銀座カリー」「カリー屋カレー」「なっとくのカレー」「ボンカレー」などは、たっぷりと常備している。

ぴあBOOK『本当に美味しい店 カレー ぴあまんぷく研究会が選んだ関西圏こだわりの101店』巻頭の「関西カレーマニア会談」で、門上武司さんは「カレーってなんだか定期的に食べたくなるんですよ」「スパイスには発汗作用がありますからね。血行もよくなるし」(学校給食について)「あれはなんというか、安モンの肉でこそ出せる味で。それはそれで日本らしいし評価されるべきかな、と思います」「カレーは究極の料理だと思いますね。いったんカレー味にしたらもう元には戻せないですから。カレーのルーっていうのは、もう何通りものスパイスの積み重ねで味ができあがってくる。だからこそ、作り手によっていくつもの味ができるわけだし、みんな違ってくるんですね。そういう意味では限りなくおもしろい食べ物ですよね」と発言されている。

そんなカレーは、合理的な大阪人にピッタリの食べ物であり、たこ焼きやお好み焼き以上に大阪を象徴する食べ物だと思う。ああ、またカレーが食べたくなってきた!
コメント (2)
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