3月17日(火)、五條市近内町の「うちのの館」(藤岡家住宅)館長の川村優理さんから、こんなメールとお写真をいただいた。《お元気でご活躍のことと存じます。長兵衛梅が満開になったので写真をお送りします。またどうぞお越し下さい》。長兵衛梅は、藤岡家初代当主・長兵衛氏の時代からあったとされる梅で、樹齢は約250年だという。
藤岡家住宅といえば、最近、『藤岡家住宅 修復と活用の記録』(京阪奈情報教育出版 1,400円)という本を発刊された。制作されたのは本書の編集委員会で、当主の藤岡宇太郎氏(委員長)、もと朝日新聞記者の神野武美氏(編集長)、川村優理氏(編集委員)、コミュニティライターの西久保智美氏(同)という豪華な顔ぶれだ。目次を紹介すると、
第1部 被災から保存活用へ(神野武美)
第2部 NPO法人うちのの館の設立から開館へ(神野武美)
第3部 登録有形文化財としての藤岡家住宅(神野武美)
第4部 修復工事(神野武美・西久保智美)
第5部 藤岡家住宅の展示について(川村優理)
第6部 「藤岡家住宅」を担う人たち(西久保智美)
インタビューの部(第6部)に、会社の先輩の窪政和(くぼ・まさかず)さんが紹介されていて、驚いた。全文を引用すると、
窪 政和 さん
藤岡家住宅と関わるようになったきっかけは?
私は南都銀行を退職後、OB・OGで結成するボランティアグループ「ナント・なら応援団」に所属しており、その派遣で藤岡家住宅と関わるようになりました。五條市在住でしたが、ちょうど2010(平成22)年の「平城遷都1300年祭」のときのことです。
最初は、案内か、資料整理でもと思って行ったのですが、そのボランティアの方がたくさんいらっしゃったので、手薄な庭のそうじをさせていただくようになりました。もともと趣味で盆栽や花菖蒲などを作っていたので、趣味の延長線上のようなものですが、週に1回、2~3時間程度のボランティアをしていて、かれこれ4年ぐらい続いています。
6月には、丹精込めて育てられた花菖蒲が藤岡家住宅を飾りますね。
2週間だけなのですが、25鉢程度の花菖蒲を展示させていただいています。もともと藤岡家住宅の庭にも、新酒の花菖蒲がありましたが、全然、手入れがされていなかったので、花が咲いていませんでした。
それを持って帰って、根っこを切ったり、手を入れたりしたら、美しい白い花が咲きました。手間ひまかけて育てた花菖蒲が咲いてくれると本当にうれしいですし、藤岡家住宅を訪ねてくれた人がその花を見て喜んでくれたら、さらにうれしいです。そのほかには、電車の模型などを活用したジオラマ風の寄せ植えも展示させていただきました。
五條市民にとって藤岡家住宅の存在は?
藤岡家住宅は、五條市民にとっても重要な文化財です。みんなで協力して後世に伝えていけたらと思っています。私は偶然に仲間に誘われて「ナント・なら応援団」に入ったので、ボランティアをするようになりましたが、そういう機会がなかったらボランティアをしていなかったかもしれません。ほんの少しのボランティアですが、それでも良いことをさせてもらっているので、私自身も気持ちがいいし、生きがいにもなっています。
ボランティアをやってみたいなぁと思っている人は、結構いらっしゃると思いますので、そのきっかけづくりをどうするか。藤岡家住宅は気軽にボランティアができるところだと思うので、積極的に五條市のいろんな団体に声をかけたりして、みなんで五條市の貴重な財産を守っていくような体制づくりができたら、いいなぁと思っています。
「ナント・なら応援団」のうち、五條市在住のメンバーが藤岡家住宅のお手伝いをするようになったのは、1本の電話がきっかけである。2009年の夏、「ナント・なら応援団」に応募されたメンバーを対象に、研修を行っていた。奈良大学の講師陣にお願いし、20コマ(1コマ=80分)の講義をしていただき、その様子が奈良新聞に紹介された。
記事をご覧になった旧知の田中修司氏(NPO法人「うちのの館」理事長)から私に、「うちのの館にもボランティアに来ていただけませんか?」とのお電話をいただいたので、朝礼の時間に声をかけると、3人の方が手を挙げて下さった。そのお1人が窪さんというわけだ。
たくさんのボランティアが支える藤岡家住宅。これからはたくさんの花が順番に咲いていく。今はたくさんの雛人形も展示されている。皆さん、ぜひ藤岡家住宅に足をお運びください!
藤岡家住宅といえば、最近、『藤岡家住宅 修復と活用の記録』(京阪奈情報教育出版 1,400円)という本を発刊された。制作されたのは本書の編集委員会で、当主の藤岡宇太郎氏(委員長)、もと朝日新聞記者の神野武美氏(編集長)、川村優理氏(編集委員)、コミュニティライターの西久保智美氏(同)という豪華な顔ぶれだ。目次を紹介すると、
第1部 被災から保存活用へ(神野武美)
第2部 NPO法人うちのの館の設立から開館へ(神野武美)
第3部 登録有形文化財としての藤岡家住宅(神野武美)
第4部 修復工事(神野武美・西久保智美)
第5部 藤岡家住宅の展示について(川村優理)
第6部 「藤岡家住宅」を担う人たち(西久保智美)
インタビューの部(第6部)に、会社の先輩の窪政和(くぼ・まさかず)さんが紹介されていて、驚いた。全文を引用すると、
窪 政和 さん
藤岡家住宅と関わるようになったきっかけは?
私は南都銀行を退職後、OB・OGで結成するボランティアグループ「ナント・なら応援団」に所属しており、その派遣で藤岡家住宅と関わるようになりました。五條市在住でしたが、ちょうど2010(平成22)年の「平城遷都1300年祭」のときのことです。
最初は、案内か、資料整理でもと思って行ったのですが、そのボランティアの方がたくさんいらっしゃったので、手薄な庭のそうじをさせていただくようになりました。もともと趣味で盆栽や花菖蒲などを作っていたので、趣味の延長線上のようなものですが、週に1回、2~3時間程度のボランティアをしていて、かれこれ4年ぐらい続いています。
6月には、丹精込めて育てられた花菖蒲が藤岡家住宅を飾りますね。
2週間だけなのですが、25鉢程度の花菖蒲を展示させていただいています。もともと藤岡家住宅の庭にも、新酒の花菖蒲がありましたが、全然、手入れがされていなかったので、花が咲いていませんでした。
それを持って帰って、根っこを切ったり、手を入れたりしたら、美しい白い花が咲きました。手間ひまかけて育てた花菖蒲が咲いてくれると本当にうれしいですし、藤岡家住宅を訪ねてくれた人がその花を見て喜んでくれたら、さらにうれしいです。そのほかには、電車の模型などを活用したジオラマ風の寄せ植えも展示させていただきました。
五條市民にとって藤岡家住宅の存在は?
藤岡家住宅は、五條市民にとっても重要な文化財です。みんなで協力して後世に伝えていけたらと思っています。私は偶然に仲間に誘われて「ナント・なら応援団」に入ったので、ボランティアをするようになりましたが、そういう機会がなかったらボランティアをしていなかったかもしれません。ほんの少しのボランティアですが、それでも良いことをさせてもらっているので、私自身も気持ちがいいし、生きがいにもなっています。
ボランティアをやってみたいなぁと思っている人は、結構いらっしゃると思いますので、そのきっかけづくりをどうするか。藤岡家住宅は気軽にボランティアができるところだと思うので、積極的に五條市のいろんな団体に声をかけたりして、みなんで五條市の貴重な財産を守っていくような体制づくりができたら、いいなぁと思っています。
「ナント・なら応援団」のうち、五條市在住のメンバーが藤岡家住宅のお手伝いをするようになったのは、1本の電話がきっかけである。2009年の夏、「ナント・なら応援団」に応募されたメンバーを対象に、研修を行っていた。奈良大学の講師陣にお願いし、20コマ(1コマ=80分)の講義をしていただき、その様子が奈良新聞に紹介された。
記事をご覧になった旧知の田中修司氏(NPO法人「うちのの館」理事長)から私に、「うちのの館にもボランティアに来ていただけませんか?」とのお電話をいただいたので、朝礼の時間に声をかけると、3人の方が手を挙げて下さった。そのお1人が窪さんというわけだ。
たくさんのボランティアが支える藤岡家住宅。これからはたくさんの花が順番に咲いていく。今はたくさんの雛人形も展示されている。皆さん、ぜひ藤岡家住宅に足をお運びください!