tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

生駒聖天さんどう会の活動に、大いに賛同!

2015年07月31日 | 観光にまつわるエトセトラ
7/24(金)、宝山寺(生駒聖天)参道の城山(しろやま)旅館(生駒市門前町)を訪ねた。6/23(火)、奈良市内で開かれた有志の会で2代目女将の岡田篤子さんとお会いし「生駒聖天参道のまちづくりの動きは、前から気になっていました。いちどお訪ねします」と申し上げていたのが実現したのだ。
※トップ写真は「生駒市観光ガイドブック」(3ヵ国語版)。1頁めが生駒聖天お彼岸万灯会


近鉄生駒駅で、ケーブルに乗り換える。ケーブル駅は「鳥居前」



この日は休みを取って朝からいそいそと出かけた。ランチに訪れたインドネシア料理「摩波楽茶屋 (マハラジャヤ)」のことは、先に当ブログで紹介させていただいた。生駒聖天(宝山寺)参道では、「生駒聖天さんどう会」(会長:小川雅巳氏=摩波楽茶屋 のオーナー)が活動している。まず、生駒聖天参道とは、どんなところか。「はならぁと」のHPによると、





1678年湛海律師が再興した宝山寺は、商売繁盛、現世利益の神様である大聖歓喜天を祀り、江戸時代から今日に至るまで、多くの信心を集めています。近鉄生駒駅から宝山寺へと続く参道は、かつて参拝者相手の飲食店や土産物屋、料理旅館が立ち並び、奈良県一の遊興観光地として栄えました。参道を歩くと、今でも賑やかだった当時の雰囲気を感じる事が出来ます。生駒山の中腹辺りに位置することから、古都奈良を見渡すことができ、静かで、ゆったりとした時が流れています。


歴史を感じさせる旅館街が、参道の両側に続く


道しるべがあった。「右 生駒山麓公園 左 暗峠」

私は奈良に移り住んでから知ったのだが、「女町哀歌(おんなまちエレジー)」という演歌があり、そこには「女に生まれてよかったわ 本当はいいことないけれど せめて心で思わなきゃ 生きてはゆけない この私 生駒は哀しい女町~♪」という歌詞があるのだそうだ。「山と山とに囲まれた ここは大阪奥座敷」というフレーズも。かつては相当栄えた遊興地だったようだが、今はひっそりとした佇(たたずまい)まいで、私は山頭火が訪ねたという大分県の「湯平(ゆのひら)温泉」を連想した。







閑話休題。生駒聖天さんどう会のブログ「山からの便り」の記事「はじめまして さんどう会です」(2013年9月)に、会の趣旨が掲載されている。

はじめまして!「生駒山と宝山寺参道を古き良き時代のように甦らせたい」そんな気持ちで集まった人々で作った「さんどう会」といいます。昔は宝山寺界隈は生駒駅からたくさんの旅館やお店が立ち並ぶにぎやかな町でした。





宝山寺聖天さんは「商売の神様」。大阪、奈良、京都からたくさんの人が商売繁盛を願いこの参拝道を歩いていたのです。日本初のケーブル。このケーブルがなかった時代は皆、参道を歩いていたんですね…。今ではこの参道も高齢化が進み、空き家も増えて旅館の数もぐっと減ってしまいました。


神具屋さんが店を開けていた


向こうが宝山寺だ。両側の燈籠は夜に灯がともる



「このままではいけない」「町に活気を取り戻したい」「もっと皆さんに生駒の山を知ってほしい」そんな気持ちをそれぞれいつも持っていました。でも、ひとりの力ってとても小さいんですね。ひとりが二人になれば…そしてもっとたくさんの気持ちが集まれば…? 何か変わるかもしれない!そうして2013年、春に「さんどう会」はスタートしました。


城山旅館さんにお邪魔した


店先では、アジサイが咲き残っていた。7/24だったのだが…

この町の人、お店をしてる人、遠くから来てくれる人…帰って来た人…メンバーはさまざまです。まだまだ少ない人数ですが 焦らず、急がず、気負わず、そして何より楽しんで… この参道、生駒山が少しずつ変わっていったら。そう願って活動しています。このブログではさんどう会の活動やお山のイベント、お山のお店など、紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!


城山旅館の広間



「宝山寺参道」の歴史などについては、市の「広報いこま」(2013年8月合併号)で6ページの特集記事として大きく取り上げられ、その中で「生駒聖天さんどう会」の活動が「観光生駒、復活を目指して」のタイトルで、2ページにわたって紹介された。引用すると、


広間からの眺望。大和盆地が一望だ!



生駒聖天さんどう会、発足
今年(2013年)1月、「生駒聖天さんどう会」が立ち上がりました。発起人は、参道で飲食店を営む小川雅巳さんと中川恭一さん。「昔は賑やかやったのに、今は猫しか鳴いてへん。だれか、この辺で喫茶店でもしたらええのになと2人で話してたんです。まさか自分らがやることになるとは全く想像していませんでした」と小川さんは笑います。


小川さんたちが改装している「門前おかげ楼」(旧「たき万旅館」)



今、2人には、観光生駒を復活させるという強い信念があります。会は参道を拠点にした地域活性化を目指し、宝山寺駅前の花壇整備から始めることになりました。「目立つことや大きなことをしようと思ったら、行政からの補助金や誰かの協力をあてにして、なかなか動けません。だから、僕たちは壮大な計画を立てる前に、自分1人でもできることから地道に取り組もうと思ったんです」と中川さん。


この昭和レトロ調がいい(門前おかげ楼の2階)



整備を始めたら、地元の人の参加や、「ハーブエ房ほうざん」のご主人に花壇デザインを引き受けてもらえたり、「宝菊会」の城山(旅館)さん(門前町)に菊花展の開催協力を申し出てもらえたりと、うれしいつながりと広がりが生まれました。


かつてNo.1の旅館だった、政府登録国際観光旅館「緑風閣」。今は「空」の看板が出ている


内部はシッカリ残っている。何とかならないものか…

参道を灯りでつなぐ
毎年9月に行われる宝山寺お彼岸万燈会。参道から境内までお寺全体が燈龍(とうろう)や蝋燭(ろうそく)の灯りで包まれる中、祖先への感謝の気持ちを表す法要が営まれます。この行事で、参道や階段に燈龍を並べるのは、宝山寺青年会の役割でした。しかし、その中心メンバーは3、40年前に青年会に入って、そのまま年を重ねた70代の人たち。急な坂道で準備や後片付けをするのが困難になり、6年前「もう、参道に燈龍を出すのはやめようか」という声があがります。中川さんが商売を始めて1年後のことでした。



こちらは日本語版の生駒市ガイド。やはりトップページは生駒聖天お彼岸万灯会


「参道から賑わいが消えてしまう瀬戸際や。これはまずいと思って。気付いたら僕がやりますって言ってました。生駒山はもともと行場ですから。きつい修行が課せられたなと思いました」友人や店のお客さんに協力を求めたこともあります。「役所にも最初は全然相手にしてもらえませんでした。でもあきらめたらあかんと、できることからやっていったんです」


こちらは「ハーブ工房 ほうざん」

生駒駅から宝山寺まで参道を灯りでつなぐことを目標に、毎年少しずつ灯りを置かせてもらうエリアを増やしました。青年会の後押しやお客さんの応援もありました。回を重
ねるごとに自治会、市内の幼稚園や保育園、事業所…多くの人とつながりました。今年は、さんどう会が中心になった「お彼岸万燈会」実行委員会で灯りと音をテーマにしたイベントも実施する予定です。小川さんは言います。



小川さんが経営する「摩波楽茶屋」(マハラジャヤ)



「まずは、お彼岸万燈会を生駒の名物行事にしたい。それができたら、月に1度の聖天市の復活。そうやって賑わう日を少しずつ増やしていけたら嬉しいですね」 まちを変えるのは、やはり人の力。自分たちのまちは自分たちで育むという揺るぎない思いがはじめの一歩です。小川さんと中川さんが踏み出した一歩は大きなうねりとなりました。数年前は夢でしかなかった参道を灯りで結ぶ計画が、この秋、実現しようとしています。






摩波楽茶屋のベランダからの景色も、絶景!

生駒聖天さんどう会は、昨秋(2014年11月)から、はならあとに参加した。この夏(2015年8月)にも、さまざまなイベントを企画している。寂れゆく門前町で立ち上がった「生駒聖天さんどう会」の面々。現状に危機感を持ち、この素晴らしい立地(宝山寺門前、大和盆地が見渡せる眺望、大阪に近くケーブル駅が目の前にある)を考えれば、可能性は無限にある。さんどう会の皆さん、この素晴らしい門前町を盛り立ててまいりましょう!
コメント
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