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真田丸(23)攻略

2016年06月19日 | 日々是雑感
先週(6/12)のNHK大河ドラマ「真田丸」は「第23回 攻略」だった。これはもちろん、「北条氏政」(高嶋政伸)攻略である。NHKのHPからあらすじを拾うと、

秀吉は20万を超える兵を集め小田原を包囲するが、関東の覇者のプライドに縛られた北条氏政は絶望的な状況にも降伏を拒否する。昌幸と信幸は北条方の拠点、忍城を攻めあぐねる。秀吉から武功を上げるよう命じられた石田三成が本陣から乗り込んでくるが、昌幸らと対立する。一方、信繁は徳川家康と大谷吉継に呼び出される―。

最近、高嶋政伸(北条氏政)は「怪優」とか「怪演」といわれている。世に怪優といわれる役者は多い。最近では『半沢直樹』で大和田常務を演じた香川照之が挙げられるが、「真田丸」での高嶋政伸は、まさに怪優の怪演だ。オリコンのHPに、こんな話が出ている。タイトルは《【真田丸】北条家滅亡 高嶋政伸の“怪演”を支えた「基礎」練習》。


NHK大河ドラマ『真田丸』第24回「滅亡」でいよいよ追いつめられる北条家。真田家との領地争いが引き金となり、豊臣秀吉(小日向文世)は20万を超える兵を集め、小田原を包囲。関東の覇者のプライドに縛られた北条氏政(高嶋政伸)は絶望的な状況にも降伏を断固拒否した。そして、どんどん白く厚化粧になっていく氏政の顔。それはそれは不気味であり、化粧を施す姿からは氏政の動揺の大きさが痛いほど伝わってくる。役者としての高嶋政伸の真骨頂ここにあり。

「僕の芝居を観て『怪演』とか、僕のことを『怪優』とおっしゃっていただけるのはとてもうれしい」と高嶋。「本当に人間と向き合って演じていかなければいけないシーンは、神経質に、几帳面に、丁寧に演じる。それがあっての変化球になるのかな」と怪演の秘けつに言及した。

『真田丸』の撮影に参加している間も「別の戯曲や台本を毎日読んで」いたという。「基本的に本番だけやっていると、演技のクォリティーが下がる気がするんです。古典的なもの、太宰治の短編『トカトントン』などを声に出して読むとか、若い役者さんに付き合ってもらって2人芝居の戯曲を読むとかしてキープする。きちんとした基礎がないと、変化球も中途半端になっちゃうので、そうはなりたくないんです」。“怪演”で人の心をつかむのも豊富な経験や演技力の下地があってこそだ。

思い返せば、第1回の終盤、これからドラマに絡んでくる人物の1人として、飯に少しずつ汁をかけながら食べている氏政の姿が映し出された。氏政の父である北条氏康が「息子・氏政のご飯を食べている様子を見て嘆いた」という逸話に由来するシーン。「最初に汁かけ飯というのは大きかったですよね。あそこでキャラクターの方向性がはっきり見えました」(高嶋)と同時に、視聴者にも強烈なインパクトを残した。この汁かけ飯のシーンは、放送されるたびにネット上で大反響を巻き起こした。

秀吉が小田原城に大軍を差し向けてからの氏政はさらに狂気の度合いが増し、高嶋の演技もギアチェンジ。北条家の滅亡に向かってアクセル全開となった。「動乱の世を100年以上生き抜いてきた北条家の4代目として、氏政にはほかの武士たちにはない独特の余裕がありました。それが、秀吉に攻め込まれ、追い詰められ、余裕がなくなってきた時にこそ、本当の氏政の人間性が現れてくる。それをどういうふうに演じきることができるのか。いままで演じてきた役、いろんな経験を総動員して演じました」と高嶋。

「顔におしろいを塗っていくんですけど、厚くなるほどヒビは入るし、崩れていきますよね。心の中が崩れていくのと同じように。壊れたピエロみたいに滑稽(こっけい)にも見えます。だけど本当はこの人は怪物なんかではなく、典型的な武将だったと思う。優秀な武将だったけど、時代を読む力がほんの1ミリだけ足りなかったのかな。その1ミリが、ものすごい差だった。時代のほうが1ミリだけ早かった」と戦国の世に散った氏政に思いを寄せていた。



《『真田丸』の撮影に参加している間も「別の戯曲や台本を毎日読んで」いた》とは、すごい。単なる2世タレントではなかったのだ。今夜(6/19)の「第24回 滅亡」ではどんな演技を見せてくれるのか、楽しみである。

高嶋は、北条氏政を評して《時代を読む力がほんの1ミリだけ足りなかった》と語っているが、藤丸タダアキさんは、「秀吉は長期戦を考えていた」しかし「北条はそこまで考えてなかった」、それが1ミリの差だと考える。北条軍は「兵農分離の進んでいない軍隊」、豊臣軍は「戦争専属の軍隊であり、365日戦争ができます」「秀吉はおそらく2~3年分の食糧は持ってきていたのではないでしょうか」。

私はよく「大坂冬の陣・夏の陣はありましたが、春の陣・秋の陣は、なぜなかったのでしょう?」。答えは、春と秋は農繁期なので兵隊が集まらなかったから。兵農分離の進んでいない時代には、農民がいなければ戦ができないのだ。だから北条がいくら籠城戦が得意でも、その期間はたかが知れている。そんな小田原城を2年でも3年でも攻めることのできる豊臣の「戦争専属の軍隊」が取り囲めば、どうなるか。それが「1ミリの差」だったのだろう。

今日は前置きが長くなった。お待ちかね、藤丸タダアキさんの解説を以下に紹介しておく。氏政がどんな最期をとげるか、今夜の放送をお楽しみに!


大河ドラマは、真田丸は23話まで進み、1つの見どころを迎えています。主人公の真田信繁の主な戦歴は4つあると思います。第一次上田合戦・小田原征伐・第二次上田合戦、大坂の陣。23話攻略では、その一つ、小田原征伐に差し掛かります。今日は出張先です。まとめる自信がないのですが、真田丸23話攻略の感想を書きます。

豊臣秀吉による度重なる譲歩を引きだした北条氏政。それにも関わらず、氏政は再度の上洛の要請を断りました。そのあげく、氏政の家臣は豊臣傘下となった真田の土地を横領します。秀吉軍は21万人の軍勢を率いて小田原に向います。秀吉は当初から持久戦を考えていたのでしょう。そこで石田三成に食糧等兵站の準備を命じます。三成を始め豊臣家の官僚は、素早く間違いない能力を持っています。

一方の北条氏政。実は初戦は駿河にも攻め込んでいました。しかし秀吉の本軍が来ると、さっさと小田原城に引き上げます。この小田原籠城は実は北条家のお家芸(いえげい)なんです。このお家芸で、10万人にも膨れ上がった上杉謙信の大軍もやり過ごしました。謙信は1か月しかお城を囲んで攻めることができませんでした。

武田信玄の総勢3万名あまりの軍にも小田原籠城でやり過ごしました。信玄は4日しか包囲をせず、撤退します。それにはこれまでにも書いてきましたが、理由があります。小田原城は長大な城壁をもつ難攻不落の城でした。しかし、それは兵農分離の進んでいない軍隊による戦いでした。兵農分離が進んでいない軍隊は農繁期には戦争はできません。つまり、最長でも半年も戦争ができないんですね。なので、籠城していれば、これまではなんとかなりました。

しかし、秀吉の軍はいわば全員、戦争専属の軍隊であり、365日戦争ができます。北条家はそこまで近代化が進んだ豊臣家について認識不足だったのでしょうか。板部岡紅雪斎は豊臣家を大坂まで行って見てしまいます。合理的な集権体制を見て勝てないと思ったのでしょう。秀吉はおそらく2~3年分の食糧は持ってきていたのではないでしょうか。北条家はこの後、内部分裂なども起こして終焉が迫っています。それをふまえて、真田丸23話攻略の感想はざっと以下の通りです。

1.秀吉は長期戦を考えていた。
2.北条はそこまで考えてなかったのかな。
3.秀吉の読みが勝った。

という感じです。

石田三成は忍城攻めを任されます。これは秀吉による三成への思いやりかなぁと思います。しかし、三成は忍城攻略に失敗します。三成の戦争下手という評判はここで決定的についてしまいます。秀吉の高松城攻めの水攻めを参考に忍城を攻めます。しかし、堤の設計の計算ミスだったみたいですね。真田丸23話攻略の感想を書きました。
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