tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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黒滝村から今井町へ/職場旅行PARTⅡ.

2019年02月25日 | 奈良にこだわる
昨日の「PARTⅠ.」に引き続き、職場旅行のPARTⅡ.を(2/23)。「黒滝 森・物語村」のヨーロッパ山荘風の宿で一夜を明かした翌朝は、周辺をぶらぶらと散策した。敷地内にはレトロな「黒滝村旧役場庁舎」があった。これは日本遺産「森に育まれ,森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地“吉野”~」の構成文化財だ。日本遺産のHPによると、





明治の吉野林業を伝えるモダン建築 建物は明治43年、吉野材木黒滝郷同業組合事務所として建てられた洋風木造建築。大正2年から黒滝村の役場として60年余り利用されてきました。現在は2階が吉野林業に関する資料を集めた「民俗資料館」として活用され、樽丸づくりの道具(県指定)が展示され、庭には和歌山にあった黒滝材の貯木場の祈念碑が移設されています。平成7年に同村中戸から現在の地へ移築する際、念入りに修理もされたため建築後95年になるとは思えないモダン建築を見ることができます。





茶粥のついた美味しい朝ご飯のあとは、道の駅経由、広橋梅林経由で、一路・橿原市今井町へ。予定では車中で吉野の話をするつもりで、パワポ資料もバッチリ用意していたのだが、マイクロ2台に分乗することになったので、これは諦めた。今井では、当ブログでおなじみの若林稔さん(今井町町並み保存会会長)に、町内をガイドしていただいた。若林さんと保存会のことは昨年(2018年)10月17日、奈良新聞「明風清音」欄で詳しく紹介させていただいた。引用すると、


広橋梅林(下市町)は、咲き始めだった

橿原市今井町はわが国で屈指のむかし町(歴史的町並み保存地区)だ。「中世末、寺内町として形成され、近在から在郷武士を含む有力な信徒が移住し」「四周を環濠と土居で囲んだ現在の町割りが成立した」「大幅な自治権が認められた大和の商業の中心地として発展し、大名貸しを行うような商人も誕生している」(以上、『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』)。



昭和30(1955)年、当時東京大学の助手だった伊藤鄭爾(ていじ)氏は町内に滞在して町家調査を行い「中世の町がこれだけ大きい規模で残されているところは珍しい」と町長に進言した。「この大切な町を保存しよう」という機運が一部町民の間で生じ、「古くて暗い町」のイメージが変わる兆しが現れたときで、高市郡今井町が隣接町村と合併して橿原市となる1年前の話だ。



その力が昭和46年、称念寺の住職だった今井博道氏らによる「今井町を守る会」結成へとつながり、49年には妻籠宿(長野県木曽郡)、有松町(名古屋市)の地域づくり団体との連携により「町並み保存連盟」が発足。

同連盟の尽力により、翌年「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建)制度が実現した。従来の住環境を維持しながら住民の保存に対する意識を高める制度で、今井町は長年の議論ののち平成5(1993)年に重伝建の制度を受け入れた。「守る会」の遺伝子は現在の「今井町町並み保存会」に受けつがれている。



保存会の若林稔会長(78)にお話をうかがった。「今井町が注目され国から多額の助成金が降りるようになりましたが、落とし穴がありました、高度成長期の頃です。『あれも助成金で、これも助成金で』と他人やカネに頼るような体質になったのです。助成金で見た目だけが立派な町になりましたが、この町を築いてくれた先人たちの進取の気性やもてなしの心が失われていくのを強く感じました。本当の宝物は建物ではなく『心』だったのです」。



そこで若林さんが取り組んだのはシンボルづくり。安土桃山時代の豪商で茶人、千利休・津田宗及とともに天下三宗匠の1人、今井宗久は、今井町の出身といわれる。しかも奈良はわび茶の発祥地だ。若林会長は「今井町並み散歩」というイベントの規模を大幅に拡大、フリーマーケットを並べるほか、宗久の時代の茶行列を創案した。このイベントは大ヒットし、今年で23回(年)目を迎えた。



「私のイベントは手間暇がかかり、そんな効率の悪い町づくりに、当初はしぶしぶ賛同してくれる人が大半でした。しかし徐々に遠方の学生たちが協力してくれるようになりました」。学生たちのために、若林さんは自宅を開放して寝食をともにする。ピーク時には20~30人にもなるそうだから、これは奥さんも大変だ。そんな学生の1人が「昔のものにふれることが少ない今の時代に、昔のものの温かさ・よさを感じることができた」と感想を語っている(『いまいは今』第41号)。

その後も若林さんは数々のイベントを仕掛けた。今は「働き者が育ってきていることを頼もしく感じます」。今井町の保存は若林会長の統率力のもと、これからも全国の保存地区から注目され、輝き続けていただきたいと願う。






若林さんの名ガイドは12時40分で終了。徒歩でランチ場所に向かった。飛鳥川にかかる蘇武橋(そぶばし)のたもとでは、菜の花が真っ盛り。思わずシャッターを切った。





ランチ場所は今井町から国道に出る道沿いにある「食堂楽(しょくどうらく)」へ。私は「安い、うまい、ボリュームたっぷり!」と当ブログで紹介したことがある。一部を引用すると、


同僚が注文した海老の天ぷら。梅の赤、菜の花の黄と緑を連想させるきれいな盛り付けだった

今年(2013年)の2月9日(土)、吉野町の美吉野醸造へ酒蔵見学に行き、どこかで打ち上げをしようということになったので、この店を推薦した。30人近いメンバーでくり出し、お店は大混雑状態。気のあった仲間と飲んだり食べたりで、大いに盛り上がった。




山盛りの鶏の唐揚げ(1人前)

「生ビール」(大 890円)は、ジョッキというよりピッチャーのサイズで出てくる。「鶏の骨付き空揚げ」など、ゲンコツほどの大きさの空揚げが5個ほど(740円)。最後に精算すると、1人たった2,000円だったので、皆、唖然とした。ボリュームがあるので、グループで行ってシェアするのが一番ピッタリくる。なお焼肉メニューもある。





お店は少し路地に入るのでやや分かりにくいが、広い道路に面して立派な駐車場があるので、それが目印になる。美味しくてコストパフォーマンス抜群のお店、ぜひお訪ね下さい!


チャーシュー麺

私は、半ちゃんラーメン(ハーフサイズのチャーハンとチャーシュー麺のセット)を注文。出てきたラーメンはこんなにボリュームたっぷり!しかもチャーハンは通常の1人前の量だった。うーん、食べられるだろうか。


チャーハンは通常の1人前のボリュームだった!


トドメは、超弩級(ちょうどきゅう)のあんかけチャーハン、これで1人前とは!

続々とみんなが注文した料理が出てきた。これはすごい!「相当残るだろうな」と踏んでいたが、結構よく食べる。結局、鶏の唐揚げだけが残ったので、パックに詰めて持ち帰ってもらった。あ~あ、よく食べた。

それにしても、とても楽しい「古典的」職場旅行だった。「地域活性化」をめざす部署なので、中和と南和をバスで巡るという発想がいい。これは幹事さんのおかげである。私も忙しいところを少しムリして参加して、本当に良かった。来年はどこに連れて行ってもらえるのだろうか、今から楽しみにしている。皆さん、どうもありがとう!
コメント
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