いよいよ今日(6/1)から今月末日まで、春日大社景雲殿(社務所の隣り)で本邦初公開の「御出現!春日大社の神獣~800年を経て御本殿獅子・狛犬初公開~」展が開かれる。拝観料は300円。会期中は、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」のメンバー(1日2人)が無料でガイドをする。チラシデータ(PDF)は、こちら。今朝の奈良新聞によると、
本殿前の獅子・狛犬 初公開 きょうから春日大社
春日大社本殿(国宝)の前にあった木造の獅子(しし)・狛犬(こまいぬ)4対8体が、きょう1日から、奈良市春日野町の同大社景雲殿で初公開される。31日に内覧会があり、関係者や報道陣が一足早く見学した。今月30日まで。
獅子・狛犬は本殿4棟の神前に1対ずつ安置。神職と皇族以外は入れない場所にあり、非公開だった。式年造替で新調され、役目を終えた古い像を一般公開する。像高は30.7~41.3センチで、いずれも個性的な姿を持つ。公開に伴う調査で、8体のうち6体が鎌倉時代の制作と判明。日本の彫刻史上でも貴重な作品といえる。
このほか、平安時代末から武士に流行した流鏑馬(やぶさめ)を表した「流鏑馬木像」(鎌倉時代)や裏面に神霊を守護する「獅子牡丹図」が描かれた摂社・水谷神社の「牛頭天王曼荼羅衝立(ごずてんのう・まんだらついたて)」(平安時代)など、同大社所蔵の絵画や史料など計約20件を展示する。
春日大社の松村和歌子主任学芸員は「展示を通じて、秘めた力を持つと考えられた動物と人との関わりを知ってほしい」としている。午前9時から午後4時半開館(入館は午後4時まで)。拝観料300円。問い合わせは春日大社、電話0742-22-7788。

本当に珍しい獅子・狛犬である。8体のうち6体は鎌倉時代の制作だという。制作時期によって形が違うし、台座も違う。ご本殿の中ではなく扉の外側にお祀りされていたので色は剥落しているが、よく見ると金箔や彩色などの痕跡がわかる。獅子・狛犬は決して「Lion」と「Dog」ではない。神獣・霊獣として古くから人々が崇めてきた聖なる動物なのである。春日大社からいただいた資料には、
現代の社会は人間の力を絶対視して、動物たちの力をないがしろにしがちですが、古代・中世の人々は、様々な動物に人間の及ばない力が秘められていると考え、恐れると同時に尊崇(そんすう)もしてきました。そしてその様々な霊力を一身に集めた動物を想像し、神聖なものを守る聖獣として、様々な絵画や造形に顕してきたのです。
その中で、日本人に最も親しまれ、愛されてきたのが狛犬(こまいぬ)だと思います。ふるさとのお宮のユーモラスな狛犬は、日本人の原風景の1つではないでしょうか? 本展覧会では800年間神域を守ってきた初公開の獅子狛犬を始め、神様のお使いで乗物でもある神鹿(しんろく)、神様の乗り物神馬(しんめ)など春日の神様の領域を守る神獣達に注目します。
式年ご造替を記念して実現した、とても珍しい展示である。奈良まほろばソムリエによる無料ガイドも、聞いていただける。今は「御仮殿」の特別参拝も実施中である(500円)。皆さん、ぜひ春日大社にお参りください! 奈良まほろばソムリエの皆さん、よろしくお願いいたします!
本殿前の獅子・狛犬 初公開 きょうから春日大社
春日大社本殿(国宝)の前にあった木造の獅子(しし)・狛犬(こまいぬ)4対8体が、きょう1日から、奈良市春日野町の同大社景雲殿で初公開される。31日に内覧会があり、関係者や報道陣が一足早く見学した。今月30日まで。
獅子・狛犬は本殿4棟の神前に1対ずつ安置。神職と皇族以外は入れない場所にあり、非公開だった。式年造替で新調され、役目を終えた古い像を一般公開する。像高は30.7~41.3センチで、いずれも個性的な姿を持つ。公開に伴う調査で、8体のうち6体が鎌倉時代の制作と判明。日本の彫刻史上でも貴重な作品といえる。
このほか、平安時代末から武士に流行した流鏑馬(やぶさめ)を表した「流鏑馬木像」(鎌倉時代)や裏面に神霊を守護する「獅子牡丹図」が描かれた摂社・水谷神社の「牛頭天王曼荼羅衝立(ごずてんのう・まんだらついたて)」(平安時代)など、同大社所蔵の絵画や史料など計約20件を展示する。
春日大社の松村和歌子主任学芸員は「展示を通じて、秘めた力を持つと考えられた動物と人との関わりを知ってほしい」としている。午前9時から午後4時半開館(入館は午後4時まで)。拝観料300円。問い合わせは春日大社、電話0742-22-7788。

松村和歌子さんの講義を受ける(写真はいずれも5/29に撮影)
本当に珍しい獅子・狛犬である。8体のうち6体は鎌倉時代の制作だという。制作時期によって形が違うし、台座も違う。ご本殿の中ではなく扉の外側にお祀りされていたので色は剥落しているが、よく見ると金箔や彩色などの痕跡がわかる。獅子・狛犬は決して「Lion」と「Dog」ではない。神獣・霊獣として古くから人々が崇めてきた聖なる動物なのである。春日大社からいただいた資料には、
現代の社会は人間の力を絶対視して、動物たちの力をないがしろにしがちですが、古代・中世の人々は、様々な動物に人間の及ばない力が秘められていると考え、恐れると同時に尊崇(そんすう)もしてきました。そしてその様々な霊力を一身に集めた動物を想像し、神聖なものを守る聖獣として、様々な絵画や造形に顕してきたのです。
その中で、日本人に最も親しまれ、愛されてきたのが狛犬(こまいぬ)だと思います。ふるさとのお宮のユーモラスな狛犬は、日本人の原風景の1つではないでしょうか? 本展覧会では800年間神域を守ってきた初公開の獅子狛犬を始め、神様のお使いで乗物でもある神鹿(しんろく)、神様の乗り物神馬(しんめ)など春日の神様の領域を守る神獣達に注目します。
式年ご造替を記念して実現した、とても珍しい展示である。奈良まほろばソムリエによる無料ガイドも、聞いていただける。今は「御仮殿」の特別参拝も実施中である(500円)。皆さん、ぜひ春日大社にお参りください! 奈良まほろばソムリエの皆さん、よろしくお願いいたします!