tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

真田丸(29)異変

2016年07月28日 | 日々是雑感
NHK大河ドラマ「真田丸」の第29回(7/24)は「異変」だった。秀吉に忍び寄る「老い」による異変が不気味だ。そこへ追い打ちをかけるように大地震(慶長伏見地震)が起きる…。NHKのHPからあらすじを拾うと、

信繁は、秀吉じきじきの肝いりで、大谷吉継の娘・春を正室に迎える。信幸は、秀吉が新たに築城しようとする伏見城の普請を受け持つことになるが、うまくいかない。一方、きりは細川ガラシャと出会いキリスト教に興味を抱くようになる。権力の絶頂にある秀吉は嫡男・秀頼の行く末を心配するが、老いが秀吉を激しくむしばみ始める。


秀吉がボケ始める。寝小便をするし、同じことを何度も言う、つまずきやすくなる、ヒゲがなくなる(付けヒゲでごまかす)。信繁に「死にとうない」とすがる。そのあと起きたのが「慶長伏見地震」。この地震で伏見城の天守が大破、城内でも多くの人々が圧死した。少し長くなるが、HP「ちずらぼのちずらぶ」から抜粋すると、

慶長伏見地震は伏見付近にある有馬-高槻断層帯と六甲・淡路島断層帯が震源となった直下型地震で、マグニチュード(M)は7.5程度と推定されている。京都や堺での被害が大きかったことが伝えられているものの、揺れは(被害も)関西の広範囲におよんでいる。そう考えると慶長「伏見」地震という命名は不思議でもある。歴史地震は元号名で命名されるケースがほとんどだが、中世以降は地震名に地名が入ることも珍しくなくなった。しかし大概は「江戸」「鎌倉」といった都のあった都市名か「出羽」「遠江」などの国名がつけられる。これに対して慶長「伏見」地震というのはかなりピンポイントな命名といっていい。


おりしも天下を司っていたのは豊臣秀吉であり、その秀吉の居城として建てれらた伏見城が完成直後にこの地震に襲われた。天守閣が大破し、城内だけでも多くの死者(300人とも600人以上ともいわれる)が出ており、そのほとんどが圧死であったとされる。時の政権が伏見にあったことがこの地震名に反映されており、またこの地震にまつわる記録や逸話も多くの場合伏見城や秀吉に絡むものであることから(謹慎中だった加藤清正がいの一番に伏見城に駆けつけて秀吉に謹慎を解かれた「地震加藤」は有名)、慶長伏見地震の記憶自体が秀吉とリンクしているのが興味深い。

秀吉は1586年の天正地震も経験しており、築城にあたっては、「なまつ大事」(鯰〈なまず〉、つまり地震のこと)との指示している。実際に戦国時代後半は非常に大きな地震が多い時期でもあった。この伏見地震の直前にも9月1日に慶長伊予地震、9月4日に慶長豊後地震が発生しており、秀吉ならずとも地震を意識せざるを得ない時代でもあったのかもしれない。

秀吉はこの後倒壊した指月伏見城から木幡山伏見城(現在の伏見城がある場所)へと伏見城を移転させる。木幡山は地震の直後に秀吉らが避難した場所だが、指月伏見城に比べると地盤は強固なのでやはり地震を意識してのことだと考えられる。また、地震後に秀吉が大坂で政務を執ったことを事実上の「首都機能分散」であったとする考え方もある。この説も各地で大地震が頻発していたことを考えればそれなりに説得力はあるように思う。



秀吉にとっては泣きっ面に蜂、不安はどんどん拡大する。このあたり、秀吉役の小日向文世の演技が見事である。そして橋本マナミの登場!「愛人にしたい女性ナンバー1」「ポスト壇蜜」といわれるこのグラビアアイドルは、細川ガラシャ(明智光秀の娘)役だった。前回の秀次(新納慎也)を含め、演技派の男優陣、美女揃いの女優陣がドラマをより楽しいものにしてくれる。次回(いつもより45分早くオンエア)は、いよいよ豪華絢爛「醍醐の花見」が登場する。どんな華やかな宴となるか、これは楽しみである。では、締めに藤丸タダアキさんのブログから、彼の感想を紹介する。

真田信繁と大谷吉継の娘・はるが結婚します。信幸の妻・稲とはる。印象の違う二人。秀吉の寝小便を石田三成と信繁は片桐且元のせいにします。三成も信繁も次男坊です。私も次男なんですが、こういうちょっとことをしたがります 笑

真田丸29話は異変という題になっています。信幸の苦悩する伏見城普請。父の昌幸は遊郭通いをします。相手は吉野太夫。真田丸29話の題は異変…。異変ですね 笑 信幸・信繁の母、薫がそれに感づいたようです。

そして稲もこうのもとに通う信幸に怒ります。信幸の滑稽な立場で生きていく雰囲気がいいですね。信幸と側室のこう・稲に子供(信吉・信政)ができます。細川忠興の妻、ガラシャ(玉)夫人が出てきました。大阪屋敷では礼拝していました。

秀吉は家康にまつりごと【政治】の主体になってほしいといいます。秀吉は当初、奉行衆による政治を考えていました。しかし、家康を見て秀吉は頼ろうと考えたのでしょう。秀吉が正気ではないところ。これが真田丸29話異変のメインでしょう。そして秀吉は家康にまた同じことを言いました。家康の顔つきがそろそろタヌキと化していくでしょう。


この時期、豊臣家の武将の多くは朝鮮出兵に出ています。秀吉は心細かったのでしょう。秀吉は朦朧とし始めています。「死にとうない」と連発します。小日向文世さんはこの最期の姿のために選ばれたのでしょうか。昌幸は自分が普請の指揮を執るといいます。ここでも真田丸29話の題「異変」が垣間見えます。

最後に、信幸と信繁の2人の会話がありました。2人の立場の違い。徳川関係の信幸と豊臣関係の信繁。原因不明の灰が降ったそうです。そして、伏見大地震が起こりました。ここが真田丸29話の異変の極めだなぁという感想を持ちました。

さて、29話異変の全体の感想です。秀吉政権は末期を迎えています。秀吉亡き後、現政権の存続が危ういと人が感づく時期ですね。現代人よりもこの時代の人は迷信を信じました。灰や地震が起こったことよりもそれを感じ取った世間というのが怖いです。人心は不安に陥ります。前回は受難でした。受難からの異変。それがところどころに出てきました。真田丸29話異変の感想を書きました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする