tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良町情報館の入館者が30万人突破、おめでとうございます!

2011年12月28日 | 奈良にこだわる
今朝(12/28)の読売新聞奈良版に「奈良町情報館 30万人を突破 静岡の母娘に記念品」という記事が載っていた、おめでとうございます! 記事によると《奈良市の奈良町で観光案内を行っている「奈良町情報館」を訪れた人が27日、2007年10月からの累計で30万人を突破し、区切りの来館者となった静岡県袋井市の主婦安藤幸子さん(57)と長女の育世さん(32)親子に、吉野葛を使った葛湯や吉野杉の割り箸など記念品が贈られた》。
※トップ写真はオープン日(07.10.5)の様子。向かって右端は、場所を提供されている春日庵の野崎さん

《奈良市中院町にある同館は、運営する「地域活性局」の代表藤丸正明さん(28)らが奈良大在学中にオープン。観光客に奈良町の魅力を紹介し、吉野の特産品販売を行っている。初めて奈良町に来たという安藤さん親子は「ゆったりした時間が流れていて、心地いいですね。雰囲気を楽しみながら歩きます」と話した》。

藤丸正明(ふじまる・ただあき)くんの精力的な活動は、同館のオープン以前から、よく存じ上げている。単なるボランティア活動ではなく、ちゃんとした「ソーシャルビジネス」にまで高められているところが、すごい。12/20(火)に「地域再生の罠」というテーマの講演会で奈良に来られた地域再生プランナーの久繁哲之介氏(「若者バカ者まちづくりネットワーク」主宰)も、ご自身のブログ「久繁哲之介の地域力向上塾」で、藤丸くんの活動を見事に紹介されていたので、以下に貼りつけておく(12/20の講演会の様子は、ブログ「鹿鳴人のつぶやき」に出ている)。

若き奈良市民「藤丸正明さん」の活躍

藤丸正明さん(28歳)は地元の大学在学中に、奈良を活性化する株式会社「地域活性局」を起業しました。 奈良の農家と街の「双方を結びつけて活性化」する理念を掲げて「農家から野菜を仕入れて、街中の朝市で売る」事業から始めます。この事業で「資金、実績、近隣商店からの評判」を得て、町屋や仏閣など地域資源が点在する奈良町の空き店舗に「奈良情報館」を開業します。
 
奈良情報館の地域活性戦略と、それを実現する事業は次の2つです。
1)朝市と同じ仕組みの物産販売業を、更に品揃えなど強化
2)「奈良町おさんぽMAP」作成・刊行で、観光案内と商店案内の融合化

奈良町おさんぽMAPの仕組みは、観光客に無料配布するMAPに100店を超える地元店舗を掲載して、店舗から広告料を得ます。これは、リクルートが得意とするフリーペーパーと同じビジネスモデルです。このビジネスモデルは一見、簡単なように思われがちですが、スポンサー(店舗)から広告を持続的に得るには、実は非常に高い「信用力・営業力」が必要です。

藤丸さんのような若い個人が、このビジネスモデルを築くには、店舗を一軒ずつ「飛び込み営業」するしかありません。最初は勿論、信用されません。しかし、「朝市時代に築いた実績、飛び込み営業で伝える地域活性化への熱意」が商店主にクチコミで伝わり、今では100店を超える店舗から「広告料と信頼」を得ています。

私が調査した感覚では、100店を超える商店主と藤丸さんの関係は「スポンサーと広告会社」という枠を超越した「相互に応援しあう」仲間です。つまり、商店主が払う広告料には「藤丸さんへの応援の気持ち」が含まれる。100人以上の商店主が応援したくなるほど、藤丸さんは地域活性化に尽くしている。

「まちづくりや地域再生には連携が必要」と強調する方は非常に多いが、その殆どはスポンサーと広告会社のような「ドライな関係」ゆえに、利害が交錯して失敗します。若い藤丸さんの取組から学ぶべき教訓は、ビジネスや人生で成功する方法論を説く成功本に必ず次のように書かれています。多くの人に愛されて応援される人は、必ず成功します!


確かに、若い藤丸くんが奈良町の活性化に懸命に取り組んでいる様子を見ていると、「これは私も何かお手伝いしなければ」という気になってくる。そんな人は数多いのではないか。また今回の「30万人突破」にしても、ちゃんと毎日の入館者をカウントしているから、それを発表できるのである。フィーリングだけで「1300年祭が終わって人通りが減った」と嘆いている奈良の商店主は、すべからく彼の姿勢に学ぶべきである。

地域活性局の活動は奈良県下で唯一、今年(11年)の経済産業省「ソーシャルビジネス」の事例にも採択されている。私はたまに奈良町情報館に立ち寄り、その都度、物販コーナーがどんどん充実していることに驚かされる。黒川本家の「吉野本葛」や、「新鮮しいたけ岡本」(岡本隆志さん)の原木しいたけなどの「本物」にこだわっているのも、大きな特徴である。

ぜひ皆さんも、いちど奈良町情報館をお訪ねいただきたい。藤丸くん、30万人突破の快挙、おめでとうございます。またお邪魔します!
コメント (4)
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