tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ミシュランガイド奈良 回顧(2011年総まとめ)

2011年12月26日 | 奈良にこだわる
奈良県の文化・観光の歴史において、異彩を放つのが今年(2011年)のミシュランガイド(レストランとホテルを紹介する「レッド・ミシュラン」)の発行であった。奈良県が初めてリストに加わることになり、「せいぜい10か店程度」という下馬評を覆し、25か店が三つ星を含む星を獲得したのである。
※写真は「ミシュランで知った!奈良にうまいものあり」という講話の様子。学園前の「パラディⅡ」で12/11に実施 

昨日の読売新聞奈良版(12/25付)「回顧 奈良2011(4)」では《初めて「ミシュラン」掲載 古都に美食の楽しみ》のタイトルで、このニュースを振り返った。《レストランを星の数で格付けする「ミシュランガイド」。京都・大阪・神戸版に奈良の店が加わった今年、県内の25店が星を獲得した。飲食店関係者らは「『奈良にうまいものなし』と言われているのを覆した」と喜んだ。日本ミシュランタイヤが発行元で、格付けの最高は「三つ星」。本場フランスでは、星の数がシェフの運命を左右するほどの影響力を持つという》。

《一つ星を獲得したフランス料理店「ラ・カシェット」(奈良市)のオーナーシェフ、吉岡高政さん(47)は、かつてフランスで修業した。それだけに「日本ではまだ歴史が浅いが、ガイドの権威を知っている料理人にとっては最高のステータス」と強調。「奈良の食がPRされたので、これからは県内に店を出すシェフも増えるのでは。業界全体の底上げにもつながる」と期待する。三つ星に選ばれた日本料理「和 やまむら」(奈良市)。ミシュランが発表した10月18日から予約の電話が鳴り続け、1週間で年内分が全て埋まったという。店主の山村信晴さん(58)は「とてつもない影響力」と驚き、「掲載をきっかけに訪れてくれたお客さんが、どれぐらい常連になってくれるか。これからが正念場です」と気を引き締める》。

私の「京都や大阪に食事に行っていた県内の人が掲載店を訪れ、地元の店の魅力に気付くきっかけになった」というコメントも、紹介していただいた。《誰もが平城宮跡や東大寺の大仏など、歴史や文化財を思い浮かべる古都に、「おいしいものを食べに行く」という新しい価値が加わった。1938年に随筆で「食ひものはうまい物のない所だ」と書いたのは、奈良市に一時暮らした作家の志賀直哉。約70年後の「食ひもの」を、ぜひ知ってほしかった。(白石佳奈)》



今朝(12/26)の奈良新聞「2011ニュースこの1年」でも、「ミシュランガイド 奈良登場、25か店に星」というタイトルで詳しく紹介し、《県国際観光課の中村昌史課長は「インバウンド誘致の際、アジアの旅行会社はミシュランガイドに高い関心を示す。奈良の店が加わったことをPRして旅行商品の造成につなげたい」と展望した。奈良を加えたミシュランガイドは本県の観光課題に一石を投じた。今後はガイド本の「生かし方」が注目されそうだ》と締めくくった。

当ブログではミシュラン関連の記事をたくさん掲載し、今も「ミシュラン 奈良」のキーワードで訪ねてこられる方が多い。それらの方のため、これまでの主なミシュラン関連記事を以下にリストアップしておく。

1.奈良のお店の傾向を探る ミシュラン掲載店のリストと傾向
2.識者コメントから「奈良の食」を展望する 新聞に掲載された識者コメントの紹介と分析
3.ミシュランで知った!奈良にうまいものあり 同名の講演録
4.奈良の「食」 復活の10年 毎日新聞記事による奈良の「食」事情
5.ミシュラン奈良 本日発売 ミシュランに掲載された奈良の飲食店リストと奈良新聞の記事

6.ホテル・旅館の快適度 ミシュランに掲載された奈良のホテル・旅館リスト
7.ミシュラン旅行ガイドで星ラッシュ ミシュラングリーンガイド(旅行ガイド)掲載の県下観光地を紹介

※ミシュランに掲載された料理店の紹介
8.万惣(小粋料理)
9.和牛ステーキ 関
10.味の風にしむら(桜井市)

ミシュランガイドは、「食」という「これまで、奈良の観光に欠けていたピースを埋めた」(「イ ルンガ」の堀江シェフ)。その効果は「奈良にうまいものなし」と自嘲していた県民に、大いなる勇気を与えた。ミシュランは毎年改訂される。来年はどんなお店が星を獲るのか、今から楽しみである。

コメント (2)
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