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今井灯火会(第9回)/8月6日(土)開催!(2016 Topic)

2016年07月30日 | お知らせ
恒例の「今井灯火会」(橿原市今井町)、今年で9回目を迎える。私は昨年、お邪魔した。涼風の吹く中、ゆらめく灯火を見たり、手作りの冷やし飴をいただいたりと、中世の町並みの中でゆっくりと流れる時間を楽しんだ。写真は、そのとき私が撮ったものである(2015.8.8 撮影)。今井町町並み保存会のHPからイベントの概要を拾うと、







第9回 今井灯火会
目  的 「灯りが町を明るくします」 灯火会活動を通じてまちに一人ひとりが灯をともし、町の安全と繁栄を願い、さらに町民の親睦と、団結を深めることを目的とする。
開催場所 橿原市今井町(重要伝統的建造物群保存地区内)
開催日時 平成28年8月6日(土) 19:00(点灯式)~22:00(消灯)
※荒天時、灯火行事は中止します。ただし、呈茶席・冷やし甘酒・冷やし飴水は実施します。
主  催 今井灯火会実行委員会
構成団体 今井町自治会・今井町町並み保存会・今井町防災会・今井春日講・行者講・今井なごみ会・今井わかば会・今井青年会・橿原市消防団第九分団・ボーイスカウト橿原第5団・今井町区域街並み環境整備協議会・今井地区民生児童委員協議会・NPO法人今井まちなみ再生ネットワーク
後  援 橿原市、橿原市教育委員会



オープニングセレモニー(華甍前)。向かって左端が若林さん。右から2番目が橿原市の森下市長





今井灯火会実行委員会委員長で、今井町町並み保存会会長の若林稔(梅香)さんは、今井灯火会は「教育の場」と言い切る。学生にホンネで語った梅香語録(1)から拾うと、



「今井灯火会(とうかえ)」をやりますと、ここで人が動いてますと。人が動いてるけれども、表はこういうふうに動いていますと。そやけどその裏で、町の人がこんだけ動き始めました、子供がこんだけ動き始めましたと。短冊を作ったり、コップを作ったりしてますと。(冷やし飴用の)水を汲みに行きますと、その水はこれだけ要りますと。それはホンモノの水(天川村のごろごろ水)を汲みに行きますと。







「ごろごろ水を汲んできた」言うたらすぐ飲めると思うけれど、天然水は家庭で飲むなら良いけど、人前に出すときは 60 度以上で煮沸せな提供でけへん。そやけど機械で煮沸したものは、市販されてんねん。市販されたものを買ったら、この間(かん)の手間(汲んできて、人の手で煮沸する工程)をかけとらん。この過程を知らないうちに通り過ぎているわけや。そやけど汲んでくるエラさ(大変さ)、煮沸せなあかんエラさを乗り越えて、さりげなくお客さんに出せたら、これがホンマもんやねん。







灯火会名物・冷やし飴(ごろごろ水を使った飴水)。さっぱりと美味しい

(飛鳥の山の竹藪へ材料の竹を切り出しに行って)竹コップ用に切る。これ、子供たちが切ってくれる。この冷やし飴の水は、単なる水と違うねん。ここ(煮沸するという手間)をくぐっとる水や。竹コップも、ここを通過しとるコップや。そやけど「竹のコップで回し飲みか、汚い」と言う人が多い。「紙コップにすりゃええのに」と。これが今の相場(状況)やねん。



そやない。回し飲みするからこそ、みんな丁寧に洗うねん。子供はコップを丁寧に丁寧に洗うねん。「飲み口で傷ついたらあかん」って(サンド)ペーパーで磨いとる。これで「他人(ひと)に対する思いやり」を勉強しよるわけや、子供が。お客さんに喜んでもらうためやない。そんな教育をするために「今井灯火会」をやっとんねん。




灯火会の日、今井町を訪ねると町の皆さんは、温かくお迎えしてくださる。準備も後片付けも、さぞ大変だろうとお察しする。それでなくても木造家屋の町なかで火を使うイベントをするには、細心の注意が必要だ。さまざまな困難を切り抜け、このような住民手作りのイベントを9年間も続けて来られたというのは、素晴らしい地域財産である。





巷には自治体の補助金を使った安易なイベントや、イベント制作会社頼みの催しは数多い(おカネがなくなると、すぐに止めてしまう)。そんな風潮のなか、住民手作りの持続可能なイベントにこだわる今井町の皆さんのご努力には、頭が下がる。



今井町の皆さん、若林さん、今年も来年もその先もずっと、温かい灯火でこの中世の町を照らし続けてください!

コメント (2)
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